「朝の作り方」

朝の作り方くらい
残しておいてくれたら よかったのに

おかげで トンチンカンな夜を クレヨンで塗って
って
ほら最後の一色が粉になった
お揃いだったカップにまぶして
ミルクで 溶かせば
なんとなくそれっぽいけど なんか 違う
大さじも 小さじ も もっていくなんて
よっぽど ぬかりない 泥棒に違いない

おはよう から おやすみ へ
おやすみ から おはよう へ

つけっぱなしの テレビが垂れ流すコマーシャル
簡単そうに見える事にかぎって
どうして こうも ひとりじゃ 成り立たない。

こんな時に
忘れ物の傘は ちっとも役に立たないし
そもそも 未来予想は はずれてばかりだ
ロマンチスト がうつって 微熱が続く
薬局いかなきゃ
えくぼ 市販で売ってるかなぁ
ローンは 困ります
って
持ち合わせ 全部もっていかれた挙句
残ったもの が 涙 だけ
カートにいれた覚えもない

おはよう おやすみ

ちょっと待って 急かさないで
やるべきことが やりたいことに
変わるの を 待ってるんだから
大丈夫
忘れ物をするのは 得意さ
まるで 家族みたいに
そこらへんは 似てるね って
よく 茶化しあったの 忘れてないだろ
ってほらまたこんなところにも忘れ物
肝心なものを 盗っていかないんだから
よっぽど 憎めない 泥棒に 違いない。

朝の作り方くらい
残しておいてくれたらよかったのに

カフェオレ だんだん似ていくような気もするけど
ほら 似れば 似るほどに
ぽっかり と 空白
おかしいなぁ 時間が 全て解決してくれるよって
前に言ってなかったっけ？
もしかしたら
時間が逆行しているのかもしれない
だとしたら
もうすぐ会えるのかもしれない
こんな不確かなモノの中で確かに
君がくれたモノで
今日も 僕は 出来上がっていく
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