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【アークナイツ】『塵影に交わる残響』のシナリオを読んだ感想

※アークナイツシナリオ『塵影に交わる残響』についてのネタバレがあるので注意!

ドッソレスホリデーや空想の花庭など、いくつかのサイドストーリーで「リタ―ニア」という国の名前が少しだけ登場していたのでリタ―ニアという国が非常に気になっていたのだが、このたびちょうどリタ―ニアのイベントが復刻していたので早速やってみた。今回はそのシナリオを読んだ感想を書いていこうと思う。

今回のイベントはエーベンホルツとクライデという2人の若者の交流が中心となって描かれる。若干BLっぽさもあるしSNSなどで「エベクラ」「クラエベ」と検索するとそのようなイラストも散見されるが、BL趣味のない自分でも2人の友情が尊く感じられるような話となっている。こういった軽めの交流を描くものをBLと呼ぶかわからないが、自分としてはこの距離感は結構好き(このくらいの温度感のBLがあるならちょっと読んでみたい)。

2人の関係性はとりあえず置いておいて、やはり今回の話で一番興味を引いたのは「塵界の音」と「巫王」の話である。「塵界の音」はともかく「巫王」については以前読んだ『孤星』でも話の中で少しだけ出てきた気がする。

巫王の作り出した旋律の一系列が「塵界の音」のようだが、具体的に何なのかは明かされなかったと思う(自分が読み飛ばしてないのであれば)。エーベンホルツが「塵界の音」を植え付けられるシーンはあったけど、部屋が白いこと以外は特にわからなかった。描写的に手術室のようなところで植え付けられたとは思うけど、どういったやり方で塵界の音を植え付けたんだろうか?

ちなみに自分はこの手術っぽい描写でイフリータを思い出した。イフリータの手術は漫画の『ロドス・オリジニウムレコード ライン生命』で描かれていたけど、その漫画の中でイフリータへの手術として結合療法という手術法がパルヴィスによって提案されていた。結合療法とは処理を施したオリジニウムのかけらを体内に埋め込み、その上で特殊な薬剤を注射し体内にある病巣周辺のオリジニウムへ吸着させることで、結果として体内のオリジニウムの拡散を防ぐことができるという手術方法である。

イフリータの場合はパルヴィスが結合療法をするという建前で実は炎魔のかけらをイフリータに埋め込んでいたという展開になるが、もしかするとエーベンホルツやクライデにも炎魔のかけら的なものが体内に埋め込まれたのかもしれない。エーベンホルツの場合は巫王本人と思わしき声が実際に聞こえていたと思われるので、それ自体が巫王と関係がありそうだ。エーベンホルツたちに埋め込まれていたものが炎魔のかけら的なものであるならば、それらの物質の出どころも同じところにありそうな気がする(少なくとも仕組みが一緒ではありそう)。

ただこの炎魔のかけらと似ている説は穴がある気もしてきた。巫王の血族でないと「塵界の音」が伝承できないという設定がある以上、誰に注入しても一定確率で成功しそうな「炎魔のかけら」とはまた違うような気がする(炎魔のかけらにも埋め込んで耐えるためには血が大事みたいな設定ってあったっけ?)。

漫画の内容の細かいところ覚えていない上にメモも取っていないので炎魔のかけらについては完全に忘れてしまった。孤星でも「炎魔のかけら」という用語が出てきたような気もするし、でてこなかったような気もする。当時は様々な作中知識自体がなかったので読み逃してる点が多すぎる。孤星はともかくとして漫画くらいは近いうちに読み返そうかなと思う(もしかしたらもうすでにいろいろ明らかになっている可能性もある)。

あと気になったのはゲルトルーデの背後にいた人物である。巫王の残党に加担する勢力が存在するという謎を残しこの話は終わった。双子の女帝に対抗していることだけはわかったが、それ以外の情報は全く出ていなかったと思う。

関係があるかはわからないが、ドッソレスホリデーにおいて暗躍していたパンチョがリタ―ニアから援助を受けていたかもしれないとほのめかされるシーンがあった(カンデラが推察するところ)。もしかするとパンチョを支援していた勢力も巫王復権派の誰かなんだろうか?

「現在いろんな国権力を持っているの偉い人」VS「巫王復権派」にした方が構図的にわかりやすいかなと思ったのでそのように想像したが、実際はパンチョへの援助は「双子の女帝派」からの可能性もあるので現時点では完全に妄想に過ぎない。でも謎の巫王復権派勢力が存在しているという謎を残して終わったのでそのくらい関わってきてもおかしくないとは思う。

他にもアルトリアが登場したり、ハイビスカスが健康食(メシマズ)だったりと面白いシーンはあったし、おじいさんの意外な正体にも驚いた。分量は多かったけど考察要素や作劇的に面白い点が詰まっていて非常に満足なサイドストーリーだったと思う。ますますアークナイツ世界に引き込まれた感じがする。

次は『遺塵の道を』かメインストーリーでも読もうかと思うが、思い付きで読むことが多いので実際は何を読むかはわからない(特殊行動記録も全然読んでないので近いうちに読みたい)。

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