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若者のFacebook離れ

若者のFacebook離れが深刻化しています。
一時代を築き上げ、海外ではほとんどの人が登録していたと言われるFacebook。
しかし、現代社会では若者のほとんどはinstagramや Twitter、TikTokなどに流れています。
Facebook離れがなぜ深刻化したのか、その理由について今回は見ていきます。

話とは別ですが本日朝に、facebookがサービスを「meta」に変更しました。



Facebookとは

そもそもFacebookとはSNSのひとつで、映画「ソーシャルネットワーク」でも描かれていたように、マークザッカーバーグが大学生の時に開発したものです。
元々は大学生の交流の場として作られたFacebookは、そこからどんどん広がり、世界中で利用されるようになりました。
Facebookは匿名での登録ができず、原則実名で登録しなければならないために、他のSNSとは一線を画します。
また、学歴などを登録するフォームがあり、今住んでいるところや自分が独身か、独身でないかについても記述できます。
こういった自分自身の情報を登録することで、中学時代の友人や会社の同僚など、自分が知っているひとと繋がることができるという良さがあります。
通常、他のSNSでは匿名で登録することが多いため、リアルな友人と繋がりにくくなっています。
もちろんinstagramでは自分の名前で登録している人も多いのですが、Facebookに比べると自分の情報を登録する部分が少ないために、どちらかといえば実際に会った時に「instagramやってる?」という会話から交換することが多いように思われます。
その点、Facebookでは実名登録しているために検索がかけやすく、また、友人が繋がっているひとが共通の友人である場合には、そこからたどって繋がることができるため、その交友は広がりやすいものとなっています。


Facebookの特徴

ではFacebookではどのような投稿ができるのかについて見ていきましょう。
Facebookではテキスト欄が長いことが特徴のひとつです。
もちろん写真や動画なども載せることができますが、Facebookではテキストだけを載せることもできます。
Twitterと違い短い140字という制限がないので、自分の思いの丈を隅々まで表現することができ、繋がっているひとには自分が何を考えていて、どんな意見を持っているのかについて伝わりやすい仕組みになっています。
こういった仕組みを使って、企業や政治家などのひとびとが、自分の商品を宣伝したり、意見を表明したりしています。

Facebookでは既婚などの設定ができるということを前述しましたが、これも他にはない機能です。
交際中や婚約中、既婚など細かい設定までできるのです。
これにより、Facebookで出会った人々は、相手がフリーなのかを確かめることができます。
元々マッチングアプリ系のSNSとしてはじまったFacebookらしい面だと言えます。
またそれだけでなく、誰と交際中なのか誰と婚約しているのかを公表することもできます。
Facebookをお互いやっている場合は、相手に承認リクエストを送り承諾された場合には、お互いをパートナーとして公表できます。
こういった面から考えると、Facebookはかなり公のSNSであると言えるでしょう。
自分のステータスを公表することで、他の人とつながるということは個人情報を積極的に開示するということでもあります。
自分自身がどんな人間でありどんな生い立ちかを公表した上でひとと繋がることで、相手に自分を知ってもらえます。
そして確かな情報を教えることで、ブロックしたり簡単にフォローを外すような不安定な人間関係ではなく、実際の人間関係にも反映できるような繋がりができるのです。


なぜ現代はFacebookではないのか?

しかし、こういったFacebookから離れているのが現代の若者です。
現代の若者は自分の学歴や自分のステータスを公表するということに抵抗を示し始めているのではないかと推測できます。
もちろんSNS上でも仲良くなったひとには、どこに住んでいるか、どこの大学に通っているかなど教えることもありますが、現代では相手に自分の情報を知られることでトラブルも招きます。
現在通っている学校を公表したり、職業を公表することでフォロワーを獲得するひとびともいますが、現代で重視されているのは「誰が発信しているのか」ではなく、「何を発信しているのか」のことの方が重視されているように感じます。
匿名で歌を歌うAdoや仮面を被ったYouTuberラファエルなどに代表されるように、匿名で発信するひとびとが人気になっているのも現代です。
また「春を告げる」がヒットした仮面をかぶって歌うyamaは、年齢・出身地・素顔は非公開です。
こういった現代で流行しているインフルエンサーから見ても、自分自身の情報を公開するということに対して抵抗とまではいかなくても、必要性を感じていないひとびとが多いように感じます。
こういったことからも前述したように、誰が発信しているかよりも、どんな音楽を作るのか、どんな映像を作るのか、どんな写真やテキストを発信するかの方が重要で、作品の発信としてSNSを使うひとびとが増えていることを示していると思われます。
友達づくりという面ではLINEが使われることが多く、メッセージアプリで連絡を取り、SNSでは自分が発信したいことを全世界の対複数に発信し、つながるというよりも評価してもらう。
そして自分も評価することで、リアルな人間関係とは違うSNS上の新しい関係性を作っていく。
そんな風にSNSを使っているひとが多いように感じます。

また、自分にパートナーがいるかどうかについて公表したくないというひとも多いはずです。
現代では多様な性の価値観があり、LGBTQ+といった言葉もあるように単純な「交際中」「結婚」といった言葉ではくくれない関係性が増えています。
複数のパートナーがいるひともいれば、パートナーの性別を公表したくないひともおり、シングルであることがよくないという考え方自体も古い価値観となってきています。
そういった多様性がFacebookとは合わなくなっているのではないかと推測できます。


まとめ

Facebook離れについて、Facebookの特徴が現代社会と合わなくなっている部分について見てきました。
SNSは今や自分の情報を発信するものではなく、自分の作品を発信するものと変わってきているように思われます。
もちろん政治的な発信やフェミニズム、LGBTQ+について発信するひとも多くいますが、そういったひとびとも必ずしも全員が実名であるかといえばそうではなく、匿名であってもアイコン化しているひとも多くいます。
TikTokでは高校名やパートナーとの生活を発信する人も居ますが、それも自分自身が「切り取った」生活を発信しているのです。
Facebookとの大きな違いは、Facebookではすべての情報を発信していますが、他のSNSでは公表したいこととしたくないことを取捨選択できることだと言えるでしょう。

Facebookはアジア圏ではもちろん日本では特に頭打ちのSNSとなっています。
現代の若者は個人で繋がる場合はLINEを使い、テキストではTwitter、画像ではinstagram、動画ではTikTokと使い分けを行なっています。
包括的なSNSであったFacebookが古くなってきていると言わざるを得ないのかもしれません。
新しいSNSの登場も予想される現代では、Facebookのように一時代を築く新たなSNSが出てくるかもしれませんね。

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