夢・八

こんな夢をみた。

湯治場のお座敷でみんなでご飯を食べている。

このお店は階段の中央部分に青竹のようなものが置いてある。

それも全ての段に。登り降りに難儀する店だ。

服飾学校の先輩が、アイデアに悩んでる。

「私はいままで自分の作った服って着たことないのよね」

「着てみたら?」

ご飯を食べているみんなのところへ戻り、

中年のご婦人の耳元で「妖精のようです」「プリンセスですね」と囁く。

大事なものは質のかたにとられてしまった。

お金に困ってこの湯治場で働くことになる。

出勤の時間なのに、間に合わない。

曲がるところを曲がらず、坂道を登り切る。

振り返ると江ノ島の海が見える丘にいた。

走ればまだ間に合うかな。

走った。

噴水のなかも、走った。

フェンスも越えて、走った。

走り続けた。


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