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MetaQuest3発売。VR市場のトレンドの激変と今後の展望_なぜVRゲーム会社がNintendo Switch向けのゲームを作るのか?

ついに10/10に3年ぶりのMetaのフラグシップヘッドセットであるMeta Quest3が発売されました!
2020年10月に発売されたQuest2から3年経ち、今回はVRだけでなくMR(複合現実)機能というさらなる魅力を持ったヘッドセットとして登場しました。

そして、そのVR市場が大いに賑わう中このnoteのタイトルである

「MetaQuest3発売。VR市場のトレンドの激変と今後の展望_なぜVRゲーム会社がNintendo Switch向けのゲームを作るのか?」

とはいったいどういう意味なのか?ということを説明していきたいと思います!


久しぶりのnoteであり、久しぶりの方はご無沙汰しております!

お前は何者だ!という初めての方に向けては自己紹介をさせていただくと、MyDearestというオリジナルIPのVRゲームを2016年から制作しているベンチャー企業の代表の岸上と申します!

これまで物語性の強いVRアドベンチャーゲーム「クロノスユニバース」を3作品リリースしたり、

直近では、VRゲーム界のAAAタイトルを目指すVRマルチプレイアクションゲーム「Brazen Blaze」のαテストをグローバルで成功させたり、

とVRゲーム分野でフロントランナーとして日本発でグローバルに向けてやっている企業です!

Metaから招待を受けてこの度9/27,28にサンフランシスコのメンロパークMeta本社で開催されたMeta Connect2023にも行ってきた立場なので、この分野のフロントランナーの一人として、あくまで私個人の見解ではありますが、これまでの経験を活かして皆様に少しでも有益な情報をお届けできるよう、このnoteを書かせていただきます!

Meta Connect2023の会場にて

そしてまず結論から入りたいと思います。
サブタイトルにあるように僕らのような「2016年からVRゲーム分野でずっとグローバルで戦ってきた企業がなぜ今になってコンソールであるNintendo Switch向けのゲームを作るのか?」

それはタイトルの通り「VR市場のトレンドの激変」したからです。

いきなりですが、どのようなトレンドが起きたのかを端的にまとめると以下です!

より詳細は以下の著名ベンチャーキャピタルのandreessen horowitzに所属の方がツイートされてるので一読をどうぞ!

以下、日本語訳してくださっている方もいます!

ものすごく端的に言うと、

「北米中心にティーン層の激増&マルチプレイヤーの大流行」

ということなのです!!!!!!!!!!

日本だとまだこの流れは来ていないので、もしかしたら直感に反するかもしれないのですが、実はVRゲーム分野は、

北米において「子供たちがものすごい数、ものすごいリテンション率でプレイしているマーケット」に変貌しているのです

個人的な体感では2020年10月のQuest2発売時点では、ガチゲーマーやガジェット好きなど、コアな層の割合が多かったように感じるのですが、現在はそれが全く変貌して「子供がVRゲームマーケットの中心にいる」ということなのです。

僕自身が1年以上前からこの傾向は感じておりまして、VRゲームを日頃プレイされる皆様が実は感じていたんじゃないのかと思うのですが、マルチプレイVRゲームをプレイすると、ボイスチャットの相手のほとんどが北米の子供、というのが直近ずっと続いている状態だと思います。

そして「VRゲームが北米のティーン中心の市場」になったことによって何が起こっているのか?

それは「シングルプレイVRゲームの苦戦」ということなのです。

2020年10月のQuest2発売時点では、VRゲームはまだまだマルチプレイは少なく、シングルプレイゲームがマーケットの王者でした。

2019年6月の段階ではトップゲームの1/16がF2PソーシャルVRでした。

しかし、2023年9月の段階ではトップ10のうち7つがマルチプレイヤーです。

以下の記事のようなQuest3が発売されたばかりにもかかわらず、VR市場の悲観論が散見されるのは、

これまでターゲットとしてきた、ガチゲーマーやガジェット好きなどコアな層がVRのメインターゲットではなくなり、

北米のティーン層がVR市場の中心になったことによる、

ターゲット層と実際のゲーム作品との乖離による売上の不発という面が大きいのではないかと思います。

また、実際のアクティブユーザーかつ熱狂しているのが北米のティーン層なので、それ以外の人たちに熱狂が感覚的にわかりづらいのもあるかもしれません。

僕らMyDearestではこのVRゲーム市場のメイン層の激変を1年以上前から感じており、それが冒頭で述べたVRゲーム界のAAAタイトルを目指すVRマルチプレイアクションゲーム「Brazen Blaze」のゲームコンセプトに繋がっています。

「とにかく直感的で、手を使って殴ったり、壊したり、武器を使ったり、見栄えも派手に」

αバージョンのBrazen Blaze

とグローバルで子供が見てもすぐに面白さが伝わるようにしつつ、PvPゲームとしてどんどん上手くなってコアなゲーマーにも刺さるタイトル、という両立を実現することを目指しています。

実際、Meta Connect2023では、各タイトルのセッションがあり僕自身も参加したのですが、僕が参加したセッション3作品ともマルチプレイヤーのVRゲームでした。

しかも収益的にも絶好調であることが報告されています。

とくに"二足歩行のゴリラになってマルチプレイで鬼ごっこをする(!?)"VRゲームである「Gorilla Tag」は「北米のティーン層の間で大ブレイク」して以下のツイートでも言及されている通りあの大ヒットタイトルである「Beat Saber」よりも高い注目度を持つほどに至っています。


現在のVR悲観論は、
あくまでシングルプレイのコア層向けのVRゲームから
北米のティーン層というかなりライト層にVR市場の中心ターゲットが移ったことに、世界注のVRゲーム会社が対応できていない面が強いと思われます。

「北米のティーン層向けかつマルチプレイ」という要素のあるVRゲームはむしろ今ブームを迎えて収益的にも絶好調なのです。

しかし、僕自身が以前のnoteで「マルチプレイヤーのVRゲームの隆盛」についての予測を記載しており、それはその通りになっているのですが、

VRゲームのメイン層が「北米のティーン層」になることは予測できておらず、マルチプレイだけでなく「北米のティーン層」に受け入れられるゲーム性でなければ現状のVRゲーム市場では苦戦する可能性が高くなると思われます。

そして、それでは「シングルプレイVRゲーム」や「北米のティーン層向け」に対応できないVRゲームはいったいどうすればいいのか?

10/10に発売されたばかりのMeta Quest3はもちろんMRなど新機能も相まってVR市場の拡大に貢献するでしょうが、499ドル(日本円で値段が7万円代)であることから価格が高く様々なメディアで言われている通り劇的な市場のゲームチェンジャーとはなりづらいでしょう。

そこで僕が個人的に考える方針は2つあると思っております。

そのうちの一つが「VR以外も含んだマルチプラットフォーム対応」です。


「MetaQuest3発売。VR市場のトレンドの激変と今後の展望_なぜVRゲーム会社がNintendo Switch向けのゲームを作るのか?」

という本noteのタイトルがここで回収されます。

僕らはVRゲームとしてリリースした「ディスクロニア」というミステリーアドベンチャーゲームをなんと11/22(水)にNintendo Switch向けゲームとしてリリースいたします。(Switch版はイザナギゲームズさんとともに開発を行い、販売をイザナギゲームズさんにお願いしております)


上記のように任天堂の公式にもピックアップされており、現在体験版を配信中であり予約割引も10%しております!(宣伝)

VR以外も含んだSwitchのようなユーザー母数の大きいプラットフォーム対応することで、現在のVRゲーム市場のシングルプレイゲームの苦戦とは違う土俵で戦うことができます。

ただしおそらくこういう声が聞こえてくるでしょう。

「Switchのようなコンソールゲームの世界で、VRゲームの予算規模で対抗できるのか?」

と。

こちらについて回答すると、

「SwitchとMeta Questのゲームの相性は予想以上に良い」

ということです。

まず、Meta Quest2向けに作られたVRゲームのグラフィックは、VRゲームの性質上かなり解像度高くグラフィックを描くため、

Switchに移植された時に想像以上に美しく見えます。
大手企業のSwitch向けゲームとそん色がないほどのグラフィック水準を実現しています。


次に、これが一番重要だと思うのですが、
VRゲームの操作感の一部をSwitchに持ち込んで、これまでのSwitch向けゲームとは一味違ったゲーム体験が実現できるということです。

VRゲームは「両手にコントローラーがあること」がゲーム体験としては最も特徴的です。

コントローラーが両手にあることがゲーム性としてのVR一番の特徴だと思っています



これをSwitchのゲームに落とし込んだ時に、以下のYoutubeは僕自身が実際にディスクロニアSwitchをプレイしている様子なのですが(30秒以内で伝わると思うので是非以下Youtubeご覧になってみてください!)

実際に上記のYoutube配信をご覧いただきたいのですが、以下のように僕がSwitchのジョイコンを使ってアイテムを投げているように、VRゲームの体感性をSwitchのゲームに持ち込むことができるのです。

※ジョイコンを使わなくてもSwitch Liteでもプレイできます

さらにはVRゲームは多くが一人称であり、しかも360度ゲームの世界を見渡せることもあり、通常のコンソールゲームでは通常表現しないところも見えてしまうため、全ての世界を作りこむことが多く、これがSwitchなどのコンソールゲームとしては、むしろかなり豪華な作りとなっており、ものすごく高い没入感を実現してくれるのです。

「通常のSwitchのようなコンソールゲームでは出てこなかった発想のユニークなゲームがVRゲームの作法をコンソールゲームに持ち込むことで実現できる」

というのはゲーム業界的にも「新しい体験のゲーム」を生み出す上で非常に優れていると思われます。

新しいゲーム体験を作りたい方はもちろん、新しいゲーム体験を遊ぶことを求めているプレイヤーの方々にも非常に朗報なのではないかと思います。

そしてもう一つの方針はMetaQuest3はあくまでVR市場のほんの一部にすぎない、という考え方です。


Meta Quest3はMR機能などがついて、スペックの割には破格なほどコストパフォーマンスが良いヘッドセットです。

しかし多くのメディアで書かれているように499ドル(日本円で7万円代)というのは一般の人が手にするにはかなり高いです。

ただ、ただです。

一般の人にとってMetaQuest3の価格が高いなんてことは、Meta自身が一番わかっているのではないかと思っています。

その証拠にあくまでリーク情報でしかないのですが、以下のような記事が沢山出回っています。

それはMetaが2024年に200ドル~300ドルで新しいヘッドセットQuest Lite(仮)なるものを発売するのではないか、というリーク情報です。

Metaは2020年10月にQuest2を発売した際に299ドルでリリースし、それは2000万台以上を販売する大ヒットヘッドセットとなりました。

さらに200ドル~300ドルは、日本でもNintendo Switchの価格帯であり、グローバルのみならず日本でも価格的に非常に魅力的なlineになる可能性が高いものです。

Meta Connect2023に参加して何度も聞いたフレーズは、

「MetaQuest3は世界で最も普及しやすい価格でMRを実現したヘッドセット」というセリフです。

沢山の方がご存知なように、来年2024年にMRデバイスであるVision Proを3499ドル(日本円で50万円程度)で発売します。(Apple自身はMRではなく空間コンピューティングという言葉を使用しています)

Metaは基本的にAppleへのライバル意識が半端ではないので、MetaQuest3はMRデバイスとして高価格なAppleへのアンチテーゼとして499ドル(日本円で7万円代)でリリースしているものだと思われます。

そしてVRゲームというかMRも含めた「XRのゲームハード」としては、来年2024年のQuest Lite(仮)が一番の本命の可能性が高いです。

リーク記事の中でも以下の言葉があるように、とにかく「VRマーケットに対して一番普及しやすい価格」を大切にしているハードである可能性が高いです。

In 2024, he said that Meta plans to ship a more “accessible” headset codenamed Ventura. “The goal for this headset is very simple: pack the biggest punch we can at the most attractive price point in the VR consumer market.”

https://www.theverge.com/2023/2/28/23619730/meta-vr-oculus-ar-glasses-smartwatch-plans

あくまでリーク情報でしかないのでQuest Lite(仮)のリリース時期や価格は正確なものはわかりませんが、これまで2016年からVRゲームの会社をやってきた立場としては、MetaのXR関係のリーク情報はだいたい本当に実現することが多く、リリース時期は一年度のMeta Connect2024で発表される可能性が高いのでは、と思います。

200ドル~300ドルのVRゲームヘッドセットが発売されるということは、このVRゲームマーケットに新しいユーザー層が流入する可能性が高いです。

現在「北米ティーン層向けのマルチプレイVRゲーム」のブームが始まっており、今後もこの傾向はさらに強まるでしょうが、

それだけでなく「様々な新しいゲーム体験を求めるユーザー層」が流入する可能性が高く、ゲーマーはマルチプレイを好む人ばかりではないので、シングルプレイのVRゲームの需要が2024年のQuest Lite(仮)の時点で復活する可能性が高いです。

この時点までしっかりVRゲームを作りこみ、磨き込めた人たちが大きな果実を得るのではないかと思っています。

また、最大ではありますがMetaはあくまで4大VRプラットフォームの一つということを忘れてはいけません。

他にはPlayStaionVR(コンソール)やSteamVR(PC)、PICO(中国マーケット)といったMetaとは全く違う魅力を持つプラットフォームもあるのです。

基本的にはVRゲームのマーケットは、「マルチプラットフォームでのリリースが最善策」だと個人的には思っています。

MetaのQuestプラットフォームだとシングルプレイVRゲームが苦戦していますが、PlayStaionVRやSteamVRでは好調なシングルプレイVRゲームが明確にあります。PlayStaonVRとSteamVRはコアなゲーマー層がメインターゲットなので、Questプラットフォームと違い、しっかりと作られたシングルプレイVRゲームや斬新な発想のシングルプレイVRゲームを高評価してくれるユーザー層が中心にいます。

そして、PICOでリリースすることは中国マーケットに届けることができるので、MetaQuestでは届かない多くのユーザー層に届けることができます。

VRゲームを開発している沢山の方にお伝えしたいことは、あくまでMetaのQuestプラットフォームを過信しすぎず、マルチプラットフォームでリリースすることで沢山のユーザーに届けて売上も沢山得ることができるということです。

マルチプラットフォーム展開をしつつ、MetaのQuest Lite(仮)や他のプラットフォームの新型ヘッドセットを待つのが良いのではないかと思います。

また、都市伝説的なものではありますが、

「任天堂がgooleと組んでVRヘッドセットを開発中」

という噂もあります。

あくまで噂で都市伝説なものではありますが、2019年に任天堂はVRキットを発売したこともあり、可能性はゼロとは言い切れないのではないかと思います。

https://www.nintendo.co.jp/labo/kit/vr.html


「MetaQuest3発売。VR市場のトレンドの激変と今後の展望_なぜVRゲーム会社がNintendo Switch向けのゲームを作るのか?」

という点について沢山のことを書いてきましたが、そろそろこのnoteの結論を書こうと思います。

VR市場の激変で「北米ティーン層向けのマルチプレイVRゲーム」が大隆盛していますが、今後のVR市場の展望を考えた時にマルチプラットフォームの展開としてSwitchでゲームをリリースするというのが一つです。

しかし、それ以上に「VRはゲームに新しい体験・感動を与えてくれます」

VRゲームとして作られた僕らMyDearestのディスクロニアというゲームがSwitchのゲームになった時に、これまででのコンソールゲームとはかなり違う新しい体験・感動を提供してくれます。

本当かな?という方はぜひ以下Nintendo StoreにてディスクロニアSwitchの体験版を配信開始したので、まずはプレイしてみてください!

そして体験が良ければぜひご予約して製品版もプレイしてみてください!!!!(現在予約割引10%!)

VRゲームをプレイしたことがない方は、VRの可能性を感じていただいて、いつかVRヘッドセットを買ってVRゲームをプレイしたい!と強く感じていただけるはずです。

そしてVRゲームに慣れ親しんでいる方や、VRゲーム開発者の方には「Switchゲーム化するとこんな可能性があるだ!」と驚きを体感してもらえるはずです。

いまVRを超えて世界中の沢山の人々に僕らの作品であるディスクロニアを体験してもらうことは、来年2024年にQuest Lite(仮)がリリースされた時にも、いつか任天堂で本当にVRヘッドセットがリリースされた時にも、VRゲームに参入してもらう人が増えるきっかけとなるはずだと強く思っています!!!!!

ぜひVRヘッドセットを持っていなくて、新しいゲーム体験を探している方も、VRヘッドセットを持っていて、新しいゲームの可能性を体感したい方も、ディスクロニアをプレイしてみてください!!!!!!!!

また、完全受注生産のSwtichディスクロニアのプレミアムボックスの予備分を生産して確保しているので、もしプレイしてみてプレミアムボックスがほしい、となった方は、今後生産することはないので、この機会にプレミアムボックスのご購入もお見逃しなくです!!!


この作品が将来のVRゲーム市場だけでなく、VRゲームとコンソールゲームの両対応など、新しいゲーム業界の可能性を切り開く作品となることを祈っております!!!!!!!!!!!


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