短いゲームだった。48分でエンディングまでクリア。

やってることはすごく新しいし、丁寧。
主人公の女性フローレンスの視点で、つまらない日常を過ごして、ひとりの男性と出会って恋に落ちて……の人生をインタラクティブに体験できるように構築されている。

知り合った直後はフキダシ1個を組み立てるのにたくさんのピースが必要なのに、慣れてくると2～3個で会話が成立するようになったり、口喧嘩になるとピースがとげとげし出したりっていう表現は面白かった。
あとは渋る相手の背中を○連打で押す（押すのをやめるとだんだん押し戻されていく）とかは、ゲーム的なデジタル感と現実の感情をほどよくミックスした表現で好き。

ただ、ゲームとして「面白い」か、というと……んー。
ストーリーに意外性がほとんどなくて、表現は新しいけど、別に面白くない……
「実験作」とか「純文学」とかそういう感じがした。

映像作品に近いような、非言語的な語りがすごく丁寧で上手い作品だった。僕はついつい言語に頼ってしまう癖があるので、いい感じに見習いたい。