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大人の木育AMCC2 #1

当麻町が隣接する旭川市には、世界に誇る家具メーカーが多くあることから「家具の街」とも呼ばれ、職人やデザイナーなどが活躍しています。

次代を担う若手の職人やデザイナーも数多く存在し、それぞれが交流を深めながら独自のコミュニティを築いています。

その一つが旭川木工コミュニティキャンプ(AMCC)。木工というものづくりにかかわる人が交流し、新たな動きを生み出す場として、2009年から活動をしてきました。2018年には10年という節目をもって活動を終了。2019年から新たにAMCC2として活動をはじめました。

そのAMCC2が今年、新たな取り組みを始めました。それは参加者が1本の木を伐り、製材発注をし、デザインを起こし、製作をし、世に送り出そうというものです。

AMCC2実行委員長の原弘治さんは、当麻町で家具職人として活動しています。「自分が作る家具が、どんな場所で生まれ育った木が使われ、どういう工程で家具として生まれ変わっているか、それを知っていなければお客さんに“良い家具です”と胸を張って提供することはできない」と考え、木の全てを知るために当麻の山林を購入。当麻町の木育に共感し、地域おこし協力隊(2020年に卒業)として移住し木育活動を進めてきました。山は「IKAUSI CLASS」と名付け、山の自然を生かした独自の木育活動を続けています。

AMCC2の今回のプロジェクトでは、IKAUSI CLASSで生まれた木材を活用します。3月に行われた第1回目では木の伐倒と運び出しを行いました。

伐倒したのはマカバの木。樹齢30年超まで成長した木ですが、山を育てるために間伐が必要だったことから、この命を大切に使わせていただくことになりました。チェーンソー以外は全て手作業。玉切りはのこぎりで、山から道路付近までの運び出しもそりを使って人海戦術で行いました。

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木にも命があります。何かのきっかけで芽を出し、育つ環境があったから30年という年月を生きてこれました。原さんは伐倒する前にこの木の生い立ちを皆さんに説明しました。木の生い立ちってなかなか考える機会がないことだと思います。私たちの生活は木という命を“いただいて”豊かに過ごせている、このことを学ぶことも大切な木育だと感じました。

この後、約1カ月間自然乾燥をさせ、春に製材、夏には参加者でデザインを起こし、製品の製作そして販売を行う予定です。