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夫婦仲の悪い両親の子供は、いち早く家を出ることを考えよ!

弊社が応じてきた、“トラブルを抱える家族”からの相談に基づく見解ではありますが、両親が不仲(※子供の頃から両親が不仲だが、経済的な理由などから離婚や別居をしていない)家庭で育った子供が、成人になってからも実家で生活することは、「絶対に勧められない」と断言します

もともと日本は、経済事情や住宅事情もあり、欧米に比べると「成人した子供がいつまでも親元にいる」と言われることがあります。特段の事情がない限り、ある程度の年齢になったら実家を出て自立することが、精神的な健康を保つ上でも望ましいように思います。

「両親不仲」が子供に与えるさまざまな悪影響

不登校や長期ひきこもり、家庭内暴力、依存症、強迫性障害や不安障害など、子供のメンタルの問題やトラブルはどんな家庭でも起こりうることですが、解決できないままこじらせ、長引かせてしまう家庭は、ほぼ例外なく両親が不仲です。

家には殺伐とした空気が流れ、居心地は決してよくないはずなのに、実家を出ずに暮らしている子供に聞くと、「実家があるのに、一人暮らしをするのはコスパが悪い」「両親は不仲だが、自分は双方の親(あるいはどちらか)と仲良くやっている」「親とは距離をおいているので関係ない」などと言います。

しかし両親が不仲の家庭ほど、面前DVやモラハラ、あるいは親から子への精神的虐待、過度な抑圧や依存等が起こりがちです。そういった親の近くにいると、頭では親を否定しながらも、承認欲求が強くなることが多いように見受けられます。自分でもさほど自覚がないまま、不眠やうつ、深酒によるアルコール依存になるケースもあり、注意が必要です。

よって、心身を健康に保とうと思うならば、早い段階で家を出るしかない、という結論になります。「親は頼れない」と自覚して社会で生きていくことで、自分の家族を客観的にみられるようにもなり、非現実的な欲求にとらわれることもなくなります。

都心部などでは住宅事情が厳しいこともあり、「一人暮らしはそう簡単ではない」と言われることもあります。しかし「精神衛生上、良くないと分かっていて親元で過ごす」のか「不自由な生活を強いられても、自立を目指す」のか。究極の選択にはなりますが、自分で決めるしかありません。なお、自覚がないまま親元で長く過ごし、心身に不調を来たしてからでは、自立はますます難しくなります。

以下は、まだ年齢が若い(10~20代)方へのアドバイスです。

・早いうちに仕事(アルバイト)を経験し、生活能力をつけておく。
・親との関係が最悪で、すでにメンタルに影響が出ているなら、無理に大学進学(学歴)にこだわることはない。大学はいつでも行ける。
・問題を抱えるきょうだいがいても、いち早く家を出ることに罪悪感を持つ必要はない。
・同様に、親(とくに母親)から、「●●が家にいてくれないと困る」などと依存されている場合もあるが、その親の考え自体、健全なことではないので、自分の人生を優先させてよい。
・親からの抑圧や束縛がキツイと感じるなら、体裁や建前を捨てて第三者に相談すること。決して抱え込まない。
・経済的な事情から一人暮らしに踏み出せないなら、生活レベルを落とす(地方での暮らしを検討する)ことや、シェアハウスを利用するなど、対策を考える。
・障害などの理由がある場合は、公的な支援を受けられるようにする(公的機関や医療機関に相談する)。最近はNPOなど、孤立した若者のための居場所や相談先はたくさんある。

→「そうは言っても…」と感じる方もいるかもしれませんが、目先のいろいろな理由(経済的に不安、大学に行きたいなど)を優先して親元で我慢して生活するうちに、通学も就職も無理なほど心身を壊しては意味がないのです。

親も、子供が自立できるような子育てを

また、親の立場の方に言いたいのは、「自分たち夫婦は不仲」という自覚があるならなおさら、子供が早く自立できるような育て方をするべきです。というのも、このような家庭ほど、家庭に安らぎがないがゆえに父親は仕事に精を出して経済的には余裕があったり、母親も家事だけはきちんと行うなど体裁に気を遣っています。結果的に、子供にとって「物理的には居心地がいい家」になってしまい、自立に二の足を踏むようになります
さらには、両親の諍いのネタとして、子供を利用しがちです。たとえば、

・「子供だけはちゃんと育てないと」「いい学校に入れて、夫(妻)を見返したい」という思いにとらわれ、過度な教育を施したり、抑圧したりする。
・「子供だけは自分の味方でいてほしい」と子供に依存する(共依存につながる)。
・子供の目の前で夫の(妻の)悪口を言う。子供を味方につけるために、嘘が混じることも多い。
・子供に問題が起きても、「お前のせいだ」「あなたに似たんだ」など、現実的ではない口論に終始し、まともに話し合えない。

などです。先にも述べたように、両親が不仲の家庭では、子供の問題を解決できないままこじらせることが多いです。両親の生活に支障をきたすようになってようやく、親のどちらかが相談機関に赴きますが、助言をもらっても、夫婦で冷静に話し合うことができません。どちらかが行動を起こそうと思っても、もう一方の親が非協力的であったり、足を引っ張る行為をしたりと、頓挫してしまうこともあります。

子供の問題が解決できないことはもちろん、他の子供(本人のきょうだい)がいる場合には、その子まで影響を受けることがあります。精神疾患とまではいかなくとも、

・社会性に乏しい
・生きる目標やエネルギーがなく自立できていない
・感情の起伏が激しい
・異性への依存など人間関係のトラブルを抱えがち

といったケースも少なくありません。

繰り返しますが、「両親不仲」の元で育った子供が、心身の健康を保ち生きていくための唯一の手段は、「早く親元を離れること」、これに尽きます。

★ノンフィクション漫画『「子供を殺してください」という親たち』には、子育てのさまざまなケースが登場します。ぜひお読みください。

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