サザンオールスターズ LIVE TOUR 2019 「“キミは見てくれが悪いんだから、 アホ丸出しでマイクを握ってろ!!” だと!? ふざけるな!!」福岡公演を見てきた話

はじめに

先月の話ですが、生涯で初めてサザンオールスターズのライブを見てきて、サイコーに感動した。本当に感動したので、そのことについて書きます。


注意!!!

 本記事はネタバレを含みます。ツアーは先週終わりましたが、映像作品を心待ちにしている方はご注意ください。

もう一度言います


本記事はネタバレを含みます


ツアーは先週終わりましたが、映像作品を心待ちにしている方はご注意ください。

では

書きます。


ライブに対するおれの意気込み


40周年の流れのライブということで、予想していたのはヒットパレードだった。
2013年の復活ライブの映像作品で、Love Affairの演奏シーンで客席が映され、「待ってましたウットリ」顔で一緒に歌を口ずさむお客さんの顔が映されるのだが、あのシーンは本当にサザンが「国民的バンド」であることを象徴してて、すごい素晴らしい映像なんだけど、それと同じように今回もヒットパレードでお客さんみんなをサザンが「国民的」に大満足させるようなライブを想像していたのです。
しかーーし!全然違った!攻めの姿勢の演奏曲目!!!!一番最初に語ることではないかもしれないけど笑

それでは、内容について

一曲目は「東京ビクトリー」。暗転後に、ステージを覆うベールに五人のシルエットが映され、イントロは演奏者みんなのアカペラで「うぉーうぉーうぉーーーうぉ」から、桑田さんがアコギで歌い出す。この演出は感動したね。その間に他のメンバーは楽器のところに移動してるな〜とか想像しながら、最初のギター&歌だけのサビが終わりバンドインするところでベールが下される。もう一度言うけど、この演出は感動したね。
東京ビクトリーに関しては、かつて「こんなに凡庸な曲、わざわざシングルとして発売する意味あるのかな?」まで思ってたんだけど、グッと思い出深い歌になりました笑👍

そっからは、去年の曲「壮年JUMP」を演奏した後、ホーンだけで聞き覚えのあるフレーズ。某曲をライブで演奏する時の、二番の冒頭でホーンだけになるパートのフレーズを彷彿とさせる、素敵な「ぱらぱぱぱ〜〜〜」。そうよそうよ。「希望の轍」ですよ!!!!個人的には「これを聴きに来た」のうちの一つでした笑 自分の人生の中でも5億回くらいは聞いたんじゃないか、というとても大事な曲なので、普通に感動しました笑

MC挟んで、また去年の曲「闘う戦士たちに愛をこめて」。新し目の曲はどうしてもある程度俯瞰した気分で聞いてしまうんだけど笑、その次が「SAUDADE」でした。「さくら」からの選曲。ちょっと渋めな選曲ですよね。アルバム「さくら」の中だと、ハード目、ダンサブル目な曲が好きなので、お馴染みな曲ではあったもののそこまで思い入れは深くなかった。ライブでじっくり聴くと、桑田さんの歌謡曲からの影響、もしくは「Michel」的なポールからの影響もある気がするけど、とても美しいメロディで、いいなあと思った。
そしてここらへんから「もしや、ヒットパレードにならない?」という期待に胸を膨らませ始めました笑

そこから、自分としてはリアルタイムでよく聴いていたシングル曲「」や「神の島遥か国」が聴けたり(シングルとはいえちょっと渋目の選曲よね)、そのあとは「欲しくて欲しくてたまらない」(超聴きたかった!いつ聴いてもいなせでカッコ良い!)や「赤い炎の女」(斎藤誠氏のイントロのスパニッシュギター、カッコよかったな〜)などを演奏!あ、今日は2013や2008のツアーのようなヒットパレードではないんだ!と悟り、逆にワクワクワクワクワクワクしてきました笑
Moon Light Lover」もとても良い曲だな、と強く認識。今まではアルバムでいろんな曲と共に聴くことであっさりと聴いてた曲も、ライブでじっくり聴くと、ため息が出るくらい完成度を実感したりする笑

圧巻は「古戦場で濡れん坊は昭和のHERO」と「JAPANEGGAE」なんて狂ったプログレ曲を立て続けに演奏!!!アルバム「人気者でいこう」や「KAMAKURA」の曲はサザンのNEW WAVE期と勝手に呼んでますが笑、、その時期の曲を今演奏すると………マジに上手過ぎ、渋過ぎ。カッコ良過ぎ。サザンの演奏力の衰えなさ、というかむしろ強固になっているんじゃないか?なんて思ったりして、ウットリしていました。ヒロシのドラム、渋過ぎ、超サイコーだった。

そのあとも、渋い選曲は続き、自分がほとんどチェックできていなかった曲として、「世に万葉の花が咲くなり」からの「HAIR」。POPでブルージーで、カッコ良過ぎる。モンローの、パンティーは、ケネディーが、決めたサイ〜ズ!桑田さんの一番得意な曲って、こういうのだよね、なんて思ったりして、一瞬でこの曲のファンになりました。

珠玉系バラード「慕情」や、新曲「愛はスローにちょっとずつ(仮)」なんてのも演奏してくれて(新曲はまあまあいい、美しい曲だと思った)、おれの中の期待値をどんどん上げていってくれたところで始まったのは、「どぅ〜んどぅ〜んどぅん、どぅ〜んどぅ〜んどぅん………」のムクちゃんのベースのイントロ、、、そうよそうよ。「思い過ごしも恋のうち」!!!!これに関してはなんとなくやってくれる予感がしつつ確証も持てない中「これを聴きにきた」リストの筆頭でした笑 ホント、若かりしサザンの勢いがギュッと詰まった曲を、今の圧巻の演奏力で聴けて、胸いっぱい。ただただ、、、、フルでやってくれよ!!笑 別れ話はmisery, 昔話はhistory, 次の日も思い切りしゃぶりつくよにpatientry!!!が聴きたかった気持ちもあるけど。とはいえ大大大大感動。

そして、「シュラバ・ラバンバ」!!!これはみんな大盛り上がり。途中の小ネタ(SHOCKING BLUEの「Venus」や、「わ〜すれられないの、あの人が好きよ」を織り込む)も滑ってるのか滑ってないのかわからないけど笑、サザンらしい演出でよかった。ただ、これもフルでやってくれよ笑

そこからは比較的近年のバラード目の人気曲「はっぴいえんど」なんかもやりつつ、その後はずっとダンサブル/エロ系の歌。ダンサーも加えての演奏でした。「マチルダBABY」「YELLOW MAN」「マンピーのG☆スポット」。
マチルダBABY、特効の演出映えてて素晴らしかったし、ダンサーの方のアホらしい踊りが癖になりました。ちょいちょいマネしてます笑
YELLOW MANは言わずもがなで名曲で演奏もロックでカッコよく、マンピーのダンスの演出は普通に爆笑してしまった、、サイコーだった笑
マンピー、いつもはセクシー目の衣装のねえちゃんに、桑田さんがセクハラまがいの振る舞いで歌うのがお馴染みだったけど、今回はパンティーを頭にかぶった短パンにいちゃんが大量に出てきて、そのうちの二人に、桑田さんが体を密着させられた状態で歌う、という演出。
そしてサビの「マンピーのGスポット(チャチャッ)、Gスポット(チャチャッ)、Gスポット」のところは普段と同じように手を上に上げて「チャチャッ」のところで手拍子するフリなんだけど、「真夜中の道を抜けて辿れば自由の道」のところはパンティーを頭にかぶった短パンにいちゃん達が皆んな揃ってなんとも形容しがたい、うねうねとした不気味で自由な動きのダンスをしていて、それがもう面白過ぎてたまらなかった、サイコーだった笑 この曲はライブでは定番だし、絶対やるだろうなと予想してたけど、このライブのマンピーの演出が過去と比べても一番好きでした。

そして、アンコール、民族衣装っぽいドレスを纏ったダンサー達が、ホーン隊の演奏に合わせて踊る。「BYE BYE MY LOVE」かな?とかおもってたら、イントロで原ぼーがピアノで刻む。「BYE BYE MY LOVE」じゃないな、なんだろうな〜と思ったら、、「I AM YOUR SINGER」!!
2008年の活動休止の時に最後に出したシングルで、当時のライブではカラオケに合わせて、五人は踊る、と言う演出だったので、そして多分そこから演奏されたことはなかったので、生演奏で披露されるのは初めてなはず。こう聴くと、本当に素敵な曲。ちゃんと帰ってきてくれたしね。

そして、その次はカモメの効果音。「チャコかな?夏をあきらめてかな?」なんて思っていると、流れたイントロは………… Love Affair〜秘密のデート〜!!!「これを聴きに来た」です。ずっと「たん、、、たたん!ふー!」のリズムで手拍子が行われて、普段はこの手拍子好きじゃないんだけど、これだけ国民的な歌だともうそれも気にならない、、、というかこれくらい「お決まり」感が演出されているのが気持ち良い。これも5億回くらい聴いてる歌だけど、ホントにウットリですよ。「ボーリング場でカッコつけて」のところで、ボーリングしてカッコつけるフリで桑田さんが歌うのがここ10年くらいお馴染みになってると思うのですが、今回はその前の「好き合うほど何も構えずにただの男でいたい」の歌詞のところから、ボーリングの玉を準備するジェスチャーをしていて、サイコーでした笑
そして、「栄光の男」やみんな大好き「勝手にシンドバッド」。当然、サイコー。これで終わりかな、と思ったら、まだステージをはけません。
最後に演奏してくれたのは………「旅姿40周年」。そうです、「旅姿六人衆」のこと。キーが下がってたけど、もうそんなの気にならないくらい、名曲。そして、桑田さんの歌、カッコ良上手過ぎ笑 思わず呟きました笑 忘れられないラストでした。あとから知ったのですが、この曲は2000年に大森さんが脱退して5人組になってからは、演奏されていなかったみたいですね。こんな重要な曲の(結果論ではありますが)「解禁」に立ち会えてラッキー。

そんなこんなで、3時間半くらい?夢見心地な時間を過ごせました。サザン、スゴ過ぎるだろ。特に、演奏力はあんなに健在だとは思っていませんでした。いやいやいや、当然だろ!という声もありそうですが、初の生サザン、忘れられないライブになりました。

あとがき。全体を通して思ったこと。

おれがあらためて考えたサザンオールスターズのすごいところ

1. 誰でもすっと聴ける音楽をやりながら、渋いプロミュージャンも唸らせるような曲作り・演奏も両立させる。大衆性を客観視しながら、全員がまごうことなき音楽バカ。
2. 40年やってるから、レパートリーが死ぬほど多い笑 「意外な曲」を放出し放題
3. 40年間で常にサウンドが進化していて、それ故に楽曲のタイプも多彩。シンドバッド、エリー、ミスブランニューデイ、希望の轍、愛の言霊、ラブアフェア、Yellow Man, Sea of Love。代表曲あげても全部異なるタイプのバリエーション。
4. ロックバンドなのに、ダンサーが映える!!いつも素晴らしいステージが演出されている。
5. MCタイムでは、コントとしては完全に滑ってるけど、本人たちは知らぬ顔だし、カリスマ過ぎるから、みんな楽しんでいて、結果滑り知らず。
6. 桑田佳祐氏がデファクト人間国宝。皆んな衰え知らずだったけど、桑田氏の歌声の衰え知らなさが一番衝撃的だった。世界一のカリスマ。

こんなところかなぁ。

おれはサザンに17年くらい恋い焦がれてて、ライブの映像も何度となく目を凝らしてみてきた。
でも「生」での鑑賞ゆえの、とんでもないカリスマから伝わってくる波動っていうのは明確に違った。
ホントに、幸せな1日でした。