右耳の折れた猫

右耳の折れた猫

nozomitokuhisa
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右耳の折れた猫と
壊れかけのオフィス街
真夜中のサイレン
何を追いかける

思い切り漕いだブランコ
空を駆けるスニーカー
下校のチャイムで
どこへでも行けた


疲れても寝つけずに
人の声が聞きたくて
つけたままのテレビ
いつの間にか
はじまったニュース番組
目覚ましが連れてくる 今日の次の日
嘆いてばかりで 何を変えるつもりだ

とりあえず 顔を洗おう
それは 昨日もやった事だ
でも それでもいい
革命は 忘れられた一歩からはじまる
誰かの言葉に ヒントを探して
時計のハリの上で周回遅れだ

望んだように 世界は回らない
そんな事は諦めの良い奴らの言い訳
中年太りで支えあった思想に
大人の事情は 聞き飽きた戯言
なにかひとつを 成し遂げる為に
遠く長いジンセイは 一瞬のきらめき

右耳の折れた猫と
壊れかけのオフィス街
真夜中のサイレン
何を追いかける

思い切り漕いだブランコ
空を駆けるスニーカー
下校のチャイムで
どこへでも行けた

遠くの方では 天の川が流れる
誰かが唱えた羊の群れが行く
離れていても 人は 人を 想いあい
支えあって 暮らしていくものだ

孤独を背負い 生まれた星で
孤独の中では 生きれない星で
離れていても 人は 人を 想いあい
支えあって 暮らしていくものだ

君がいない未来を 産む為に
君は毎日苦しみを続けている
最後のまばたきがすべらせた世界は
どれほど美しい
そうして 今 踏み出すその一歩は
どれほど素晴らしいものなんだろ


右耳の折れた猫と
壊れかけのオフィス街
真夜中のサイレン
何を追いかける

思い切り漕いだブランコ
空を駆けるスニーカー
下校のチャイムで
どこへでも行けた #詩 #小説 #朗読 #poetryreading

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