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月からの救声主 ~「今夜,ロマンス劇場で」「FULL SWING!!」~

 家に帰って急いで、パソコンに向かっている。この思いを今すぐ伝えなければいけない気がしている。本日、宝塚大劇場月組公演「今夜、ロマンス劇場で」「FULL SWING!!」を観劇した。

 新しいトップの降り立った月組は、とてもフレッシュな中に安定感もある気がした。様々な個性を持ったスターがひしめいていてそれが、どれをとってもお互いを引き立て合って、丁度良いバランスの所で舞台を創っている様に見えた。

 月組は昔から、現代的で個性的と言われている。どちらかと言うと星組や花組の組全体のパワーというよりも、一人一人の持ち味を光らせて、凹凸のある舞台に仕上げるといったイメージがある。私も組長時代はそういった月組の個性が好きだったから、自主稽古などでも、あまり纏め過ぎない事、打ち合わせしすぎない事、でも基本の感情のやり取りや台本が伝えたい事、宝塚において必要な事なんかは忘れない様に下級生に伝える様にしていた。上級生からもその様に教わった気がする。そして、自分自身が何をやりたいのか…そんなイメージをはっきりさせていく事で個性を光らせていった様に思う。要するに、月組の特徴としては、仲間と考えるよりも自身への問いかけの時間を多くとっている気がする。だから、もしかすると他の組より、稽古している様子が地味(笑)かもしれない。(よく稽古場でも楽屋でも月組は暗いと言われた。笑。)地味ではなく、自分に問いかけているんですよ。月組生は…

 今回のお芝居は、とても宝塚らしくて大好きである。「愛」「希望」「勇気」「信じる気持ち」。現実では中々貫けない、純粋無垢な感情が宝塚だから信じられる様に思う。それを真っ直ぐに皆が演じている様に思った。ショーは久々の三木先生のジャズショーで、私も「ジャズマニア」や「ファンシーダンス」に出させて頂いた。とても懐かしくスイングのリズムが大人っぽくてカッコ良かった。フィナーレの男役なんかは、羽山先生の王道の振り付けで男役がぞくぞくして踊ってる様子が観ているこちらにも伝わってくる。

 れいこの芝居…サラッと演じているのに相手への想いや自分の葛藤が伝わってくる。彼女は雪組育ちだけれど、雪組の良さも残しながら月組のテイストを取り入れてくれてる。頭の良い人だ。そして笑顔が年々、輝いてきている。「やるときゃやりますよ」という彼女のいざという時の強さは、好きである。そして、月組のプリンスであり、もうすぐ月組生最後となる、ありの舞台も目に焼き付けた。星組に行っても、ずっと見守っていきたい。

 この感染状況の中、満員の客席。現在、宝塚の公演が行われているのは、この本拠地宝塚のみである。今日と言う日の公演が無事に行われることに感謝し、生徒の並々ならぬ緊張感の中、舞台に立ち続けている姿に敬意を表しつつ観劇した。そして、花組と雪組の皆さんの公演もまたどこかで無事に再開されます様に。

 タカラジェンヌにエールを!!みんなで乗り越えていこう。

すーさん

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