見出し画像

【koko行ってきた!】都内の古刹・深大寺!名物のお蕎麦を食べに行ってきた

伝統的な古寺や寺院の集まる日本のスポットといえば、奈良や京都は外国人観光客からも有名ですよね。しかし、東京にも長い歴史を誇る古刹があります。

浅草の浅草寺は、大晦日によくテレビでも紹介されているのでご存知の方も多いかと。でも、都内の古刹は浅草寺だけではないんです。

東京都の西に位置する武蔵野に鎮座する深大寺も、開創からおよそ1300年の歴史を誇る都内の古刹の一つです。都心から電車で約30分の距離にありながら、自然豊かな環境の中に静かに佇んでいます。

ある晴れた日、お蕎麦が美味しいことでも知られる深大寺に、名物のお蕎麦に癒しを求め … いえいえ!謹んで厄除け祈願に行ってきました。

深大寺の歴史

公式ホームページ:https://www.jindaiji.or.jp/

東京・武蔵野の豊かな森の中に鎮座する都内屈指の古刹、深大寺は733年に、水の神様「深沙大王(じんじゃだいおう)」を祀るお寺として創建されました。深大寺という寺名は、深沙大王の「深」という一文字をもらって付けられただそうです。

深大寺を開山した僧侶の両親が、かつて深沙大王様に恋の仲立ちをしていただいたのだと。それで深大寺は、現在も、縁結びの神様として人気のお寺なんです。

【縁起となった伝説とは】
桓武天皇の時代、現在の須佐町が「柏野の里」と呼ばれていたころ、右近某という長者が住んでいました。毎日、付近の野山を駆けまわっては、罪のない鳥やけものを殺し楽しんでいました。これを妻の虎女は憂え、右近を戒めると、右近はその非を認め、平穏な生活に戻りました。やがて、2人の間に生まれた娘はすくすくと成長し、年ごろとなって、この里にあらわれた福満という青年と恋におちいったのです。これを知った父の長者はカンカンになって怒り、池をめぐらした離れ島に娘を移し、2人の仲を裂く方法を考えつきました。

福満は、娘に会いたい一心から、水神・深沙大王に祈り、若しもこの湖を渡ることが出来たならば、山寺を祀りて永く湖水の主として、且つ此村の鎮守の神として仰ぎ参らせまう」と誓いました。すると、この福満の願いがかない、1匹のカメが現われ、青年を背中に乗せて島に渡してくれました。

これを知った、娘の両親は、驚き、2人を結婚させることにしました。この2人はかわいい男の子をもうけました。この子が、のちに、深大寺の開祖の満功上人であるといいます。

出典:深大寺略縁起-仮名縁起2巻ー(市宝)ー

本堂

山門をくぐった正面に位置する本堂には、本堂のご本尊・宝冠阿弥陀如来像が奉安されています。


元三大師堂

本堂より左手に進むと元三大師堂があり、このお堂のご本尊・元三大師像が祀られています。元三大師は、平安時代に活躍した比叡山の位の高いお坊さんです。

元(1)月3日に生まれたので「元三大師」という通称で親しまれてきました。霊力があり、数々の軌跡を起こしたことから「観音の化身」「厄除け大師」として信仰を集めている神様です。

元三大師は、本当は可愛いお姿なのに、頭から角を出した恐ろしい姿に身を変えて、疫病神を退治する神様として知られています。ここ深大寺の元三大師像は座像にして2メートルにもなる強大なお姿なんです!

古像の中では日本最大の法量を誇ります。ただし、秘仏のため普段は直接拝むことはできません。基本的には25年に1回しか開帳されない深大寺の神様です。

ちなみに、ただ今(2024年3月30日現在)修復のため、奈良に文化財修理に出ているのだと。戻ってきたときに特別開帳が予定されているそうですが、開帳日はまだ未定です。ホームページで発表になるそうです。この機に厄除けの元三大師様に直接ご祈願したいなら、ホームページの発表をお見逃しなく!

元三大師は我が国の「おみくじの」の創始者でもあり、深大寺のご祈願本尊でもあります。

お寺に行けば「おみくじ」を引いて、運を占ってみたくなりますよね。寺社によっては「吉」を引きやすいように「凶」を少なくしているところもあるのだそうです。

しかし、深大寺のおみくじは古来のまま。「凶」を引く確率が高いのだとか。この日引いたおみくじも、なんと本当に「凶」でした。やはり「凶」を引いてしまったかとがっかりしていると、「凶は吉に好転する力を秘めている」と、おみくじの売り場の横に記載がありました。

この日引いたおみくじは「凶」でしたが、がっかりしないで好転することを信じることにします。みなさんも「凶」を引いても決してがっかりしないで前向きに捉えてください。

でも「やっぱり『凶』が出たら嫌だな」という方は、「開運・招福お守り入りおみくじ」なんていうおみくじもあります。開運を招く12体の縁起物のお守りいずれかが納まっているおみくじです。

銭亀、軍配うちわ、かえる、六瓢簟(むびょうたん)、達磨(だるま)、熊手、招き猫、小槌、鷽鳥(うそどり)、お多福、恵比寿、大黒天の12体。

この日、私は「達磨」を引きました。「人に忍と福と寿命の三徳を与える福神」なのだとか。お財布に入れておくとよいそうなので、しかり納めています。ご利益ありますよーに…。

元三大師堂から西門に向かうところにある釈迦堂には、ご本尊の「釈迦如来像(お釈迦様)」が祀られています。

東日本最古の国宝仏で、寺院伝来の仏像としては都内の寺院で唯一国宝に指定されています(2017年に指定)。ちなみに深大寺の釈迦如来像は、台座に腰掛けているお姿です。

釈迦如来像は拝観時間が決まっていますのでご注意ください。 

【釈迦堂拝観時間】   

  • 春分の日~秋分の日まで:9:00~17:00

  • 秋分の日~春分の日まで:9:00~16:00

時間を選ぶと美しい鐘楼の鐘の音が聞ける

鐘楼

山門から入り、境内右手には、厳かな雰囲気の鐘楼(しょうろう)があります。以前は重要文化財に指定されていた古い梵鐘(ぼんしょう)を吊っていました。

現在の鐘は2001年にひびを鋳造して釣りかえられた鐘です。毎日3回お坊さんが鐘を突きます。時間を見て参拝すれば、神聖な趣の鐘の音を聞けますよ。

【鐘時間】

  • 春分の日~秋分の日まで:朝5:00、昼11:30、夕方18:00

  • 秋分の日~春分の日まで:朝6:00、昼11:30、夕方17:00

境内にはゲゲゲの鬼太郎もいる!

深大寺は風情豊かな環境に恵まれていたので、多くの俳人や歌人に愛され、境内には多くの句碑や歌碑があります。

また日本の漫画界にその名を刻んだ水木しげるは、深大寺を第二の故郷としてこよなく愛していたそうです。彼の代表作である愛らしい妖怪たちが繰り広げる「ゲゲゲの鬼太郎」は知っている方も多いのではないでしょうか。

水木しげるが愛した里として、深大寺の参道には、まるで本当に妖怪が住んでいそうな鬼太郎にちなんだグッズを取り扱うお店があります。店先には人間の大人くらいの背丈の鬼太郎とねずみ男がお出迎え!インスタ映えするスポットです。

深大寺は、2010年の春から秋に放送されたNHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の舞台にもなりました。水木しげるの愛した土地であり、「ゲゲゲの鬼太郎」の不思議で温かい世界を体感させてくれるこのスポットは、きっと鬼太郎ファンにはたまらないことだと思います。

四季折々の行事に合わせて参拝するのもよし

お正月三元日には、約20万人もの初詣参拝者で賑わう深大寺は、年間行事も盛りだくさん。行事に合わせて参拝に訪れるのもおすすめです。

  • 2月3日節分(豆まき)

  • 3月3日~4日  厄除元三大師大祭だるま市(※1)

  • 4月8日あたり  花まつり

  • 5月3日  元三大師「童子まつり」(※2)

  • 7月下旬  ほおずき祭り

  • 11月下旬  そばまつり(※3)

  • 12月31日  除夜の鐘:毎年12月31日23:30ごろから突き始められる

※1:深大寺山門の紅梅白梅が見ごろを迎える3月3日、4日の両日にわたり、元三大師のご霊験を崇める「厄除元三大師大祭」が執り行われます。約10万人の人々が訪れる大きな行事です。

同時に境内では大師様の力にあやかる縁起のだるま市も開かれます。「東京に春を呼ぶ深大寺のだるま市」と言われるほど知名度のある行事です。購入しただるまには、元三大師堂前でお坊さんが直々に目入れしてくれます。

※2:5月3日の元三大師の縁日には、子どもが鮮やかな袴を履いて境内を練り歩きます。元三大師には2人の童子がお仕えする姿が、当時のお礼絵に描かれてだそうです。

仏様にお仕えするその童子を「お稚児さん」と呼び、5月3日の元三大師の縁日には、子どもの健やかな成長を祈願し稚児行列が行われます。

【2024年度 稚児行列の参加について】
参 加 者 :全国の5歳から小学校低学年までの子ども
申込期間:2024年3/27日(水)~4月26日(金)
申込方法:直接深大寺の寺務所に申し込み(受付時間:9:00~16:00)
◆定員30名になり次第応募は締め切りです。

※3:参道や深大寺周辺のお蕎麦屋さんが、「おいしいお蕎麦をありがとうございました」と祈願するお祭りです。境内にはこの土地の名物の物産展が並びます。

日本に1体しかないと言われる「そば守観音」が祀られている深大寺では、毎年秋の「そばまつり」に、境内で蕎麦を打ち「そば守観音供養祭そば懸鼓式」が行われます。 

深大寺の御朱印は三つ

参拝した証に授与される御朱印。近年は旅の思い出として「御朱印めぐり」などといって、御朱印を集める愛好家もたくさんいるようですね。

温かくやわらかな墨字や、たくましい墨字など、各寺社独自の御朱印は、それぞれ魅力的です。ここ深大寺でも三種類の御朱印がいただけます。

  • 阿弥陀如来の御朱印

  • 元三大師の御朱印

  • 釈迦如来の御朱印

阿弥陀如来の御朱印には「無量寿(むりょうじゅ」、そして釈迦如来の御朱印には「 白鳳仏(はくほうぶつ」と記載されています。これは阿弥陀如来、釈迦如来の別名です。

「仏様に別名ってあるの?」とこれまで知りませんでしたが、仏様に別名、ありました!寺務所にいる学芸員の方に伺ってみると、「『無量寿』『 白鳳仏』という呼び名は、お経の中に出てくる呼び名で、とても崇高な意味のある呼び名(別名)」だそうです。

たとえば、阿弥陀如来の別名「無量寿」とは、「人間を超える、仏様の教えが永遠に続く」そんな意味がある呼び名だそうです。

「無量寿」本堂本尊 阿弥陀如来の御朱印
「国宝 白鳳仏」釈迦堂本尊 釈迦如来の御朱印
「元三大師」 大師堂本尊 元三大師の御朱印

元三大師の御朱印は、平安時代、鬼の姿となって疫病神を退治したときの姿を写し取ったものです。この姿の元三大師を「角大師(つのだいし)」などとも呼んでいます。この姿を刷った「お札」は魔除けとして知られており、玄関の目線より上に貼っておくよいそうです。

【御朱印について】

  • いただける時間:9:30~16:00まで

  • 初穂料:各500円

ここも知りたい!深大蕎麦が有名なわけ

さて、ここからは、お目当ての…いやいや、名物の深大寺蕎麦の話をしましょう。

深大寺蕎麦は江戸時代からこの地の名物でした。深大寺は、武蔵野の豊かな森と、ホタルも生息するほど清らかな水に恵まれた場所に開山されました。

深大寺の北側の大地は、蕎麦の生産に向いていたので、当時の小作人は米ではなく蕎麦を作って、そば粉を寺に納めていたと伝えられています。

寺ではそのそば粉を打って来客をもてなした。それが深大寺蕎麦の始まりだと言われています。

1688年から1704年の元禄年間、上野の寛永寺に仕えていた徳川家の僧侶・公辨法親王(こうべんほっしんのう)に、深大寺の蕎麦が献上されたのだと。公辨法親王はそのお蕎麦をとても気に入り、将軍家や全国の大名に、広く知らせた。

こうして深大寺のお蕎麦は、将軍家や大名の間で高い評価を受け、全国的に名が広まったそうです。

400年余りの歴史を持つ深大寺蕎麦は、現在も武蔵野の名物であり、深大寺の参道や周辺には多くのお蕎麦屋さんが軒を連ね、大変賑わいを見せています。

お蕎麦屋さんおすすめ3選

数ある深大寺周辺の人気のお蕎麦屋さんの中から、しぼりにしぼり、おすすめのお蕎麦屋さんを3選ご紹介しますね。ぜひ訪ねてみてください。

深大寺で一番古い「元祖 嶋田屋」

山門を出て正面右手にある「嶋田屋」。老舗の深大寺のお蕎麦屋さんです。深大寺蕎麦らしいコシの強い風味は、今も昔も変わりません。しっかりしたコシとのど越しのよいお蕎麦のほか、そば饅頭や蕎麦じるこなどの甘味、そして甘酒も自慢です。

四季折々、旬の魚介や野菜、山菜がサックリと揚がった天ぷらがつくメニューが人気です。

仏教で煩悩を超越して悟りを開いたと言われる羅漢様の石像が目印です。

来店のときには羅漢様もよく見てください。向かって右側の羅漢様の石のお皿にはお蕎麦が盛られていて、左の羅漢様のお皿は空っぽ。

右側の羅漢様は「いただきます」、左側の羅漢様は「ごちそうさま」の阿吽の呼吸を表現しているんですって。美味しく食い始め、そして満足して食い終わる!嶋田屋さんの守護神だそうです。

「いただきます」の羅漢様
「ごちそうさま」の羅漢様

住所:東京都調布市深大寺元町5-12-10
TEL  :042-482-3578


映えるテラス席で至福のひととき 「青木屋」

深大寺参道脇にあるロケーション最高のお蕎麦屋さんです。テラス席からの眺めは、深大寺の自然にとっぷり浸れます。

夏は新緑、秋は紅葉を楽しみながら深大寺蕎麦を堪能。自慢のお蕎麦は、創業以来、素材・製法を守り続けて提供する二八蕎麦。のど越しが最高です。

残念なのは、参道に軒を連ねるお蕎麦屋さんは、17:00頃まで営業していますが、青木屋さんは15:00で閉店(2024年3月30日現在)です。ご来店の際は営業時間を確認してご来店ください。

住所:東京都調布市深大寺元町5丁目12-13
TEL  :042-488-1572

水車が目印「一休庵」

「一休庵」では十割蕎麦を提供しています。蕎麦の実を殻付きのまま仕入れて、この店の製粉所で殻を剥ぎ、店内の石臼で挽いたそば粉を使用。爽やかな風味のお蕎麦です。

お店の前には、手ですくって飲みたくなるほど清らかな小川が流れているんですよ。入り口横の大きな水車を目印にご来店ください。

住所:東京都調布市深大寺元町5丁目11-2
TEL  :042-482-6773

都内の古刹 深大寺で穏やかなひとときを!


東京西部・武蔵野にひっそりと佇む深大寺。緑豊かな境内は、日常の忙しさから解き放って心を癒し、一息つくための絶好の場所です。心を休ませる静かなひとときを、深大寺で過ごしてみませんか?参拝した後は、もちろん名物のお蕎麦もご堪能くださいね。


【koko行ってみて!】では、日帰りで楽しめスポットや、連休のお出かけにおすすめのスポットを紹介していきます。旅時間のご参考にぜひ…\(^^)/

#お出かけスポット #日帰り#深大寺#癒し#蕎麦#休日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?