雑記、そして名前のこと。

久しぶりに、朝目覚めて体が楽で、とても心地いい。鍼の先生が、むしろ朝早く起きて仕事して早く寝たほうがいいんですよ、と言ったが、体調の悪い朝は体がつらくて起きられないし、体が楽な朝は布団の中のちょうどよい温度と平和な体に浸りたくて、つまり結局いずれにせよ朝寝してしまう。体がわたしを苛まない日は、驚くほど平和だ。

体が楽な日は、こんなにもポジティブでなんにも恐れるものはないような気持ちになるのだなと思うと、健康であるということはそれだけで、前提条件を100%満たしてくれているのだなと思う。日本から病むような職場環境が駆逐されれば、生産性くらい5割増しで簡単にアップしそう。最近、ほうじ茶で作ったミルクティーがすき。チャイと同じ要領で、なんちゃってな作り方で作る。紅茶よりあっさり味にできあがる。スパイス類は入れない。

さて今は、名前の由来について書きたいのだった。「菊池とおこ」というペンネームは、かなり長いこと使っている。20代の初めからだから、かれこれ20年くらい?「菊池」は本名だが、なんで名前を「とおこ」とつけたかというと、音が好みだったから。つまり、「オ段」の音がよかった。

「キクチ」は「i-u-i」でかなり狭い母音が続く。子音も「k」と「ch」で固いし。本名の名前は、いったん開いてから閉じる母音の連なりなので、名字から通して発音すると、口を動かすのが忙しい。なので、名字の先に「o-o-o」と広くぽーんと放るような母音の流れ、一息で放物線を描くように発声できる「トーコ」という一連の流れがやってくるペンネームの音の印象が、すきなのだった。その頃飼い始めた初代のネコの名前も、わたしのフィーリングで「トコ」とつけたので、よっぽど「オ段」が気に入っていたのだと思う。ちなみに、「とうこ」と表記するのではなく「とおこ」にしたのは、「とうこ」だと「トゥーコ」っぽいというか「トゥコ」っぽいというか狭い感じがするので、あくまで「トーコ」の、口開けっぱなしの開放感ある音で読みたかったし読んで欲しかったから。

ありし日のトコねえちゃん(三毛)と、コネコだった頃のおばあちゃんネコよんちゃん(キジトラ)。たまにしか会わない2匹だったが、相性は良かったっぽい。どっちも誰彼になつかない全然フレンドリーじゃない性格の。

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第1回R-18文学賞の最終候補に残った時、賞には入らなかったけどあのとき最終候補作の作者はみんな授賞式にお招きいただいたのだが、R-18文学賞というのは女性しか応募できない賞である訳だけど、編集部の方々が「実際にお会いするまで、『とおこ』さんだから実は作者は『おとこ』なんじゃないかってみんなで言ってました」と笑った。「あれを書いたのが男性だったら凄いよね、って」と。「とおこ」を並べ替えたら「おとこ」になるなんて思いつきもしなかったので、感服した。でものちに、「目が騙されて『おとこ』と読んでしまう」と言う読者さんにもお会いしたことがある。このときの最終候補作は、これです。

女性なのか男性なのか、名前からは分からないようなペンネームをつける作家さんやライターさんは結構いらっしゃると思うけれど、わたしはあんまり、そこんとこはがっつり「女」だって分かってしまって構わない、と思っている。というよりむしろ、こちらが「女」だってことは押さえておいて、読んで欲しいな、と思う。というか、書くものを読めば、女だってことが丸わかりなのでは、とも思うけど。

とはいえ、わたしの書くものは中身をちゃんと読めばフェミニスト、と分かるようなことしか書いてないんだけど、プロフィールの軽さと散りばめられた助平さのあまりに、恋愛工学徒とかナンパ師みたいな感じのひとたちがスキをつけてくれるのも、面白い出会い。一番よくnoteで読まれているのは『年の差恋愛』の稿なんだけど、あれは実はむしろ、アンチ年の差恋愛の立場から書いた話なんだよ、みんな知ってた?

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