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トキワレポート(コラム)

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メンタルヘルスにまつわるあれこれや、家族・子育て、コミュニケーションについて、弊社の経験をもとにつづるコラムです。有料noteでは、より踏み込んだノウハウについてお伝えします。
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2019年8月の記事一覧

家庭ですべき「人間」の教え

以前から繰り返しお伝えしていますが、「弊社に相談のある(つまり、子供の問題を抱えている)家族の特徴として、「子供の一大事に、親が真剣に向き合っていない」ということが挙げられます。 ここでの「一大事」とは、万引きや子供同士のトラブル(中でも、相手の持ち物を盗む、傷害に当たるほどの暴力を振るう)など非行・違法行為にあたるものをいいます。この一大事に「親がどのように対応したか」は、その後の子供の人生に大きく影響します。 子供が大病を患ったり、大きな事故に遭ったりしたときには、親

♯030 入院治療中に「欲求の肥大化」を修正する

弊社では、説得移送による精神科病院への入院後、家族に代わって患者さんと人間関係をむすび、長期的なサポートを行っています。(※対象となるのは、重篤な精神疾患がありながら病識がなく、家族との関係も悪化するなど、いつ親族間事件が起きてもおかしくない方です)。 入院当初は精神的にも興奮しており、易怒性や粗暴性などが際立っていますが、投薬治療がはじまり、家族とも物理的に距離をもつことで、徐々に落ち着いてきます。ここまでは治療の範疇です。 急性期の症状が落ち着いたあと、社会復帰を目指

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♯029 家族こそ、精神科病院を上手に利用できるようになる必要がある

弊社に寄せられる最近の家族の問題は、ほとんどが複合的です。多くは精神疾患に起因していますが、それだけでなく、パーソナリティの問題や親子関係、生育歴、それまでに出会った人との関係など、さまざまな事柄が絡み合っています。 精神科に通っているのに「よくならない」 すでに精神科を利用しているケースも増えていますが、肝心の本人が受療中断してしまったり、不定期にしか通院しなかったりすると、家族も含め健全な生活ができず家庭内がすさんでいきます。 親は「病院(クリニック)がちゃんと治療し

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