ああ、マッサージで強く押されたい。全身を、くまなくゴリゴリと。

こんにちは。肩こり、腰コリ、むくみの人です。デスクワークに冷暖房のトッピングで、肩はもっこりエベレスト。正面から見るだけでわかる盛り上がりは、大地の脈動を感じさせます。長年のデスクワークと、貧弱すぎる運動習慣で干し柿のようになったケツ筋は、二足歩行を諦める寸前まで来ています。しかし労働者は、食い扶持のために働かねばならぬ。

20歳のころから各地を転々としつつ探し求めたマッサージ店。予約はいつだってロングの60～120分コース。しかし店からは「これはウチのマッサージでは治せないレベルのコリなので鍼灸院に行った方がいいですね」と出禁を食らい、ならばと鍼灸院に行けば「これはウチでは無理なのでマッサージ店に()」とたらい回し。こんな流浪の民を受け容れてくれる数少ない店に今も通っています。

これまでにマッサージ以外で試したのはHIIT（高強度インターバルトレーニング）、通常の筋トレ、肩ボトックス（肩にボツリヌス菌を入れて筋肉を死滅させる治療）、超音波、内科での筋弛緩剤処方など。どれもコリを遅らせる効果はありますが、結局マッサージ店に通わずには生きられず、現在も2週間に1度はマッサージ等の施術を受けないと肩こりがMAXになり食べたものをリバースする虚弱生活を送っています。

しかし、2週間に1度のマッサージを10年も受ければ、最低260回は受けている。というわけで少しでもお役に立てればと「マッサージではなるべく強くもまれたい、いっそ痛気持ちいいを超えて痛い施術寄りでも構わない、とにかく吐き気を止めてくれ」というマニアックな需要にお応えする、マッサージ店の選び方をご案内できればと思います。ついでに都内のおすすめ店舗をリストアップしました。

このnoteをご覧になった方の声

2019年にnoteを公開してから、たくさんの声をいただいております。一部抜粋して掲載させていただきます。

さあ、あなたもめくるめく痛気持ちいい世界へ……。

痛気持ちいいマッサージが体に悪いことは承知の上

ちなみに「マッサージで痛みを感じるほどの施術は筋肉を破壊するので良くない」という話を聞きますが、そんなことは分かって書いています。

私はいくつもの「痛くない施術で治します」系の店へも赴き「このコリはちょっと週２で通ってもらわないと」とやんわりギブアップされています。"コリを痛くない施術で治します、ただし月に10万円をマッサージに使ってくれるなら"と何度も言われた身です。

そしてマッサージとは、苦痛の除去と快楽の合わせ技です。快楽が体に良くないことは往々にしてあることですから、わかって受けるしかありません。この記事も効能は保証しませんし、科学的な裏付けは一切しません。ただ、「痛気持ちいいマッサージを受けたいのに、検索で全く出てこなくてイラっとした」方への、即物的な回答をお届けしたいと思います。

痛気持ちいい"ジャンル"のマッサージをまず探そう

まず、痛気持ちいいマッサージ店を探すなら「マッサージにはジャンルがある」という基礎知識を手に入れましょう。

こちらは私が独断で作った「痛気持ちよさ」という基準だけで評価したマッサージ・ジャンルマップです。図の中でおすすめゾーンにあるジャンルを選べば、痛気持ちいい施術を受けられる可能性が高まります。まずはお近くでジャンル検索をしてみてください。

まず、頭に〇〇式、などの記載すらなく、リフレクソロジーやリラクゼーションとだけ記載されているマッサージ店は、国家資格がなくてもバイトが施術できるようにできたカテゴリとして業界での評判が散々です。痛気持ちいい派でなくても、あまりおすすめしません。

痛気持ちいいマッサージ好きにとって、リフレクソロジーや英国式マッサージへ行くのは虚無の購買に近いです。英国式はなでるように優しいトリートメントが特徴。そして、スウェーデン式（スウェーディッシュ・マッサージ）は皮膚の表面をこすって摩擦を起こしながら皮膚を温める施術。

いずれも医学的な効果はあるのかもしれませんが、痛くもかゆくもありません。街中にあるチェーン系のマッサージ店より相場が高いこともあり、私はこの２ジャンルを避けて通るようにしています。余談ですが、私はイギリスに計6年住んでいたはずなのに当のイギリスで英国式マッサージ店をほとんど見たことがないのですが……あれはいったいどこからやって来たんでしょうか……。

カイロプラクティックはWHOも補完代替医療と認定した技術ですが、日本には法的に認められた資格がありません。そのため、先述のリラクゼーションと変わらないバイトちゃんが首の骨をゴキゴキと鳴らす施術をしているところもあります。痛気持ちいいというより「このままだと首がイっちゃうんじゃないか」とヒヤヒヤするので、個人的には好きではありません。骨を鳴らさない系カイロプラクティックは、いわゆるチェーン系の指圧に近い快感を得ることができます。

痛気持ちいい系マッサージの入口はバリとタイ古式

痛気持ちいいマッサージを受けてみたいが、痛すぎたらどうしよう……と悩む「痛気持ちいい初心者」におすすめなのが、バリ（バリニーズ・マッサージ）とタイ古式マッサージです。いずれも長時間受ける前提のマッサージなので、必ず90分以上で予約してください。

気の狂った私はバリ島まで行ってマッサージの施術を受けてきましたが、現地では4～6時間のマッサージも普通です。60分未満のクイックコースなどでは「中強度でじっくり、筋肉の奥までグリグリされる気持ち良さ」が味わえないので、だったら普通のチェーン系指圧に行ったほうがよいでしょう。

なお、バリニーズ・マッサージには「シロダーラ」という額にオイルを垂らす施術がありますが、痛気持ちよさの観点から言うと虚無です。

タイ古式マッサージは全身を足元からじっくり温めてくれるので、冷え性の方やストレッチ不足の方にオススメ。介助をもらってストレッチしつつ、全身の血行を改善するイメージです。強烈な痛気持ちよさはないものの、中強度でじっくり筋肉を刺激される快感は「ああ……それです……そうそれ……それもいいです……全部ください……」と脳内がふにゃふにゃに溶ける最高の時間となるでしょう。

おすすめ店舗のひとつ、武蔵関駅のバリニーズ。あらかじめ強めが好きと伝えておけば、痛気持ちいい派にちょうどよい施術となります。

タイ古式は店舗数も多いので、比較的見つけやすいかと思います。個人的にはここがお気に入り。

東急東横線・綱島駅にあります。都内じゃなくて申し訳ございません。タイの本格的な雰囲気の内装とBGMで、国内にいながらも気分はリゾートに連れ去ってくれます。タイ古式では「とりあえずタイっぽくデコっときゃいいでしょ」とチープな内装の店舗も多いなかで、ガチさを感じさせます。

施術は何も依頼しなければ股間節付近のリンパを押されたときに痛いくらいなので、比較的初心者向けです。リンパを押されるので、「強めに押してください」というとあっという間に「思ったより結構な……結構なお手前で……」と後悔するレベルの痛気持ちよさにアップグレードします。

普通のチェーン系指圧店も侮れない

都内なら「goo-it（グイっと）」や「ほぐしの達人」など格安でマッサージを提供してくれるチェーン系指圧店ですが、良くも悪くも玉石混交なので侮れません。ハズレを引けばトコトンだめですが、いかんせん働いている方が多いので最高の痛気持ちいい系マッサージャーもいらっしゃいます。予約時に「痛気持ちいい方向でマッサージできる方でお願いできますか？」と電話してみるといいでしょう。

在籍される方もコロコロ変わりがちなので"現時点で"というカッコ書きはありますが、私が当たりを引きやすいと感じているのは都内ですと以下の店舗です。

Goo-it!渋谷道玄坂店には「ここが痛いでしょう、そうなんですよ、ここがこってるんですよ」と力強く押しながら語りたがるスタッフさんがいます。

マッサージチェーン店では「goo-it!」が最強

なお、マッサージのチェーン店では平均してgoo-it!の腕がいいです。その理由は高い給与にあります。以下はある地域で検索した、各マッサージチェーン店の時給です。

各マッサージチェーン店の時給（安い順）
Re.Ra.Ku.　時給換算1,138～2,500円
カラダファクトリー　時給換算1,381円～2,562円
あしカラダ　時給1,528円～3,056円
ほぐし家　時給換算1,625円〜1,875円
ほぐし処　時給1,800円~2,000円
ほぐしの森　時給2,000円~2,200円
もみの匠　時給換算2,360円
goo-it!　時給換算2,561円〜7,881円

※求人が月給、日給になっているお店もあるので、全部時給換算に直しました

ご覧いただくと、goo-it!が圧倒的に時給高めなんですね。ただ、ここにはリスクもあって、もみの匠とgoo-it!は歩合制＆個人事業主としての契約です。つまり、時給が安いところは健康保険を会社が払ってくれていたり、福利厚生がほかにあったりするわけです。

とはいえ見た目の給与、大事。先行き不安定な世の中で、時給が高いマッサージ屋に有能な人が集まるのは、当然の摂理でしょう。客側としては「とりあえずgoo-it!なら安牌だな」と思っておけばOKです。

究極の痛気持ちよさは鍼灸・台湾式・中華系

ここから先は、究極の痛気持ちいい快楽を得たいゾーンです。台湾式は施術ルームの天井に棒がついており、スタッフさんがポールをつかみながらあなたを踏んづけてくれます。