スコッチウイスキーのハイランド/ローランド境界線
最近、ウイスキーについてもう少し詳しくなろうとウイスキー検定の勉強をしています。その過程で調べてみたことについて。
スコットランドには蒸溜所が多数あり、当然地図起こししたくなってきます。そこで、ハイランド/ローランド境界線やスペイサイドの境界線などが気になるわけですよ。
ハイランドとローランドの境界線は、『新版ウイスキー検定公式テキスト』などでは
と説明していますが、それ以上の詳しいことは書かれておらず、インターネット含めいろんな地図を見てもざっくりとした絵しかなく……
もう少し調べてみると、 The Scotch Whisky Regulations 2009 で産地の表示規定として保護されている地区 (locality) と地域 (region) が定められており、詳細な定義がなされていました。その保護地区/地域は以下の5区分で、 Regulations の表示保護規定上はアイランズは含まれておりません。
地区 (locality)
Campbeltown
Islay
地域 (region)
Highland
Lowland
Speyside
更に、ハイランドとローランドの境界について以下のように定義されています。
この定義に従ってマッピングしてみるとこのようになります。
ロッホローモンドやグレンゴインはハイランド、リンドーズアビーやアベラルギーはローランドに位置します。
『新版ウイスキー検定公式テキスト』や『[完全版]シングルモルトスコッチ大全』では、グレンゴイン蒸溜所の中を境界線が走っており、ハイランド側で蒸溜、ローランド側で熟成しているといった記述がありますが、今回マッピングしてみると境界線は数十メートルほど南を通っており、蒸溜所全域がハイランドに位置します。
確かに en.wikipedia でも同様の記述がみられ、検索すると Glengoyne を紹介するいくつかのウェブページにもそうありました。(ただし境界線とされている道路は南北に走る A81 で熟成庫は西に位置します。)
( The Scotch Whisky Act 1988 には記載ありませんでしたが)もしかしたら Regulation 2009 以前ではそういった区分がされていたのかもしれません。しかし、現在では明確にハイランドと言うことができると思います。
スペイサイドについては次の記事でまとめようと思います。
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