縁組みもプロレスも、match 【我流英語教室R-18】

 わたしはお仕事で、自治体の結婚支援事業を担当しています。事業の全体的な枠組みを作るし、個々のイベントや施策の企画もします。そこそこの人数いらっしゃる結婚支援員さんのマネジメントもしますし、自分自身で、男の子と女の子を引き合わせたりもします。こういったお仕事に軽んじた目を向ける人って意外と多いのですが(自分は意識高い仕事をしている!進んだ考え持ってる!って自負している人に、結構いますよ)、彼氏は最初っから「オモシローイ♡そのお仕事、タノシソウ♡」という反応をしてくれたので、ちょっと嬉しかったです。

 彼氏は、「そういうのを、英語では matchmaker っていう」と教えてくれました。全然知らない単語だったので、(へえー、そうなんだ!)とテンションが上がりました。そのテンションの勢いで、同僚の男の子に「結婚の支援する人って、英語で matchmaker っていうんだって!」という話をしましたところ、彼は「あ、プロレスとかの興行組む人も、マッチメーカーっていいますよね」と言いました。プロレスには1mmくらいの興味しかありませんでしたから、それこそ(へえー、そうなんだ!!!)でした。

 あらためて match の意味を調べてみますと、コアなニュアンスは「同等のもの」、見かけや資質が「同等のもの」という意味合いから、「競い合うもの/こと」「似合うもの/こと」「見合うもの/こと」を表す言葉なのだそうです。ですので名詞としての match の意味は、「1.試合、競技 2.好敵手/(対の一方として)似合いの人、調和のとれたもの 3.(格好な)夫婦、配偶者/縁組、結婚」となります。感慨深いですね。結婚もプロレスのマッチも、「あんたたち同じくらいの相手同士だから、お似合いだ!」というのが、本質的な意味な訳です。

 さて、「結婚」という現象に目を移してみますと、世界では意外と、「同等の者同士のお似合い結婚」をしていない訳です。例えば日本では、女性側から見ると大体の結婚は「上方婚」だと言われています。女性よりも男性の方が、「収入が上」「学歴が上」「年齢が上」である方が、世間的に「座りがよい」とされている訳です。その反対だと、「格差婚」だとか「ヒモ夫」だとか、とかく世間がかしましい。「高学歴高収入女子」が結婚しづらくて心折れたりとかもします。女子が生活を向上させようとすると、仕事での待遇改善じゃなくて結婚を勧められたりすることも、まだありますよね。また、極端な例を出しますと、児童婚への反対を訴えるアフガニスタンの少女ラッパーのドキュメンタリー映画「ソニータ」が2015年公開され、大きな反響を呼びました。かくも、「結婚」と「男女のパワーの格差」が強く結びついている現状がある。

 わたしはやっぱり、ご家庭みたいなプライベートな領域では(勿論オフィシャルな領域でもそうなんですけど)、妻と夫にパワーの格差なんてない方が、どっちも楽ちんで心地いいと思います。常に上でいないといけない立場にある、っていうのも、つらいものじゃないですか。女子も男子も、「結婚するなら、やっぱり男の方が上じゃないと!」っていう思い込みとか願望は、手放してもいいんじゃないでしょうか。どの部分が match するか、っていうのは、カップルの価値観でそれぞれだと思いますから、一概に「同収入!」「同学歴!」「同年齢!」と唱えるのも面倒くさいことですけれども、(この人は自分に match する人だ……)という感覚は、結婚には大事なことなんではないかなあ、と思います。

 ベッドの中でもアレコレが match してると楽しいんじゃないかな。充実した試合ができそうですよね。でも、自分の感覚だと、プロレスのマッチというよりペアでヨガしてるような感覚なんだけど、彼氏も「ヨガしたことないけど、youtube で見たことはある。楽しそうだよね!」と言ってたけど、彼氏のPCの画面で、あやしい感じのヨガのムービーがレコメンドで待機してたの見たことあるから、もしかすると、彼氏はヨガもそういうアレだと捉えている可能性は、あります。


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