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新しい一歩へ

 企業に勤め始めて、もうすぐ5年目を迎えます。ホテルというのは、専門学校もあるほど専門的な知識、独特な組織運営を必要としていると思います。ホテルに来て初めて思ったのは、「大きなお家を皆んなで守っているんやなぁ」という事でした。設備のメンテナンスや、美しくあり続ける為の清掃担当の細かい配置、いつでも心地良くお客様を迎える為の適切な人員配置、食中毒防止の為の食品の衛生管理、火事や地震による川の増水等の防災対策、それから「夢のつづき」をお届けする為の従業員サービスの向上の為の対策、研修…あらゆる事に気を遣いながら、24時間営業のホテルは目まぐるしく忙しい日々。
 私は宝塚歌劇団を卒業して、一般社会の中に飛び込んで浦島太郎状態…今から考えると当初はなかなかおかしな発言や行動をしていたのだろうと思います。歌劇団時代には、分からない事は上級生や先生、スタッフの皆様が何処からともなく現れて、教えて下さり導いて下さいました。そしてひたすら芸事に取り組む環境を与えて下さいました。
 会社員になるとそうはいきません。老若男女、世代も様々、誰が何を困っているのか知りたいのか…なかなか伝える事、聞く事、感じる事は難しくもありました。私はホテルの専門的知識の前に基本的な社会人としてのマナーと企業がどうやって成り立っているのかを知る必要がありました。
 3年目を迎えた時に、教えてもらえるのを待っていてはダメ、自分で動き出さねばとようやく気づき、自ら勉強をしはじめました。(おそ❗️)
 今の私にとって適切な資格を探し「マナープロトコール検定」という資格取得の為の協会のHPに辿り着きました。企業の在り方から、基本的なビジネスマナー(身だしなみ、立ち居振る舞い、名刺の渡し方、メール・手紙の文章、訪問のマナー等)、テーブルマナー、冠婚葬祭のマナー、社会人としての初歩的な知識を網羅しました。勉強すればする程、奥が深く日本の歴史や風土、民族的な特徴も根強く現れていました。勉強を進めていくのはとても楽しい気づきの連続でした。その時、ふと…あー、これは全ての働く人に必要な土台であると気づきました。生きる上である程度の決まりを守れる事、人と適切な距離を保てる事が人と人とが関わる中での信頼に繋がるんだと分かりました。
 今更な事かもしれませんが。社会人の基本がここにありいつもここに立ち返る必要があると…
 勉強を始めると止まらないのがタカラジェンヌかと思います。あれよあれよという間に、準一級の資格を取得。退団をした後は、大学に入学し音楽の先生になりたいと思っていましたが、何故かホテルに辿り着きました。すっかり忘れていた願望をこの勉強をし始めて「そういえば、先生になりたかったんだ」と思い出し、「認定講師」の資格を取得する事に。形は違っていますが講師となった自分に何か導かれているなと感じています。
 「憧花支配人、行動力あるな~」そんな風に言って貰いました。
 いやいや何か役に立ちたいのです。
 さあ、新しい一歩の始まり。
 
 すーさん

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