『むらさきのスカートの女』の感想
『むらさきのスカートの女』を読んだ。こういう「語り手がある誰かについて詳細に語っていくうちに、むしろ語り手の側のおかしさが浮き彫りになっていく」みたいな本を他にもいくつか最近読んだ気がしていて、たしか『エドウィン・マルハウス』もそんな感じだったと思うのだけれど、この『むらさきのスカートの女』はそれがじわじわ浮き彫りになるというレベルでもなく、初っ端から語り手の方の異常さが全開で示されていくのが面白い。主人公に関する情報が直接的に描写されることは終始ほぼないのだけれど、なんでお