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佐伯祐三展行ってきました+印象に残った絵ランキング

佐伯祐三展に行ってきました。

佐伯祐三、かなり好きな洋画家です。パリのポスターのある風景をモチーフにする作家性、荒々しくもお洒落な画風、早逝の作家であること、そして本人のビジュアル…どこを取ってもスター性のある画家で、ゴッホくらい人気出てもおかしくないと常日頃から思ってました。もちろん美術好きの中では知名度はあるでしょうが、一般認知度はかなり低いんじゃないでしょうか。

そんな彼の大規模個展が久しぶりに東京で開催とのことで、行ってきました!自分もほぼ佐伯祐三の絵を見たことなかったのでめちゃくちゃ楽しみにしてました!!ずっと見たかった絵もあるしね!!!

意外と混んでた

東京駅を出たところすぐにあるからか、はたまた最近テレビで特集されたからか、平日にも関わらず当日券列に10人以上人が並んでました。シニア多めです。当日券は買って行った方がいいと思います!時間の幅も1時間と長めですしね。

佐伯祐三との出会い

私の佐伯祐三との出会いは、数年前のアーティゾン美術館です。とは言っても生の絵を見たのではなく、グッズコーナーにあった《テラスの広告》クリアファイルでした。

さんざん美術館を回って一番目に焼き付いたのがクリアファイルって…って感じですが、それほどまでに印象に残る良い絵でした。荒々しいのにめちゃくちゃハイセンスなカフェの絵。なんというか、センスが今時なんですよね。ただ巡り合わせの問題かホンモノの《テラスの広告》に出会うことはなく気づけば数年の歳月が経っていました。

さて、ここからはランキング形式で印象に残った絵を発表します!!《テラスの広告》は何位なのかにも注目してくださいね!!

第5位

《汽船》1926年頃

第5位は「滞船」シリーズの《汽船》でした!
Chapter1の日本の風景では電線のモチーフが多いですが、荒々しい帆柱にはその名残を感じさせます。もくもくとした煙と重そうな空の下、船の差し色の赤が非常に鮮やかです。

第4位

《人形》1925年頃

第4位は《人形》でした!
珍しく身近にいない美女を描いてるなと思ったらタイトルにビックリ!!ホクロもあって愛くるしい彼女のために1ヶ月の生活費を支払ったというエピソードにややドン引き。全体を通じて一番生命力の感じる人物画が人形というのは、中々面白いです。佐伯が長生きしていたら、もっと人形の絵を描いて欲しかったですね。

第3位

《工場》1928年

第3位は《工場》でした!
パリのポスター絵ラッシュがひと段落し、シックで存在感のある建物が目を引きます。壁に佐伯らしい落書きのような文字がありますが、よく見ると「PARIS UZO SAEKI」と、風景にサインが溶け込んでいました。レンガのデフォルメは広告の筆運びを連想させますし、死にかけの人間の鬼気迫るパワーを感じます。

第2位

《テラスの広告》1927年

《テラスの広告》がまさかの2位!
横に同じカフェを描いた《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》が展示されてることで違いがよくわかります。だいぶテーブルとイスの形が崩れていること、クリアファイルだと「これがイスなのか…!?」と思わせる大胆なタッチのイスもずっしりと存在感のあるイスでした。あとはこれは一度模写したことがあるので知っていたのですが、改めて見ると意外と絵に奥行きがあるんですよね。人は描かれてないけれどそこの空気感が伝わってくるような迫力があります。

今日は誰よりも強い想いでこの絵を見にきているはずなので、絵を独り占めできる時間があったのが最高でした。

第1位

《看板のある道》1926年頃

1位はなんと、《看板のある道》でした!!

今回の展示会を見るまでは佐伯祐三のパリの絵しかしらなかったのですが、意外と日本の街並みの絵が好みでした。場所も高田馬場あたりで早稲田生として親近感湧きますしね。《看板のある道》は日本の風景を佐伯流に描いた佐伯祐三のスタンダード。「富永病院」「落合倶楽部」の看板、赤い奴、パリとは違う日本風の茶色と緑。色々詰め込んでるのにまとまってる、インスタに載っけられそうな1920年代の日本です。

おわりに

佐伯祐三、もっととっつきにくい人かと思ったら意外と絵からはそんな感じはしなくて、切り取る風景にも親近感を感じました。これはおそらく佐伯の感性が現代の我々に近いからじゃないかなと思います。蟹のエピソードも親近感が湧きますし、この風景や建物を良いと思った気持ちもわかるわという絵も多かったです。

この展覧会を機に佐伯祐三の名前がかなり浸透するんじゃないかと思います。今の若い人が見ても直感的に良い絵だと思えるそんな絵ですから。

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