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続・恋人への髪型リクエスト

髪型リクエストの話、続き。「私も髪型リクエストしてみようかな」とは言ったものの、すぐには思い付かず、話題が変わり、そのままになった。

「真似して、同じ日に私も髪切ることにしたんだ」と前日の夜に言ったら、「してほしい髪型あるなら送ってね」ともう一度言われた。服装とか髪型とか、恋人の好みを聞くのはなんとなく窮屈なんじゃないかな?と思ったけど、彼はそうでもないみたい。

似合いそうな髪型をいくつか送ったら、「あ、これいいね。この写真見せるよ」ってヒョイっと採用された。

当日、私は朝から夫と映画を観ていて、昼食を食べて別れ、美容院に向かった。さっとスマホを開いたら、彼はもう切り終わったようで、無言で自撮りが届いていた。こやつ、自撮りを送れば問答無用でわたしが喜ぶとわかってるな……。くやしいけど、とてもよく似合っていた。こんなに写真や動画がありがたく思えるのは、全然会えないからなのか?

こんなお父さんが、息子の部活の集まりや娘の授業参観に、一人で参加して、教室の端っこに立ってたら、お母さんたちのアイドルになってしまうんじゃないか……?不倫ドラマみたいじゃん……?(私が言うと冗談にならない)とか、髪を染めている間、妄想した。

見た目を褒めると、「トウコ、最初の頃、好みとか色っぽいとかなんとも思ってなかったくせに。よく言うわ」と苦笑される。たしかに。でも、シチュエーションや出会い方が変わっても、彼のことを好きになるかもしれないな、とふと思った。

まだまだ、美容院で時間を持て余して、ふと「若い頃に私がぐりんぐりんのパーマかけた時の写真見せたっけなー」と思って「パーマ」と会話検索したら、昔のやり取りがヒットした。俳優の髪型について私が話していて、「パーマ好きなの?」と聞かれ、「うん、好き」と言ったら、「伸ばそうかな、そしたら」とか彼が言っていた。ずいぶん昔、仲良くなりたての頃。「そしたら」の使い方が、かわいいなあー。

あれからいろいろあったけど、はじめの頃もいまも、なんかかわいい会話しているなあ、思ったより大丈夫なのかも、と思ってうれしくなった。

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