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HSCとは?

前回の記事では、悪夢とのたたかいについて書きました。


書いたものの、長く下書き状態のまま、公開をためらっていましたが、

この時期が一番しんどく、助けが必要だった時期だったこと

いろんな情報を探し回った時期だったこと、

親である私にとって大きな転換期であったこと

を考え、公開することにしました。

今回の記事からは、考え方を転換するきっかけとなった「HSC」について、書きます。

「何か違うな」感

我が家の息子は、乳児期は超育てやすい子でした(何をしたいかが手に取るようにわかりました)。

ところが、幼児教室や幼稚園など、家庭外との関わりが増える頃から、少し気になることが増え始めました。

行き渋り、分離不安

家庭外で自己主張せず、過剰にいい子であろうとする(家で荒れる)

など。

最初は、「内弁慶なんだな」と軽く捉えていました。そのうち慣れるだろうと。

ところが、慣れたかなと思った頃から、

人に対して攻撃的な行動が増える半面、

自然や食べ物に対しては心を通わせているかのような言動行動が目立ってきました。

「何か他の子と違うな」と感じて、園や心理士に相談することもありましたが、

園生活に支障があるほどではなく、

(息子の気持ちをなるべく穏やかに保たせるために、私的にはだいぶ大変な思いでしたが)

様子を見ましょう程度でした。

私がずっと持ち続けてきた、この「何か違うな」感を説明してくれたのが「HSC」という言葉でした。

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HSCとは

HSCとは、「Highly sensitive child」の略で、アメリカの心理学者であるアーロン博士が提唱した言葉です。日本語では「ひといちばい敏感な子」と訳され、2015年に翻訳出版されています(最近ですね)。

敏感さと言っても、聴覚や触覚などの五感で感じるものだけでなく、

他人の気持ちを察したり、

無意識に物事を熟考したり、

何の変哲もない日常生活でも、知らず知らずのうちに相当なエネルギーを使います。

HSCは、後天的な性格ではなく、生まれ持った気質を示す言葉で、病気や障がいとして診断されるものではありません。

大人はHSP(Highly Sensitive Person)とされ、

5人に1人がHSC(P)

と言われています。

HSCかどうかを判断したいとき

HSCかどうかを判断するチェックリストもあるのですが、

アーロン博士は、HSCには以下の4つの特徴がすべて存在するとしています。

息子の場合に思い当たる例を合わせて挙げてみます。

①深く処理する…物事の表面でなく本質を見抜く。精巧な認知処理をする。

・大人の言動の真意を理解しようとする。矛盾に気づくと指摘する。疑問を抱く。(5歳くらいで「なぜ生まれてきたのかがわからない」と言っていました)

・自分に求められていることがわかり、納得するまで、うかつに行動しない。(パーティでお菓子が出されても、ほかの人の動向を見て、自分が食べても大丈夫そうと判断してからしか手を出そうとはしない)

②過剰に刺激を受けやすい…ネガティブなこともポジティブなことも刺激を受けやすく、感覚面での不快感につながることが多い。

・楽しみな旅行やイベントの直前に、熱を出す。

・母が忙しすぎると、何かを察するのか、息子が熱を出す。

③感情反応が強く、共感力が高い…他の人の行動や感情をあたかも自分のもののように捉える。思いやりがある。

・先生が他の子を怒っているのを見ると、自分が怒られている感覚になる。自分がどう行動すれば平穏に事態を収拾できるのかを考える。

・動物の形をしたお菓子などは、形を崩してしまうのがかわいそうで、食べられない。

④ささいな刺激を察知する…感覚器の反応が強いというより、感受性が強い。

・クラスの中で傷ついている子がいたら、気づく。

・母がいつもと違う匂いをしていることに気づく。(ランチしに行った時の匂いだったり、新しい服の香りだったり)

・雨が降りそうな気候だと、体がだるくて動けない。


まとめ

息子に対して「なんか違うな」感を持った私は、機会があれば、ありとあらゆる子育て本や講座などで、育児についての情報を求めていました。息子のことを理解したかったからです。

しかし、どうやってみてもしっくりきませんでした。

息子は困った顔をしているのに、私は「なんでできないの?」と息子を責めたことも何度もあります。そして、怒る私の顔を見て、さらに息子は傷ついた顔をするのです。

HSCを知り、知識を得ることで、私が一番救われたことは、

「息子のことをまるごと受け入れてあげていいんだ」

という安心感を得られたことです。

アーロン博士のHSCについての本を訳された明橋大二先生の本には、以下のような記述があります。

 5人に1人の子を育てるときに、5人に4人の子育てのアドバイスは、合わないことが多いのです。                                                    しかし、何度も何度も言われると、「やっぱり自分が間違っているんじゃないか」「やっぱりこの子がおかしいんじゃないか」と思えてきます。       そうすると、子どもを無理やり、5人に4人のタイプに押し込めようとしてしまいます。そうすると子どもも親も苦しくなります。                                 帽子が頭のサイズに合わないために、頭を削って帽子に合わせようとすることになってしまうからです。                                                                              帽子が合わないときは、帽子を頭のサイズに合わせればいいのです。       (出典元:『HSCの子育てハッピーアドバイス』明橋大二著)


まさにこれだと思いました。

帽子に頭を合わせようと躍起になっていた自分を責める気持ちも湧きましたが、

「親としてできることは、子どもの頭に合うサイズの帽子を探してくることなんだ」とわかったことが嬉しくてたまりませんでした。
「子どもを変えなくていいんだ!私自身が変わればいいんだ!」と思うと、なんだか解放されたような明るい気持ちになれたのでした。

私は、本当はずっと子どものことを信じたかったんですね。

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