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♯027 子供の問題に、「祖父母」を巻き込む際の注意点

6月2日、東京都江東区で29歳の孫が祖父の首を刺すという殺人未遂事件がありました。

70代男性刺される 孫か「人を殺した」 東京・江東
2日午後7時35分ごろ、東京都江東区北砂の民家で、「家の前に『人を殺した』と話している血だらけの男がいる」と住人から110番通報があった。警察官が駆けつけたところ、家の前に右手から血を流した20代の男が立っており、警察官と救急隊を200メートルほど離れた共同住宅2階の一室に案内。室内からは、首や背中などを刃物で刺された70代男性が見つかった。男性は病院に搬送されたが、重体とみられる。
警視庁城東署によると、男は男性の孫とみられ、容疑が固まり次第、殺人未遂容疑で逮捕する方針。男も病院に搬送されたが、命に別条はないという。
引用:産経ニュース 2019/6/3

事件の背景にある孫と祖父の関係

気になるのは、その後の報道で明らかになった、“孫”と“祖父”の関係です。

29歳孫、初対面で祖父の首刺す 殺人未遂で逮捕
祖父の首などを刺したとして、警視庁に殺人未遂の疑いで5日逮捕された住所、職業不詳、馬場法明容疑者(29)が、祖父とは初対面だったことが6日、捜査関係者への取材で分かった。
同関係者によると、被害者は馬場容疑者の母方の祖父だが、同容疑者の物心がつく前に祖母と離婚しており、同容疑者は祖母の再婚相手を祖父だと認識していた。馬場容疑者は事件当日の2日に初めて実の祖父と対面し、そこで生活態度を罵倒されてカッとなって刺したという。
引用:日刊スポーツ 2019/6/6

子供が、自身の生まれ(ルーツ)や家族の歴史(ファミリー・ヒストリー)を知っておくことの重要性については、押川の著書「子供の死を祈る親たち」や、ブログ記事でも何度か触れています。

この事件でも、加害者となった孫は「祖父だと思っていた人が、本当の祖父ではなかった」ことを知らされ、少なからずショックを受けたのではないでしょうか。もちろん、それが人を傷つけて良い理由にはなりませんが、29歳にして「本当の祖父」に初めて会い、いきなり生活態度等について叱られれば、混乱や怒りの感情がわくのは当然のようにも思います。

記事を読む限り、孫は以前より生活態度に問題があり、家族が手をこまねいていた様子がうかがえます。

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