「嫌いは 心を きつく縛っちゃうから固結びで
好きは 心を 軽やかにしてくれるから
蝶々結び。
感情と付き合う思考は そんな風に使いたいな。」

そんな事を 彼女は 口にした。
あの頃
ふわふわした事ばっかり言ってる彼女を
軽蔑していた。
現実は そんなに甘くないって
力強く 思っていた。
だけど今になって 少しわかる気がする。
真っ向から
向き合い続けることは 正義なんかじゃない。

忘れられない事は 忘れられなくていい。
今を軽やかに 生きれる術を知ることが大事なんだ。

あの柔らかさに 今さら 救われて
今さら 締め付けられた。
大切なものは 失って気づくんじゃなく
失って気づいたものが 大切なんだとするなら

彼女が最後にくれた贈り物。
失って気づいた大切なものを
ちゃんと育てていける事が
最期の愛し方なんだ。