競馬連載010

【第67回中京記念】回顧 「絶叫!そして、沈黙」

「先週の重賞を回顧してみた」
編集部Kによる重賞回顧。レースをあらゆる角度から読み、
独自の視点で語ってみる。次走狙いたい馬、危険な馬を指摘しつつ、
なんとなく役に立ちそうなコーナー。ときに自らの馬券の悔恨と反省も。
基本、競馬が終わった、ちょっと寂しい月曜日に掲載。


「絶叫!そして、沈黙」
【第67回中京記念】回顧
2019年7月21日(日)3歳上OP、GⅢ、中京芝1600m

 あー、3歳強いよねぇ。時期と設定が変わった中京記念でワンツーなんてあったかなぁ。森裕太朗騎手、惜しいなぁ。チャンスだったよなぁ。勝ちにいったプリモシーンはハンデの差かなぁ。福永祐一騎手、この中京開催はいいリズムだったから、珍しく積極的な競馬したよなぁ。

 私の感想はそれだけではありません。
声が枯れるほど叫び、ゴール前100mで絶句。ソファからずり落ちたまま、這い上がるまでしばらくの時を要しました。

 本命の1枠1番グランドボヌールが直線入り口から一旦、後ろを引き離して先頭を走る姿にその単複を持っていた私はあれだけ離せば、悪くて3着はあるぞとありたっけの叫び声をテレビ画面に浴びせました。
 それが最後に見事な失速、後続に一気に差されて5着。今年最大級の天国から地獄状態。

 なんで、グランドボヌールが本命だったのか。根拠はただひとつ。
 「1番枠の和田竜二騎手」
 過去5年の和田竜二騎手の馬番別成績をみると、内か外か極端な馬番での単、複の回収値が高いんです。1番は単回収値92、16番は119、ちなみに真ん中の8番は単回収値37。1番に限らず、和田騎手を穴で買うなら内か外かというわけです。とりわけデータではなく私の印象でいえば、1番枠に入ったら買いたいジョッキーなんです。
 去年の葵Sではラブカンプー6番人気2着、18年3月10日12R4歳以上1000万下マイネルボルソー11番人気2着などこの作戦だけで儲けた記憶が頭にこびりついているからです。
 
 和田騎手は徹底して外を回らない騎手。古くはテイエムオペラオーの4歳有馬記念なんて4角で立ち上がるほどの不利を受けながら、馬群を捌きまくってメイショウドトウをギリギリ差し切りました。今年の七夕賞ではクリノヤマトノオーで大外枠から出走、スタート直後に大外から馬場を横切るようにラチ沿いへ飛び込んだ姿に和田騎手のインへの執着心が感じられました。
 
 「馬はバテても、和田はバテん」
 なんて言われる和田騎手。先述のテイエムオペラオーのようなズブい馬を追って追って勝たせる、追わせる騎手の代表なだけに、中京記念の直線で敢然と先頭に立ったグランドボヌールに私は叫ばずにはいられなかったんです。
 
 でも、グランドボヌールって前走CBC賞出走のスプリンターですからね。マイルはちょっと厳しかったようです。

 ただ、このレース、ラップが中京競馬場らしい変則ラップでして、3、4角がもっとも速いラップ(11.4-11.3-11.4)で、直線は急坂とともに失速ラップ。坂を上がった最後の1ハロンは最初の1ハロン(12.4)に次ぐ遅さ(12.3)ですから。グランドボヌールが厳しいラップ地点で早めに動いてバテたわけで、3、4角で置かれたグルーヴィットやクリノガウディーが強かったわけじゃないと思うんですがね。むしろ、ラップが厳しいコーナーで加速したプリモシーンを褒めるべきだし、一旦先頭に立ったグランドボヌールと和田竜二騎手のファイトを賞賛したんですがねぇ。
 
 馬券を外した自分を慰めるようなことを書いて、ごめんなさい。
 一応、まとめると、サマーマイルシリーズ(これ、みんな知ってますよね。ってか、このシリーズほかの2つと比べて着地点、というかゴールがなさすぎるんです)を展望するにあたり、中京記念の直線の攻防は覚えておいたほうがよさそうです。もちろん、グランドボヌール(こちらはサマースプリントシリーズかもしれませんが)と極端な枠に入った和田騎手のことも。

 今週はワタクシの原稿が遅れてしまい、水曜日更新となったため、
 毎週水曜日に更新している隣のデスクの人が書く「思い出の重賞」はお休みします。
 って、なんだか、ワタクシのせいにしてさぼってませんか?

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