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ガン消しを処分する予定が、増えてリペイントにハマってしまった話

私と同じように知識がゼロだけどリペイントを始めてみたい!と思われる方向けに記事にしました。

リペイントとの出会い

引っ越しの予定があり昔のものを整理していたら、子供の頃に集めていたガン消しが出てきまして、メルカリで出品したんですよね。

当時100円のガチャガチャで無彩色の塩ビ素材のガン消しが、メルカリで何十倍もの価格に膨れ上がっていることを知り、過去取引額を参考に、試しに4点セットで売ったらなんと6,500円ですぐ売却になりまして‥!驚

びっくりしたのもつかの間、童心に帰り、もしや‥と思い、当時あまり買えず一番好きだったSDガンダム外伝の機甲神伝説というシリーズを調べたら、売られていて、集めている人いるのかな?と気になりググり始めたんです。

そしたら斜め上の「リペイント」というジャンルで塗装されている方がいて、衝撃を受けると共に、Estebanさんという方の作品と出会い、とても心が踊り、自分でもやってみたいという欲求が芽生えまして。。

当時集められなかったこともあり、もう一度好きなシリーズを集め直してみようと決心しまして。気づけば毎日メルカリでウォッチするようになり、売却資金より、気づけば出費の方が多くなりました 笑

俺コレさんがまとめられている情報を元に、機甲神伝説 光の超機甲神というシリーズを12個確認し、それを集め始めたらあれよあれよと10万円以上費やすことになりました。
落札額を見ると以下の通り。(完品買わないと大損しますね。。orz)
・機甲神エルガイヤー:24,000円 (剣なし)
・機甲神エルガイヤー:21,000円 (2回目購入)
・機甲神オルフェリス:3,500円 (剣なし)
・機甲神オルフェリス:4,800円 (2回目購入)
・機甲神ジュピタリアス:5,850 円
・機甲神アクアリウス:5,000 円
・機甲神マーキュリアス+α品:15,000円
・機甲神ギガンティス:21,500 円
・超機甲神ガンジェネシス:3,500円
・月光騎士ネオガンダム:1,200円
・騎士ガンダム:1,280円
・真聖機兵ガンレックスα:1,800円
・スペリオルドラゴンEX:900円
・ジークジオンマブーゼ:1,200円
計110,530円
重複分などを売却し32,200円戻ったので結局78,330円でした。

リペイントの流れがわからない

リペイント‥!
子供の頃の図工の知識だけで、勢いだけで始めようと思い、どんな塗料で塗るのか、工程はどんな風に行えばいいのか分からず手探りで始めました。

とても役に立った記事がnomura_maxさんの「 20年くらい前のガン消しを塗装してみる(邪獣王ギガサラマンダー) 」というまとめ記事。ありがとうございます。

下記は、初めて完成させたリペイントのガン消し。

筆塗りをした初めてのリペイントガン消し:機甲神ガンジェネシス

改善点だらけですが、初めて自分で塗れたので喜びひとしおでした。

キングガンダムII世。
20個程度塗り、様になりました。

キングガンダムII世

リペイントの手段

まずリペイントといっても、大きく2つの方法がありました。
・筆塗り塗装
・エアーブラシ塗装

筆塗り塗装の特徴

筆塗りは塗料を筆につけ、そのまま塗りますので、材料を揃えるところから手軽に開始しやすい特徴がありました。ただ上手に塗ろうとすると面積が大きいところほど滑らかにならず、均一に塗るには慣れが必要な側面もあります。※ 最低予算4〜5,000円程度あれば取っ掛かることはできますが、10,000円程度予算があると無理なく揃えられます。

エアーブラシ塗装の特徴

エアーブラシ塗装は、圧縮した空気によって塗料を霧状に噴霧する道具のことで、ガン消し程度のサイズであれば均一に塗りやすい特徴がある反面、導入コストが筆よりも高くなります。※ 最低予算14,000円程度は必要ですが、20,000円程度あるとよさそうです。

リペイントに必要になるツールをご紹介します。

購入してよかったもの

※ 購入先はヨドバシかAmazonがいいですね。品揃えが多く価格も安め&配送がとても早いです。(ヨドバシもAmazon並みに早く届きます)

(塗り分けに複数の太さが必要ですが、安価すぎる筆はしなりが強く、抜けやすかったで、タミヤ製をおすすめします)
 - タミヤ モデリングブラシHG 面相筆 細 ¥471
 - タミヤ モデリングブラシHG 面相筆 極細 ¥502
 - タミヤ モデリングブラシHG 面相筆 超極細 ¥518
塗料皿 (購入した塗料の調色に使います)
 - クレオス Creos D175 Mr.塗料皿 10枚入り ¥146
リターダー (塗料の乾燥を遅延させるもの。わりかし必須)
 - クレオス Creos T105 Mr.リターダーマイルド ¥165
カッティングマット (塗料が垂れてもいいように)
 - お近くのダイソーやセリアなどで揃えると良さそうです。
レジンウォッシュ (離型剤を落とす溶剤/素材の硬化に利用します)
 - ガイアノーツ T-03L レジンウォッシュ ¥1,450
薄め液 (塗料の原液を薄める際に利用します)
 - ガイアノーツ T-09L メタリックマスター ¥1.610
サーフェイサー (下地塗装で利用します)
 - クレオス Creos B-519 Mr.サーフェイサー1000 ¥485
塗装クリップ (スプレーやエアブラシ塗装する場合に利用します)
 - ペインティング スタンド ¥999
塗料 (適宜必要な色を取り揃えます)
 - ガイアカラーMr.カラー などアクリル系塗料を揃えます
調色スティック (塗料をかき混ぜる用途)
 - タミヤ TAMIYA 74017 [調色スティック] ¥346
トップコート (塗装後の後処理に利用します)
 - クレオス Creos B522 Mr.スーパークリアー ¥648
マスキングテープ (塗り分けで塗装したくない面を保護する際に利用)
 ※ 主にエアブラシを利用する際に利用します
 - タミヤ TAMIYA 87206 タミヤ マスキングテープ 1mm ¥231
 - タミヤ TAMIYA 87206 タミヤ マスキングテープ 2mm ¥231
 - タミヤ TAMIYA 87206 タミヤ マスキングテープ 3mm ¥240
 - タミヤ TAMIYA 87035 マスキングテープ 18mm ¥197
 更にガン消しの小さい部分で塗り分ける際に、場合によってはクレープ紙
 タイプのマスキングテープ、ハセガワの0.3mm
などあると便利です。
充電式エアブラシ (※ エアーブラシを利用する場合)
 - SOUL POWER 充電式エアブラシ Model-04 ¥8,399
エアブラシクリーナー (※エアブラシに入れた塗料を掃除する際用です)
 - クレオス Creos T113 [Mr.ツールクリーナー改] ¥407
デザインナイフ (任意ですが、ガン消し接合部の切り取りに利用します)
 - NT エヌティー D-500GP [デザインナイフ] ¥353
紙やすり (任意ですが、削った場所を整えるのに利用します)
 - ゴッドハンド GH-KS1-A6 神ヤス! ¥715

並べてみるといっぱいありますねー。。
記載のものを全て買うと18,213円かかりますが、エアブラシを除くと9,814円でした。(塗料代は除く)
100均でも買うことのできるものもあるので、「マスキングテープ」「デザインナイフ」「紙やすり」あたりは代替できるかもしれませんが、筆は品質の観点からあまりおすすめできませんが、極細を1本とりあえず買って使ってみるとかでもいいと思います。

また私は買っていませんが、エアブラシを利用する際に屋内でも作業ができるよう塗装ブースというのがあり、場所はかなり取りますが、本格的に行うのであればあるといいかもしれません。(私は窓越しに外に向けて利用しています) エアブラシも本格的に行おうとするとコンプレッサーというものを買うほうが空気圧が優れているそうなので他の方の記事などを参考に導入をしてみるといいかもしれません。

ガン消しリペイントの流れ

これからご紹介する流れが正解‥ではなく、素人の私が模索してリペイントを手順に書き起こしただけですので悪しからずご了承ください。(また詳しい方や、こうしたらいいよというコメント大歓迎です!)

1.素材の入手

最初にネタがないと何もできないので、塗りたい素材(ガン消し)を入手します。

  1. オススメはメルカリヤフオクですが、過去の取引相場を見て妥当性がある価格帯で購入できるといいですね。人気のないものは100円、200円程度で購入もできますが、高いものは単体で50,000円以上でも取引されています。

  2. パーツが欠損しているものは完品より大幅に安く売られています。剣がない等。黒シミなどは塗装するので気にせずでOKですが、(むしろ価格も下がるのでラッキー)、溶けてるものも一定数あるのでご注意ください。

2. クリーニング

続いてクリーニングをします。20,30年前のものなので、大概汚れている事が多いです。塗料の吸着力低下にも繋がるので綺麗にします。汚れは石鹸では落ちませんが、酸素系漂白剤が良いようです。ワイドハイターEXパワーが良かったです。100均などで買った適当なプラスチック容器を用意し、適当にハイター1、水2ぐらいの割合でかき混ぜ、ガン消しを適当に数時間など入れたまま放置します。(数日経っても平気です)
最後に柔らかいブラシなどでこするとなおいいですが、入れたままでも艶が出てピカピカになります。容器から出した後は水で濯ぎよく漂白剤を落とします。

ワイドハイター EXパワー

3.レジンウォッシュ

続いてレジンウォッシュというものを使い、素材の硬化をさせていきます。塩ビ素材は柔らかいのでリペイントした塗膜が剥がれてしまいやすく塗料が剥がれにくくするよう、このレジンウォッシュを使います。容器に原液をそのまま注ぎ、その中にガン消しを投入します。数時間も入れたら少し硬化しているので割り箸やピンセットなどで取り出します。出した後そのまま置いておくと10分もしたら乾燥していますので、ようやく準備が完了です。

ガイアノーツ T-03L レジンウォッシュ
レジンウォッシュに漬けた状態。このまま適当に1時間程度放置

4.サーフェイサーを吹く

下地塗装として、サーフェイサーというものを吹きます。「サフを吹く」などとも呼ばれ役割としては以下のものになります。

耐久性や下塗りの平滑性を向上させるほか、着色塗料と下塗りの密着性を高める効果がある。

https://www.goo-net.com/knowledge/12448/

これにより、これから塗る塗料を安定して塗ることができるようになります。(ついやらないこともあるのですが‥やった方がいいですね!)

スプレー缶ですが、そのまま本体に直接当てると滴り落ちて、塗装に影響が出ますので、対象と20〜30cm程度離した距離感を保ったまま何もない上から吹き出し、本体を通り抜けて下まで吹くなどをするとムラなく塗装できます。最初から本命にサーフェイサーを吹かず、最初は別の素材などで試し吹きをすることをオススメします。

サーフェイサーを吹く前の状態
サーフェイサーを吹き付けて乾かす

5a.筆塗りの場合:塗料皿に塗料を置く

続いて、塗りたい色を塗料皿に移します。原液のままでは濃度が濃く、ドロドロした塗料で塗ると塗膜に厚みが出てしまうので、ここで薄め液を利用します。

塗料皿に入れた塗料に、ガイアノーツ T-09L メタリックマスター をスポイトで垂らして少し薄めて利用します。この時このまま塗ると塗料の速乾性が早く、塗膜が厚い面と、薄い面が出てガタガタしてしまうことがよくあります。

そこでクレオス Creos T105 Mr.リターダーマイルドをスポイトでほんの少し垂らして塗ると、乾くのを遅らせることができ均一で塗りやすくなります。少量でも効果があるのであまり入れすぎないように注意します。

なお、色を調色した場合 (調色とは赤と黄色を混ぜてオレンジ色を作るなど) そのオリジナルの色を保存するにはスペアボトルを利用すると乾くことなく保存できます。※ 硬化した塗料もリターダーを垂らすと再度利用することもできます。

5b.エアブラシ塗装の場合:

私はYouTubeレビューなどを見てSOUL POWER 充電式エアブラシ Model-04を利用していますが、コンプレッサーが不要でこれだけでエアブラシ塗装ができるので、入門者としてはコスパもいいのではと思います。

5b-1.希釈をする

エアブラシで塗装するにはそのままでは濃度が濃く詰まってしまうので、塗料1に対し、薄め液 (ガイアノーツ T-09L メタリックマスター など)を2程度で希釈をして、よく混ぜます。多めに作りスペアボトルに入れておくと再利用できるのでオススメです。

5b-2.塗料カップに塗料を入れる

よく混ぜた後、塗料を塗料カップに入れます。SOUL POWERのエアブラシはダブルアクションと呼ばれる形式を採用しており、真ん中付近にある押しボタンを押すと、空気が先端の塗料ノズルから噴射されます。この段階では塗料は出ませんが、押しボタンを後ろ方向にスライドすると塗料が初めて噴射されます。入れすぎると塗料が溢れる原因になるので半分以下目安でいいと思います。

5b-3.塗料を吹き付ける

対象とあまり近くで噴射するとスプレー缶同様に液垂れしてしまうので、ガン消しとは5〜10cm程度の距離を保ったまま一箇所に偏らないよう吹き付けます。この際、面積の小さい側面など塗料が付着しにくい面から塗り、塗りやすい面は最後に吹くのがいいです。
※ 気がつくと塗装中近づきすぎてることがあるので注意が必要です。

マスキングテープで覆い、塗装クリップで挟んだ状態。この後エアブラシで塗装

5b-4.エアブラシを掃除する

1色塗り、他の色に入れ替えたい場合も、塗装が終わった後もいずれにしても掃除をして、前の塗料が残らないようにする必要があります。とても面倒ですが、塗料が残っている場合、例えば黒のあとに黄色の塗料を入れる等、黄色を吹き付けるはずが、黒ずんで混色になってしまうなど起きるので、都度の掃除が欠かせません。下記動画とても参考になると思います。

6.トップコートで仕上げる

最後にトップコートで仕上げを行っていきます。塗膜面を保護する目的があり、折角塗った塗料が剥がれたりしないよう利用します。クレオス Creos B522 Mr.スーパークリアーがオススメですが、理由としてUVカット処理も加えられており、長期間の保管にあたり塗った色の変色を防止することができます。

サーフェイサーと同じく直接吹くことは避けて、30cm程度の距離を離し対象より上から吹き出し、対象を通り抜けて下まで吹くなどをすると厚すぎないコーティングが行なえます。シューーーーーーーー…というイメージです。厚すぎるとギトギトになるので初めて試す際には直接行わず、他の素体で試してから行うといいです。

乾燥するまでには1〜2時間程度かかりますので触らないように注意します。(完全に乾燥するまでには3日〜1週間程度かかるらしいです)

またトップコート後も再度塗ることもできますので、塗り漏れがある場合などもご安心ください。

コツ的な

白塗料を塗るには

白塗料は隠蔽力が低い塗料が多く、下地の色がなかなか隠れない事が多いです。そこで完全に白く塗りたい場合は、ガイアノーツのアルティメットホワイトを使うと、綺麗に白く塗ることができます。

終わりに

大体一つのガン消しを塗るのに筆塗りであれば色数の多さや、造形の細かさにもよりますが8〜10時間程度はかかります。
エアブラシを使う際はマスキングテープを貼り付ける作業が工数の9割以上、吹くのが1割以下かかり、また皆さんはどうされているかわかりませんが、マスキングで一度塗った塗膜面を覆うと、剥がす際に塗膜が剥がれることがあり、トップコートまで行って1箇所終えるようにしています。それもあり、ゆるゆる作業をすると2週間程度かかってしまいます。

いかがでしたか?
これからガン消しのリペイントをやりたいと思っている方の参考になりましたら幸いです!

※ ちなみに部屋で行うと匂いは結構充満してキツイので、窓を空けながら換気をして作業をするといいです。


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