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エンターテイメントにできることは、まだまだある。キングコング西野さんの絵本の取り組みをフィリピンの方に語ってみたところ、今後の自分を大きく変える結果に。

自らのことを雨男だ、雨女だと強く訴える人がよくいるけど、大丈夫。その場にいる人たち全員、同じ雨に降られてるわけだから、みんな雨男、雨女だよ。と言ってしまうと興ざめさせてしまいそうで、いつも口をつぐんでいる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて。

ショートショートの作品を英語に翻訳し、海外の人たちに楽しんでもらうという取り組みにチャレンジしているわけですが。

やはり、翻訳の協力をしてくれる海外の方を探すのは大変なもので、英語が理解できる方で且つ日本語が理解できる方で且つ日本の本だったり漫画だったり映画だったりにある程度の造詣を持っていて且つ、ゴリゴリに翻訳ビジネスをやっている方ではなく、どちらかというと一般の方に協力を仰ぐ、となると、なかなか難しいものです。

ただ、そうやってアプローチを続けていくことでいろいろな国の方々と話をすることができます。単に作品の翻訳を依頼する、という目的を超えるほどに、価値ある瞬間に出会うことができます。

その中で先日、フィリピンの方と話をしていたのですが、「あっ、そう言えば!」と思い、キングコング西野さんが取り組んでいらっしゃる、東洋一のスラム街と言われるフィリピンのトンド地区に絵本をプレゼントするプロジェクト。あの話をしてみたのです。

もちろん、フィリピンのネイティブの方なのでトンド地区のことはよくご存知で。「彼(西野さん)は絵本をプレゼントしてくれてるんだね!」と笑顔でおっしゃったので、単にプレゼントするだけでなく実際にトンド地区に足を運び、子どもたちと遊んだり絵本にサインして配ったりしていることを伝えると、涙ぐみながら話に耳を傾けてくださいました。

西野さんは常々、トンド地区の子どもたちは人懐こく、とても笑顔に包まれているとおっしゃっています。貧困の街に生きる人たちのはずなのに、とても笑顔で。それが印象的だとおっしゃいます。

フィリピンの方にその理由を尋ねてみました。すると、返ってきた答えに思わず胸が詰まりました。

「トンド地区の人たちは、すぐ隣の人たちと協力しなければ生きていけない。だから、人と人とのつながりをすごく大切にする。人のことを思えば笑顔は自然と増える」

この言葉は、平和な日本で不自由なく暮らし、生きるという観点では同じ価値観を持つ日本人同士で話している限り、絶対に耳にすることはなかっただろうし、その衝撃を受けることもなかっただろう。

これまで簡単に、自分の作品を世界の人に読んでもらいたいだとか、これからは海外に向けたビジネスをやっていこうだとか、とても口先だけで言ってしまっていた気がした。

世界には一つひとつの国があって、一人ひとりの人たちがいて、それぞれの国が抱える問題だったり、それぞれの人が抱える問題だったりがある。それを僕たちは「海外」とか「外国」と大きく括り、「日本ではない場所」として大雑把に捉えてしまう。

でも違った。

僕は今、ショートショートの作品を翻訳して世界の人に読んでもらうまでの道のりの途中にいる。でも、もしかしたら今、あまりにも大きな経験をさせてもらっているのかもしれない。

実際に海外に足を運び、何を見たわけでもない。知りもしないクセに偉そうにと、鼻で笑われるかもしれない。でも、いろいろな国の人と出会い、たくさんの話をする。国際的なことから個人的なことまで。それを通じて、自分の考え方が間違いなく変わっていくのがわかる。

西野さんのトンド地区の取り組みでは、1本の動画が公開されている。

動画の最後、「エンターテイメントにできること」というコピーで締めくくられる。この言葉の可能性と重み、そして責任感を思わず噛み締めてしまう。

自分自身に言いたい。

海外の人に作品を読んでもらうことが目的になってやしないか。他人とは違うチャレンジをすることで、差別化ができるだのなんだの、いい気になってやしないか。本当にやらなければならないことは、

世界中の人に楽しんでもらうこと。

初めてショートショートの作品を紙にプリントアウトし読んでもらった時のこと。人を楽しませたいと、大汗かきながらみんなの前でしゃべり倒したこと。目の前の人に楽しんでもらうためにとにかく必死だったこと。そして、目の前の人たちの笑顔。

きっと、僕のエンターテイメントはその先にある。

さぁ。とにかく結果を出すために、まだまだ動いていきますよ。


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