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ガスミュージアム見学

先日ガスミュージアムへ見学に行って来ました。
大人の社会科見学です。
https://www.gasmuseum.jp/
名前から分かるように東京ガスの企業博物館と言った感じです。

敷地内に入るとクラシックな建物が2棟あります。(タイトル部分の写真)
写真の左側が1909年(明治42年)建築の本郷営業所、右側が1912年(明治45年)建築の千住工場計測機室だった建物をここに移築したそうです。まさか実物だとは思っていませんでした。

2つの棟の前の庭にはガス灯が何本も立っています。これも実際に使われていたガス灯です。レプリカも混じっていますがほとんどは本物です。実際に見ると奇麗でとても100年前の物とは思えません。

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しかもちゃんとガス灯が灯っているのです。見学時は昼間でしたが周りが暗ければクラシックな建物と相まっていい雰囲気なのかもしれせん。
ただ施設は17時閉館なので、暗がりの中のガス灯を見ようとしたら冬場限定になります。

写真左側がガス灯館、右側がくらし館となっていて順路はガス灯館からです。
ガス灯館は2階建てで、1階は資料などが展示されていました。ガス灯などが展示されていますが、正直あまり見るものはない感じです。
ガスがどのように普及していったかの映像があったのでそれは見ました。

2階は企画展です。私が見学に行った時は渋沢栄一展でした。ちょうどNHKの大河ドラマ「青天を衝け」が始まった時期なのでそれに合わせたのでしょう。
渋沢栄一と言えば何百社もの会社を興し日本資本主義の父と呼ばれるほどの人物ですが、東京ガスもその中の1社だったようです。

展示のエピソードで凄いと思ったのは、渋沢栄一が入社するまでは赤字だった事業を黒字転換させたそうです。ここまではよくある話ですが、明治30年代(1900年前後)ガス灯はメイン事業だったそうです。当時は電灯もすでにあったのですが、電灯は電球の寿命の短さや停電リスクなどがあり、ガス灯が優位だったそうです。その時代に今後のガスは「熱源利用」が主流となると考え新分野を開拓したのだそうです。
現在でも主力商品がトップならわざわざ新事業に手を出そうとは考えない会社も多いことを考えると、改めて凄い人だったのだと分かります。

ただ1階、2階とも資料はかなり少なめでした。資料自体が不足しているのか、ガスに関係する古い資料がありましたら寄贈をお願いしますと注意書きがありました。
ガスのような生活に密着した物だと、わざわざ残しておく感じにはならないのか、資料が少ないのはその為でしょう。

もう1棟のくらし館も2階建てです。2階建てとは言っても半分以上は吹き抜けで、2階部分はロフトのような感じです。

明治期からのガスを使用する製品が年代順に展示されています。ガスなので基本調理器具などが多いです。中には無理やりにでもガスで動かそうとしている物もありました。冷蔵庫や炊飯器、エアコンまでありましたが普及しなかった事を見ればその辺りの物は電気で動かした方が効率的だろうとは思ってしまいます。
ですがこれは結果論なので、ヒット商品が出ればガス製品もありえたのかもしれません。

ここで面白かったのはカニ型のストーブです。1927年(昭和12年)の発売だそうですが、これかわいいです。使用時には白い部分が赤くなるそうです。今似たようなデザインで電気ストーブとか作ったら面白いのにと思いました。

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1988年(平成10年)開催の長野オリンピックの聖火台の試作品もありました。実物の5分の1の大きさです。なぜ展示してあるのかと思ったら、オリンピック開催中の聖火は天然ガスの炎だったのでその関係です。

2階にはガスによる発電の仕組みやガス事業についての説明が模型やパネルで展示されていました。2階とは言ってもロフトのような感じなので展示はかなり少なかったです。

ここで面白かったのはガスオルガン。ガスを動力にする訳ではなく、鍵盤の前面にパイプオルガンのようなガラス製のパイプが並んでいて、鍵盤を押すと鍵盤に対応しているガラス管に火が灯ると言う仕掛けです。暗い所で演奏するには見栄えがいいのでしょう。ですが鍵盤が2オクターブ分しかないそうなので演奏できる曲にかなり制限がかかりそうでした。

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それなりに時間は潰れましたが、面白いと言う程ではありませんでした。展示は大人向けなので子供には向いていませんでした。
近場の人や何かの用事で近くまでいくのだったら見てもいいかな程度です。

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