ターゲットは「ママ」と一言で定義して思考停止していないか?
今年参加したウーマンズインサイトアジェンダのインサイトに関するセッションのメモを発掘したので、こちらにもシェアしておきます。
個人的にも、つい「女性」とか「ママ」という単語で思考停止していることがあるな、と反省させられるセッションでした。
テンポの速いセッションで、メモが追いつかなかったので、漏れや間違いがある可能性があります。ご容赦下さい。
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ファミリー層を捉えるために、「ママ」のインサイトを掴もう
・横手 弘宣 ライオン株式会社
・長澤 朋子 日産自動車
・市橋 邦弘 株式会社フェリシモ
・岩崎 那歩 ライフネット生命保険株式会社
■4人ともブランドだけど、価格帯や購入サイクルは全く違う
同じ1人の人間に対して、どういうアプローチの違いがあるのか
■問題意識
1・価値観が多様化
一言でママって、一体誰のこと?
2・SNSの浸透・メディアの多様化
1人のママの発言が社会を大きく動かすことも
3・共働きが当たり前化
専業と有職へのアプローチをどう考える?
■ママとはどんな存在?
・インサイトとはお客さんは自分で気づいてないのではないか
・出産によってママになる?
このタイミングで生命保険を検討することが多い
・車においては、これまでは男性が前面に出ていた。
でも決定権は実はママが握っているのではないか。
■ママをターゲットと捉え
マーケティングを実践する上で重要なポイントは?
■フェリシモ事例
・レジカゴリュック
リュックにもなるレジカゴ用バッグ
・レジカゴリュックがあるとき/ないとき
顧客は今はニーズに気がついてないけど、気がついてもらえれば共感してもらえる
・ママの生活シーンは多様で、いろんな悩みがある
フェリシモではママの生活シーンをマップにして議論をしている
みんなが思っているママが違うので、意識を揃える
・戦略的ターゲットを言語化
ターゲットでは無い人を明確にする
想像で議論しているとあぶないところは一次情報にあたる
ターゲットの人数とか良い悪いとかよりも、どういう価値観のママなのかを明確にすることが大事。
・WHO/WHAT/HOW をつめる
・カテゴリーに展開
・仮説を元にグループインタビューにかける
アンケート的なものは信用できないことが多いので、直接お客さんに聞いてみることを重視。
傾向としては定量よりも定性を重視
(機能性だけで商品をブランディングせず、シーンを思い起こさせるブランドづくり、ウェブづくりをしている)
■ライフネット生命事例
・1.ママ向け医療保険訴求キャンペーン
まだうまくいっていない事例としてご紹介
・アドネットワークによってママをターゲットで実施。
読料率は上がったが、アクション率や見積にはつながらなかった。
ママをひとくくりにしたことにより、自分事化させられなかった。
・リサーチもリサーチ会社を入れたり既存顧客のアンケートを取ったりはしていた
・2.シンママ向けインタラクティブ動画
上記の事例の際に文字が多いと読みたくないというフィードバックが多かったので、動画を取り入る。
・気になるインタビューを見て、コメントが出たところで詳細を見える仕組み
アクション率や見積率は上がったが、申込にはつながらなかった
・3.ワーママ向け動画+TU記事訴求
分散型のメディアを活用し、動画で自分事化したあとに、記事でより深掘り。
現在検証中
■日産自動車事例
・セレナ事例
・家族のスタイルについて、社内で調査等も活用しながらディスカッションを進めた。
ママが主導権を握ることもある点に着目。
・ルークス事例
・クルマの運転が苦手の感じる女性も多くいることをヒントに。苦手を楽しく乗り越える、苦手と感じるカスタマーの声を大切にした企画を実施。
■ライオン事例
・安全歯ブラシ
機能としての安全をメインでアピールしないカタチでのコミュニケーションにトライした
■どの事例も、「ママ」と一言で終わっていないのがポイントではないか
■どのような視点・方法で、リサーチやインサイト探索されていますか?
・グループインタビュー等でも、必ず現場に行って見るようにする。
紙のレポートでは伝わらないことが多い
・自動車でも、定量、定性両方の調査を活用している
■コールセンターのフィードバックは一大事の時のものが中心になりがち、もう少し気軽なお客さんの声をどうすれば良いか
・ソーシャルリスニングで、SNSだけでなく、クチコミ掲示板の投稿も見るようにはしている
・ソーシャルリスニングもしてるけど、本当に大事なのはママの井戸端会議のはず。
■社内でママ向けの企画をどう進めるか
・若い女性社員が産休・育休明けに自分が当事者になったことで、ママ向けの企画に目覚めることも多い。そういう人の視点は大事にするべき。
・ママってこうだよね、という決めつけを企業視点でしがちだけど、これは危険
・男性目線だと気がつかないことは多いので、ママ向けの企画をするなら当事者視点は必須。
・社員にママとしてもどう?と聞くのは、ケースとしてワークしないこともあるかと思う。ママの価値観も様々であるので画一的ではない、という意識をもっている。
■データをどう活かすか
・リサーチはあくまでも道具。
お客様にとって一番何が良いかというのは送り手側から考えるのは限界がある。
・インターネット上の行動ログにヒントがあるはず
1人1人がウェブサイトでどういう行動をしているかを見ることを大事にしている
・お客様が自分のニーズを言語化できないことが多いので、言葉を言い直したりして整理することが意外に大事。
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このブログはブレストのための公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら、是非ツイッター等でシェアしていただければ幸いです。