見出し画像

キャッシュレス社会の中国・上海で現金生活はできるのか? - 上海弾丸旅行記

はじめに

WeChat Pay, Alipayによるキャッシュレス社会が有名な中国。過去何度も上海や北京・深センを訪れているが、現地でスマホが普及してから訪れる機会がなかったので、改めて訪れてみることにした。

出発前

WeChat Pay自体は知り合いから1元を送ってもらうことでアクティベートし、海外旅行で余った現地通貨をポケットチェンジでWeChat Payに入金する方法で20元(300円くらい)ほどチャージしてあった。

今回ポケットチェンジで改めて60元ほど(1000円弱)WeChat Payに両替したのだが、アプリでQRを読み込んでもエラーが出て読み取れない。本人認証が必要という表示が出るのだが、本人認証は以前済ませている。改めてクレジットカード等を登録してみるが、認証できない。こうなる場合は大抵政府の方針で弾かれていることが多いので諦めて、20元というほぼ丸腰に近い状態で上海を訪れてみることにした。

一般に中国元は到着空港で両替するのがレートが良いとされているが、今回は1泊2日の弾丸旅行で時間が限られているし、成田9時40分発というなかなかな時間の早さにビビって空港に早く着きすぎて暇だったので、空港で両替することに。京葉銀行で1元=17.29円でした。やはりレートは悪い。とりあえず5000円ほど両替。全部20元札にしてもらう。すべてピン札がきた。キラキラのテープが入ったりとお札も進化している様だ。

上海到着

さて、前置きが長くなったが、上海に到着。指紋と顔写真をキオスク端末で登録する。入国審査に並んでいるときにDiDiを使おうと開くと、日本でダウンロードしたものは使えず、中国版をダウンロードしろとのこと。DiDiはクレジットカードで決済ができるのでダウンロードするも、またも「connection error」でクレジットカードが登録できない。空港のWiFiとかいろいろ試したけど、だめだった。

DiDiは配車アプリであって、DiDiでTaxiを呼べば普通にメーターを使って最後に運転手に払うスタイルも可能ということなので、今回はそれを試してみることに。ただ現金がだめだと積むので、念の為上海版Suicaといえる交通カードを買う。浦東空港ではリニアモーターカーの券売所で買うことができる。デポジット20元+チャージしたい金額を渡す。ちゃんといくら入ったか機械で眼の前で見えるように提示してくれる。

まずは地鉄(地下鉄)で市内へ。浦東から人民広場まで1時間ほどの移動で7元(110円くらい)。安い。地鉄は荷物検査があるので、10分ほど並んで改札。ホームでは列で並んで待つようになっていて、時の流れを感じる。始発駅なのでドアが開いたら席の争奪戦だったけど笑。戦に負けて立ったまま乗ることに。

車内はみんなスマホですね。チラシを配りに来る人がいるのは昔と変わらず。浦東からしばらくは郊外な感じの風景が続く。男の人もiPhone、AirPod、女の人は美白メイクにブランドが入った服・カバン、ミネラルウォーターという感じで、全体的にやはりおしゃれで所得が上がったんだなという印象。

そんなこんなで人民広場へ到着。昼を過ぎていてお腹が空いたので駅直結の地下街の飲食店が集まるエリアへ。タピオカミルクティーのお店や(以前からあるけど)、ジュースのお店、自分で野菜を選んで食べる火鍋?屋や麺屋などある。

サクッと食べたかったので、東北ジャン麺みたいなことが書いてあったお店で食べることに。とりあえず注文。明らかにレジはなく、アリペイ、WeChat対応のQRが立てかけてある。麺が来たので食べる。どのタイミングで払ったらいいかわからないので、とりあえず食べきってからスキャンしてみる。自分で支払う金額を入力して、決済。お姉さんに、これでOK?って感じで見せたらOKそうだったので、店を後にする。WeChat Pay初体験。

これでほぼチャージしてあった残高は使いきったので、ここからは現金で生活である。高徳地図を使って上海博物館を目指す。上海は道路も広いし、ビルも高いし、スケールが大きいですな。街は以前と比べて信号も増えたし、舗装もきれいになっていて、全体的に秩序だって静かになった印象。各交差点に設置されている監視カメラの効果だろうか。

歩いていたら古い洋風の建物があったので入ってみる。上海歴史博物館ということで古代から現代までの歴史を展示してある。現地の学生ツアーなどもきていた様だが、アメリカ人と思われるツアー集団もいた。上の階に登っていくと、抗日闘争の歴史なども展示してあった。蒋介石と毛沢東がならんで写っている写真があって、へー珍しいと思ったが、第二次国共合作のときの写真なのかも。

上海は日本より10度位温度が高かったのでのどが渇いたなーと思っていたところ、トイレの前に給水器があってよかったと思ったら、給湯器でした。中国では体を冷やさないように暑いときでも熱いお茶を飲むようで、茶葉を入れたボトルや水筒を持っているのをよく見かける。そのための給湯器。

一旦手持ちのミネラルウォーターをちびちび飲むことにする。歩いているとファミマがあったので入る。キャッシュが使えるかと英語で聞いてみたら、店員は両方とも英語ができないようで、どのコーヒーが飲みたいんだ?みたいな返答が帰ってくる。喉乾いてたし、まあいいかと思って、アメリカンコーヒーを頼んだけど、それも通じず、レジの店員用のタッチパッドをこちらに向けて、これか?これか?と聞いてくる。氷と書いてるメニューを選んで注文。10元。日本とは違って店員が氷のカップを機械にセットしてコーヒーを淹れるスタイル。お札を出したら普通にレジを開いて、お釣り10元が帰ってきた。

コーヒーを手にして上海博物館まで歩いて行く。警官に英語で道を聞いたら「ネクスト レフト」と教えてくれた。以前は中国語で返ってきていたのが大半だった記憶からすると、なかなかの変化である。道端にもいたるところにゴミ箱が設置してあって、この辺も変化を感じるところ。

上海博物館についたらものすごい行列で、これに並ぶのかあと思っていたら、今日はもう入場打ち止めになったらしく、その心配もなくなった。朝早起きして、暑い街で歩き回って疲れたので、ここでホテルに向かうことにする。

DiDiの中国版も英語が選べるので、英語表記で再度クレカ登録を試してみるがうまくいかない。カスタマーセンターにチャットしてみると英語で会話ができた。が、原因を調査して72時間以内に返答するわということだったので、諦めて現金で乗ることに。ちなみに上海のタクシーは交通カードでも払える。

DiDiで呼んだタクシーがくる。一応確認のために行き先は?的なことを聞かれるが、ホテル名を中国語で発音することができないので、とりあえずスマホの画面みせる。OKだったのかどうなのかわからないので何回か画面を見せてたら、スマホのナビに入ってるから大丈夫的なジェスチャーだったので、大丈夫と判断。メーターもしっかり倒してたことを確認。

運転中ウインカーをちゃんと出して車線変更したりしているのを見て、以前との変化をまた感じる。特にバカにしてるとか上から目線とかではなくて、以前のそれはそれでスリリングで面白かったんだけど、それと比較して変化しているという意味での変化という記述なので念の為。運転中アメか何か食べて窓から袋を捨ててたのは相変わらずだったけど笑。

無事目的地につく。交通カードのチャージ残高を超えていたので、現金を出すと普通にお釣りが現金で返ってきた。DiDiの評価を下げられたくないのか何なのか理由はわからないが、現金でも特に嫌がられることはなかった。

ホテルでしばらく休んで夜ご飯を食べに行く。普通の街のごはん屋で牛肉酸辣麺みたいなものと別の店で小籠包を食べたけど、どちらの店も現金で払うことができた。歩き疲れて足つぼマッサージに行ったりしたけど、そこも現金払いできたし、個人商店とかでない限り現金の道はのこっているのではないだろうか。

上海2日目

次の日は豫園商城へ向かい焼き小籠包を食べる。ここは観光客が多いからか、レジ横にお札の鑑定機がおいてあった笑。食後に流行りのLuckin Coffeeでも試してみるかとおもって、アプリで注文してみる。クレジットカードでも行けそうだったので注文を進めてみたが、どうも現地の電話番号がないと買えないようで断念。スタバへ。スタバはクレジットカードが使えるようである。

その後、Mobikeを試してみることに。そもそも残高チャージとかクレカ登録とかしてないのに自転車の予約ができてて、どうするんだろうと思っていた。で実際自転車のQRを読み取ってみるとロックが解除できた!よくわからんがとりあえずこれに乗って移動してみる。

15分ほど乗って、降りて止めよと思ったら、交通整理のおじさんが何やら声を上げている。多分駐輪禁止区域たったんだろうけど、どこにもっていけばいいか分からいので、ちょっと置き直してみたら、また怒られたので更に移動。ロックを締めた後に言われたからちょっと大変だった。アプリを見てみると残高が-23JPYとなっていた。これは後から500円Top Upすることで返済できる様だったので、クレジットカードを登録して返済。

南京東路をブラブラして、帰路、空港へ。お酒を買ったので空港のパッキングサービスでエアキャップと発泡スチロールで梱包し、ビニールテープで固定してもらう。それを預けに行ったら、タグを付けた後に警備室にいけと言われる。どうも日本人はほぼ別室で荷物を開けさせられるようだ。せっかく梱包したのに開けたあとどうするの?と言ってみると、あとでただで再梱包できるから開けろと言われる。テープを切って、開けて中をチェックされる。タグとかもついてたのにどうしたらいいのと言うが、もう一度列に並べと言われる。

パスポートをKeepされてしまっているので仕方なく再梱包後、預ける。無線で確認後無事パスポートが返ってきて、出国へ。空港制限エリア内はクレジットカードも使えたので、水を買う。

羽田到着。2時間ちょっとのフライト。無事割れることなくお酒も届いて税関へ。「荷物がずいぶん少ないようですが…」とか「チェック項目はすべて『いいえ』で間違いないですね?」とかいつもより質問されたが無事通過、帰国。

おわりに

スマホサービス・キャッシュレス社会を体験しようと上海に行こうと思ったのに、出発前からWeChat Payでつまずきどうなることかと思ったが、思っていたより現金が通用するのだなという印象。逆にまだ使えるにもかかわらずスマホ決済が浸透するのは、相当なインセンティブがあったんだろうなと思うと、現金が容易に手に入るしスリ・偽札の心配も少ない日本で普及させるにはなかなか強いインセンティブ設計が難しそうだなあという印象を抱いた。

お読みいただきありがとうございます。もし面白かった・役にたったと思われたら、更に多くの人に届けるためにシェアして頂けると励みになります!