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#V名人戦 第一局 自戦記

2019/11/15に開幕したV名人の第一局、真澤千星さんとの将棋について書いていきたいと思います。

◯V名人戦とは?

 将棋が指せるバーチャルな存在がしのぎを削る棋戦です。今回は年始からの稼働に向け、プレシーズンマッチとなっております。
 詳しくはこちらの動画をご覧ください。

◯第一局 vs真澤千星さん(配信の様子)

 自戦記の前に、まずは中継配信、対局者の様子、棋譜をご覧頂ければ嬉しいです!

◯自戦記

 ◇対局前の計画

 対局前のインタビューでもお答えしておりますが、千星さんは崩れにくい序盤と鋭い攻めが持ち味で、特に中盤の捻じり合いに強い印象があります。
 中でも袖飛車と角交換四間飛車は序盤が確立されていて、居飛車振り飛車を問わない強さもあります。
 対局が決まったのもかなり直前ということで、純粋な棋力では負けている私では弱点を探すことが難しいですが、時間がない中で見つけたのは中飛車を若干苦手にされていることでした。
 ということで、81dojoによる振り駒の結果が先手番なら中飛車と決めておりました。

 ◇駒組みの良さ

 先手中飛車vs後手三間飛車。想定していた将棋となりました。
 ▲5五歩~▲5六飛は中飛車を持ってよく指している形です。浮き飛車にして、玉を固めてさばいていく将棋が狙いです。
 端の突き合いを交換したのはポイントで、端の位を取れれば左に囲っていくことを考えていました。
 本譜は右に囲って香車を交換しておけば悪くなさそうという判断です。実際、香車を交換して端に飛車をまわった辺りでは模様の良さを感じておりました。

 ◇中盤の誤算

 △8四歩が誤算で、一気に攻めが見えなくなって困りました。感想戦では▲9五香などから攻めていくのが正しかったようです。
 本譜はその攻めが見えず、銀桂を活用して厚く攻める構想でした。しかし千星さんのよさが発揮され、△4四歩~△5五角~△3五歩が華やかなさばき。
 大駒の働きに差が出てきて、攻めのスピードで負けているため、形勢をかなり悲観していました。感想戦では▲4六歩! という手があり、まだ難しかったようです。

 ◇終盤の粘り

 △3七歩成が詰めろ。▲2八銀からは粘りにいった順でした。
 上部を開拓して紛れをもとめましたが、最後の△3七歩が粘りを欠いた手で、△2六桂はさすがで即詰みとなりました。
 ▲2六金がただしい粘り方だったようです。

 ◇終局後の感想

 序盤はよかったものの、中終盤に落手があり逆転してしまった将棋でした。
 やはりもう一つ強くなるには中盤が課題だと感じています。
 すぐに強くなることは難しいですが、V名人戦を通して少しずつ成長していきたいと思います。

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