大谷選手の契約金の本当の価値とは?!
こんにちは！
英語脳を鍛えるコーチ
山口とうこです。
大谷翔平選手の前代未聞の契約内容に
連日ニュース番組が沸いていますが
小中学校と部活でソフトボールに明け暮れ
野球好きの両親に育てられた私も
ご多分に漏れず、興奮して見ております。
何と言っても10年間総額7億ドルは
「北米プロスポーツ史上最高額」ですから！
ところが、です。
金融や経済学を学んだ方なら
「あれ？」とお思いではないでしょうか？
あるいは、住宅ローンなどを組んでいらっしゃる方も
感覚的にお分かりになるかもしれません。
長期間にわたり超低金利政策がとられている
日本ではあまりピンとこなくなっているのですが
例えば、銀行にドルを預ければ
今なら1年で4％くらいはつくと思います
つまり、100ドルあずければ1年後には
104ドルで返ってくるわけです
今回の大谷翔平選手の契約では
2034年から6,800万ドルが10年間
支払われることになっているわけですが
これは、例えば今もらったお金を
銀行に預けていたとして
10年後に6,800万ドルになっている
ということと同じことです
つまり、さきほどの100ドルで考えると
1年後に100ドルを持っているためには
現在価値は96ドルということになります
今すぐにもらう100ドルに対し
1年後にもらう100ドルの現在価値は
96ドルなのですから
現在価値同士で比べると
4ドル分を損していることになります
大谷翔平選手の場合で言うと
例えば金利5％で毎年運用できたとすると
10年後の6,800万ドルの
現在価値は3,976万ドル！！！
実に、2,824万ドル目減り
していることになります
割引率をどれくらいに置くかで
変わってきますが
本日ご紹介する
National Public Radio(NPR)のニュースでは
今回の契約の正味現在価値は
4億5,000万ドルと試算しています。
用語集を参考にして
音声とTranscriptを参照して
聞き読みしてみてください！
用語集：
deferred（繰り延べされた）
bargaining（交渉）
net present value（正味現在価値）
endorsements（エンドースメント契約）
in mind（念頭に置いて）
音声とTranscriptがリンク先にありますので
ぜひ聞いてみて下さい。
さて、紛らわしいですが
より正確に理解するためには
7,000万ドルを10年間受け取る場合も
現在価値を考える必要があります。
両方を比べると
割引率(discount rate)を5％においた場合で
両者の差額は2億600万ドルということになります。
チャートで比べて見ても
その差は歴然としてますね！
大谷選手、太っ腹です！
参照記事はこちら▽
※山口桐子（ヤマグチトウコ）
英語脳を鍛えるコーチ。
ファンドマネージャーとして
米金融機関で日本株を16年間運用。
家族の転勤に伴い退職後、
2016年より現在まで翻訳家として
MITテクノロジーレビューや
ハーバードビジネスレビュー
の記事を翻訳するかたわら、
翻訳家として培った多聴多読多書多話で
英語力を向上する講座を開講。
初心者からビジネスパーソンまで
多くの生徒をサポート。
多読100万語通過する生徒が
続出する講座運営。