見出し画像

四季報秋号を使って賢く株選び:2022年の優良銘柄とその後の動き


1.四季報 秋号の魅力とは

 株の世界に少しでも興味を持つなら、四季報は無視できない情報源である。特に秋号は、まだ市場に織り込まれていない企業の新しい情報が多く、未来の「隠れた星」を見つける絶好のチャンスとなる。
 そこで本レポートでは、2022年の四季報で第一四半期の決算が良く、割安と判断された企業に対し、その後の株価の動向をチェックした。

2.株の選定基準

選定基準は主に2つである。
・四半期進捗率
・四季報独自指標(☻☻&☝☝※)
上記の条件を満たす企業を選定した。

※☻☻:四季報営業利益予想と会社営業利益予想の乖離が30%以上である。
※☝☝:今号の四季報営業利益予想と前号の予想を比べ30%以上の増額した銘柄を示す。

 具体的には、四半期進歩率が50%を超えていること、四季報の独自指標がMAX評価であること。
ただし、四半期進捗率は30%程度でも、過去3期の平均より20%以上上昇していれば、これも含むこととした。

上記とした理由は、今後の決算の情報修正による株価上昇を期待が高いためである。

3.結果のおさらい:選定銘柄と一年間の騰落率

2022年の秋に選定した銘柄を以下に示す。

表-1 選定銘柄

68銘柄が該当した。
・上昇銘柄 :51銘柄
・下落銘柄 :17銘柄
・平均騰落率:+30.21%

4.アノマリー:秋号で分かる驚きの事実

(1)上記条件の選定基準は優れていたのか?

 上記の結果より、上昇銘柄は51銘柄で75%が上昇した。平均騰落率は30%越えである。
 皆さんご存じの通り、今年は日経平均が上昇しため、日本株全体が上昇傾向にある。ただ、日経平均のこの一年の上昇率は、18%である。
日経平均の上昇率と比べても、良い結果でないでしょうか。

(2)上昇銘柄51銘柄と時価総額の関係

 誰もが感じる「時価総額が大きい企業は安定している」という先入観をデータで検証しましたが、実は関係性は薄いようです。
 結果を図-1に示す。

図ー1 上昇率と時価総額の関係


(3)業界内順位と上昇率

業界内での順位も株価上昇率とは必ずしも関連していないことが分かりました。

図-2 上昇率と業界内順位


5.四季報 秋号のアノマリー

(1)アノマリー

 四季報秋号から選定した基準は、市場平均を上回る結果を出しており、その有効性が確認できました。

(2)推奨する銘柄選定

 上昇51銘柄から、さらに絞るためには、業界で絞るこむのが良い。
 業界で絞り込むことが、更なる成功の鍵となる。今年は鉄鋼、ホテル、旅客関連会社が特に上昇しました。この傾向は来年も続く可能性が高い。
 これらに続く業界を見つけることが上昇銘柄を見つけるための近道であろう。

最後に

 株投資は複雑であり、確実性はありませんが、四季報秋号は明らかに優れた情報源となることが確認できた。そして何より、この手法を使って市場平均を大きく上回る結果が出ている。興味が湧いたなら、次の四季報秋号を楽しみにして、自分自身で賢い投資選択をしてみてはいかがでしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?