共生革命家・ソーヤー海の子育て論

4月7日夜、戸塚の善了寺で辻信一さんとソーヤー海くんのトークを聞いてきました。辻さんの亡き母の回顧展の最終日、テーマは「死と生」でした。

冒頭に海くんから、会場のみんなに質問がありました。

「生きること」って何だと思いますか?

というものでした。
数人の回答を聞きながら、僕はこんなことを考えていました。

シンプルに言うと「死ぬまでの時間を過ごすこと」かな。
寿命まで生きるかもしれないし、
病気になるかもしれないし、
不慮の事故で今日の帰りに死んでしまうかもしれない。
だから、その限られた時間を大事に生きる。
可能なかぎり、丁寧に、穏やかに、楽しく過ごす。

以下、海くんの話したメモです。

「いのち」の世界で暮らす

長い間、彼女との間で、子どもが欲しい、欲しくないという話が続いていた。僕は子どもが欲しいけど、彼女は欲しくない。子どもが欲しいことも、パートナーシップも、どっちも大事。

当時、彼女自身の体調が悪いこともあり、彼女が健康で過ごせることを優先した。すると、しだいに彼女の意識が変わり始めた。千葉県いすみ市に移住して自然に囲まれ、あふれる「いのち」を実感するようになった。

そして5軒の長屋には、子どもがたくさんいて、今は大人が9名、子どもが9名という環境。日常の暮らしで、子どもの話が多く出るし、なかには「3人目どうしようかな?」という人もいる。そういう日々を過ごすうちに、彼女の意識も「子どもがいる暮らしが当たり前」と変化してきた。やっぱり、暮らす環境がすごく重要。

現代の都市文明は「殺す」文化になっている。殺虫剤、除菌グッズ、薬用石鹸など、自然界に存在するものを敵とみなして「死の文明」をつくってしまった。逆に、田舎は「いのちの誕生」がベースにある。田舎にいると「いのち」のお祝いが毎日ある。カエルの声、鳥のさえずり等。そういう環境に身を置いていると、僕は「この星にお祝いしにきた」ことを思い出す。

それが自分にとって「生きること」のひとつ。生きる目的は、いのちを祝福するため。生態系の一部として生きる。全体を構成するなかで、自分の役割を知って生きる。いのちの繋がりを感じていると、始まりと終わりのない世界が見えてくる。区切ることに意味を感じなくなってきた。あなたとわたしの境界線があいまいになる。肉体がなくなっても、存在は生き続ける。

また、調味料や牛乳などがないときに、隣の人に声をかけて分けてもらう。近所の人に何か助けてもらえる安心感。都会はコンビニやスーパーに支えられている。繋がりから生まれる自然な思いやりが大事だけど、それがない孤立した社会になってる。レジの人と会話しないことが当たり前。人と人の関係がおかしくなっている。

日々、「生きること」について考える。自分の心の中の「いのち」に水をやるのか、政治や制度を批判することに水をやるのか? 都会には見える自然が少ない。コンクリートのビル、アスファルトのすき間の雑草。「自然」よりも「お金」を大事にする社会。それを社会や国レベルでやると、その先には「死」しかない。

My life is my message.  というガンジーの言葉が好き。「私の人生が私のメッセージ」という意味。子どもをどういう世界に招待するのか?

活動家の子育て

京都北部で暮らすシングルマザーが、「子づくりばかりせんと、子育てしいや」と言っていた。活動家は、いつも新しいことを始めるけど、それを丁寧に育てて続けることが少ないという皮肉なのだ。男性は、どうしてもそういう傾向がある。例えば子どもを持つとしても、男は外に出て、子どものことを忘れることができる。けれども女である母は、24時間、子どもと過ごす。お母さんは、一度なったら途中でやめることができない。男と違って、それが人生そのものになる。

たくさんの活動家の子育てを見てきた。各地を飛び回っていて家にいないので、家庭の平和が得られていないケースが多い。子どもが大きくなったら、軍隊に入る例もあっていったい何をしているんだろうと思う。

子どもとどう過ごすか、妻とどう過ごすか、妊婦さんにどう共感するか、そういうことがすごく大事。男は子どもから離れられるが、女は24時間つきっきりになる。そして、母乳が足りないときに、ミルクをあげるかあげないか、あげるなら、どのメーカーのミルクにするか等、日々の選択に迫られている。

今は専業の「お父さん」をしている。月に一度、都内に出てイベントに出るくらい。でも一般的な会社員はそれができない。お父さんが子育てに関われないのは社会問題。都会は子どもと女性が排除される空間になっている。効率的な経済活動をするために、しかたない? 根本的に仕組みを変えるは難しい。子どもは瞬間瞬間に育っていくので、できるだけ一緒にいられることが大事。

正しさよりも、優しさを

今はプレッシャーや恐れを原動力にしている社会。親になるというプレッシャーが大きい。でも、子どもは社会の宝だから、みんなでお祝いして、みんなで育てればいい。

世の中は、自分や会社の利益をいかに増やすかを考えている。そうではなく、思いやりと優しさの社会へ。ニーズを大事にしたい。みんなが豊かになる世界を目指したい。それは日々の小さなアクションで可能。

優しさの実験をやってみよう!

例えば、妊婦さんを見かけたら微笑んでみる。すると、自分の心が変わっていく。誰かに席を譲るときに頭で考えた正しさからではなく、心からの優しさと思いやりで行なう。そういう自分の心を育てたい。自分より高齢な人や妊婦さんが目の前に現れたときに、そのチャンスを活かすかどうか、それは優しさの世界への「招待状」だと考えてみよう。受けるか受けないかは、そのときの気分でいい。疲れていたら、その招待は見送ってもいい。

もしくは、何かを盗むのと反対のことで、誰かに勝手にものをあげて、すぐ逃げるのもいい。本当は、気づかれずに親切にできれば最高。これは「恩送り」のゲーム。

何が正しいかは、人それぞれだから、「正しい」ことではなく、「優しさ」を育てよう。他者に優しくすると、自分にも優しくなれる。自分が席を譲ったときは、次はあなたの番ですよって周りの人に優しさの世界へ「招待」している。いつでも参加できるけど、参加しなくてもいい。そんな「席譲りゲーム」に君も参加してみない?


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

ありがとうございます。よかったらシェアや投げ銭もお願いします!
8

Gift Economy

ギフトエコノミーとは、自ら進んで与えることを前提に成立する経済のことです。需給関係で価格が決まり、貨幣の支払いと引き換えにモノやサービスが提供される市場経済とは異なり、ギフトエコノミーは、お互いの善意と信頼関係で成り立ちます。ギフトに対して直接の見返りを期待するのではなく、...
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。