村上君のボールペン

カラオケでバイトしてたときの話

身長180cm体重100kgの巨漢の村上君って後輩がおった

村上君は自分から話始めることが滅多に無くてデカい割に大人しい男の子やった

でもしゃべってたらめっちゃ笑ってくれてめっちゃ良いやつやった


カラオケのバイトは平日はワンオペで土日祝だけ2人シフトになる

店にはお客さんが入店するとき受付で使うボールペンと店員が注文受けたりするときに使うボールペンの2本しか無かった

でも結構ボールペン使うからどっか落としたりして一本しかなくなることが多かった


村上君と一緒に働いてると一つだけストレスがあって

村上君はワンオペの時の癖なのか使ったボールペンを胸ポケットにしまってしまうのだ

俺がボールペン使わなあかんタイミングが来るたび村上君に「ごめん、ボールペン貸して?」

村上君「あ、すんません」胸ポケットからボールペンスゥ〜のやり取りが一晩中続くのである


えらいもんでそんなストレスも何回目かで

ごめんボールペン貸して?ww

あ、すんませんwww

みたいにおもろくなってくるもんである


でも普通に働きづらいから店長にボールペンのストックを買ってもらうことになった

セット売りされてる10本入りのボールペンがカラオケに届いた

取り敢えず引き出しになおして安心しながら働いた


ほんでまた村上君と同じシフトでの出勤日


一本目のボールペンは無事、村上君の胸ポケットにinしたので引き出しから新しいボールペンを出して使った

土曜の晩ということもありかなり忙しかったのでボールペンが無くなるたび引き出しから新しいやつを出した


何時間か経った頃なんと!

引き出しのボールペン10本入りが底をついたのである!


とうとうあの言葉を使わないといけないのか…

苦し紛れに俺は言った

俺「ごめん、ボールペン貸して?」

村上君「え?」自分の胸ポケットを触る

村上君「うわぁぁああ!!」ビクゥッ!!

俺!「ビクゥッッ」!


村上君の胸ポケットには11本ボールペンが入っていたので自分でもめっちゃビックリしてた


いやいやいや、気づいて?せめて3本目とかにw


ほんで村上君は就職のタイミングで「カラオケ辞めたくないっす〜( ;  ; )」って言いながら辞めていった。


それからは引き出しに沢山残ってるボールペンを見るたびセンチな気分になった


良いやつやったな〜


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