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生まれ変わったら何になりたい?

わたしは「生まれ変わりたくない」と答える。

実際に誰かに聞かれたことはあまりないけど、ときどき自分に質問して自分でそう答える。

でも今朝起きたとき、ふとしっくり来る答えが思い浮かんだ。

「"絵を描くのが好き”という要素を付け加えただけの自分」

今の人生のまま、出会う人も同じ。誰かと話した内容も食べたものも全部同じ。ただ、"絵が好き"を付け加えただけの自分。

そう思うのはたぶん、漫画「ブルーピリオド」を夜寝る直前まで読んでいたから。オススメされて、フリマサイトで全巻大人買いした。

ブルーピリオドは美術系の大学に現役合格を目指す高校生の男の子の話。たぶんと書いたが、絶対にこの漫画に今、わたしの脳は影響されている。

以前アニメも見たが、圧倒的に漫画が面白い気がするのは、今の自分の方が美術に興味があるということもあると思う。

絵を上手に描ける人を、羨ましいと思う。絵が描けるということは絵を描くのが好きということ。好きでなければうまくはならないから。

大人になってからも何度か挑戦した。好きなテイストの絵を見ながら、紙に鉛筆で真似して書いてみる。

信じられないくらい描けない。思ったように線が描けない。

練習を日課にしてうまくなりたいのに、練習する気も起きない。絵を描くのが好きではないんだと思う。

生まれ変わって"絵を描くのが好きな人"になったわたしの人生を想像する。

小学生。授業中暇なときは、こっそり同級生の似顔絵を描く。たまたまそれを見た隣の席の子にすごいねと言われて舞い上がる。

中学生。美術部に入る。放課後、顧問の先生と部員のみんなとお互いの絵を見ながら話すのが楽しくて仕方がない。

高校生。美大を目指してみたくなり予備校に通う。嫌いになりそうなほどに絵と自分と向き合う。

大学生。現役合格し、絵を描き美術館に行く日々。絵で食べていきたいと考える。

あれ、人生が全く変わってしまっている。(途中から薄々気がついていたけど。)絵を描くのが好きという要素を加えただけで、これまで出会った人たちと出会えなくなってしまった。

じゃあ絵が得意にならなくて良かったのかもしれない。

中学時代の夏休みのしおりの表紙絵を描く宿題。上手にできる気がしないから、折り紙や画用紙を切って貼ってそれなりに見える作品を作っていた。他の人とテイストが違うからか、何度か入賞して貼り出されたこともあった。

修学旅行の思い出を本にする課題が出たとき。同級生たちは写真を貼ってそれに字を書いて作っていた。わたしは絵と同じくらい字も苦手。とにかく鉛筆やペンで何かを書くという作業が苦手だから、パソコンで写真や字を配置して印刷し、それを貼って提出していた。

苦手だけどクオリティは上げたい。その結果パソコンに頼った。

絵も字も描きたくない一心で、回避してすり抜ける方法だけを考えていたんだと思う。

その結果パソコンが得意なことに気がつき、(それだけの理由ではないが)情報系の高校に進んだ。

好きなものが変わるだけで人生が変わってしまうのか。

やっぱりわたしは今の人生がいい。


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