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レッシグ教授の「市民の平等法案」

2015年9月9日 facebook投稿
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日本では憲法学者が教え子に司法試験の問題を漏らして告発され、かたやアメリカでは憲法学者が「真の平等」を訴えて、100万ドルのクラウドファンディングに成功して大統領選に立候補表明しました。偶然とはいえ、志の高さと低さの雲泥の差に、日本、がっかりです。

レッシグ教授は、「選挙制度改革の法案を通すことだけやる。通ったらすぐ大統領を辞任して、副大統領と代わる」と、すごくかっこいいのです。で、選挙制度改革というのが極めてシンプルで本質的です。英文ですが、「市民の平等法案」はこちらです。
(担当者注* 掲載されていたURLは無効だったので省略。詳しい内容については文末のURLをご参照ください。)

日本の報道は「政治改革」とぐらいしか書いていないので、なにがなんだか分からないもので原文から。「一票の格差の是正」ぐらい書かないのは、なんのバイアスなんでしょ。毎日新聞は比較的くわしいのですが、企業献金に力点おきすぎかもしれません。いちばんの主張は「構造的不平等」ですから。
(*毎日新聞の記事URLが掲載されていましたが、こちらも省略します。)

それはさておき、レッシグ教授の主張は3つだけです。
(1)投票の平等
(2)代表者の平等
(3)企業献金やロビー活動による政治腐敗の追放

(1)は、アメリカは投票は自分で名簿に登録しないといけないのですが、多くの地域でアフリカ系アメリカ人などは、選挙管理委員会のいやがらせで登録すらさせてくれないそうです。ちゃんと、みんなが投票できるようにしろ、ということです。

(2)アメリカの上院議員は、人口がぜんぜん違うのに各州一律1人です。また大統領選も州ごとの間接選挙なので、国民の一票の格差が大きすぎます。代表者も平等に選ばせろ、ということです。

(3)はいわずもがなですが、政治家ではないレッシグ教授が短期間でクラウドファンディングで100万ドルを集められたのですが、市民の力を合わせれば政治に新しい風を吹かせられるかもしれないという点で、希望を与えてくれますね。
(了)

担当者より:レッシグ教授とその主張に関する当時の報道です。

ハーバード大学レッシグ教授が出馬表明!
https://go2senkyo.com/articles/2015/09/07/9222.html

クリエイティブ・コモンズ提唱者が米大統領選に出馬、「政治とカネ」解決に挑む
https://newspicks.com/news/1111366/body/

(東洋経済オンラインより)
Lawrence Lessig 1961年生まれ。米ペンシルベニア大学卒業、英ケンブリッジ大学で哲学修士号、米イェール大学で法学博士号を取得。2016年米大統領選挙に出馬するなどアクティビストとしても著名。著書に『CODE』『コモンズ』『REMIX』『彼らは私たちを代表していない』など。


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