二人のアルファブロガーとの永遠の別れと、最後の記事から受け取ったものへの感謝

この思いをどのように書き始めるか悩み続けて、もう1ヶ月近くが過ぎようとしています。

11月に、私が尊敬する二人のブロガーが、まるでタイミングを合わせるかのように、あいついでお亡くなりになりました。

11月21日に田中善一郎さんが11月14日にお亡くなりになっていたという訃報を聞き、お世話になったブロガーとして何か書かなきゃと悶々としていたところ、今度は11月24日に大西宏さんが11月23日にお亡くなりなったという訃報が飛び込んできて・・・
本当に言葉を失いました。

この記事は、それから何となく何を書けば良いのか分からず、書いてはやめ、書いてはやめてと、手が止まってしまい、ずっと下書きに残っていたものですが。
今日で田中善一郎さんの命日からもう1ヶ月になってしまうので、勇気を出して公開することにします。


日本で2003年頃から始まるブログブームの過程において、田中善一郎さんの「メディア・パブ」と、大西宏さんの「大西宏のマーケティング・エッセンス」の2つのブログは、マーケティングとメディアの2つの分野に特に興味があった私自身、毎日のように尊敬の念や憧れを抱きながら読ませて頂いていたブログです。

今、この2018年において、お二人をアルファブロガーと呼ぶことが適切かどうか正直分かりませんが、あえてタイトルで敬意を込めてアルファブロガーと書かせて頂きました。

2004年当時、ベンチャー会社の1サラリーマンとして、個人が自分の専門知識をブログで綴ってくれてそれを直接読めるというブログの革命に感動した私は。
いわゆる芸能人ブログの日記の人気ランキングではなく、そういう個人の仕事に役立つブログをたくさん読みたくて、「アルファブロガーを探せ」という投票企画を企画しました。

お二人のブログは、その投票企画で2005年と2006年にそれぞれアルファブロガーに選ばれています。

これは、投票企画後にお二人にお会いしてから初めて知ったことですが、メディアパブの田中善一郎さんは、日経BPのネットメディアをリードしていたまさにメディアのプロ。
大西宏さんは大手広告代理店出身でマーケティングのコンサルもされているマーケティングのプロ。

そんな人達のプロの視点を、毎日のように無料で読ませてもらえるなんて、なんて凄いことなんだろうとしみじみ感じたことをよく覚えています。

ほぼ15年も前のことですからね。
若い世代の方にとっては信じられないかも知れませんが、当時はまだまだメディア企業の記者や広告代理店の社員は、ブログとかネットで情報発信することを良しとされていない時代。

ブログを暗黙のうちに禁止されていた会社の方が、多いくらいの時代だったと思います。
お二人のようなプロのメディアマン、プロのマーケターによる情報発信は、まだまだ珍しく、本当に貴重だったんです。

どちらかというと当時のブログを書いている人には、いわゆるネット系企業の人が多かった中で。
大企業出身のお二人のブログは、NTT出身の私にとっても重要な道しるべとなるブログでした。

その後、私がアジャイルメディア・ネットワークに移り、パートナーブログのネットワークを作っていった過程でも、お二人には協力を快諾頂き、数少ないながらもお会いする機会があるごとに、いろいろとアドバイスを頂いたことを良く覚えています。

あれから10年以上がたち、アルファブロガーという言葉自体も当初イメージしていた言葉から少し離れてしまいましたし。
ブログ業界も芸能人ブログが話題の中心となり、ステマ騒動や様々な炎上騒動、さらには極めつけのWELQ騒動を基点にした騒動やフェイクニュース問題と、15年前に私が期待していた個人情報発信の理想の世界は残念ながらやってこず。

いつしか私は個人の情報発信の可能性の限界に、諦めを感じてしまっていたように思います。

今年に入り、福岡での痛ましいHagexさんの事件が起こってしまい、私の悲観論は頂点に達し。
さらには百式の田口さんが、18年の百式連続更新の歴史に幕を閉じるという決断をされ、今年は平成最後の年として本当に1つの時代の区切りなんだなぁと感じていたところに。
今回のお二人の訃報を聞いて、大袈裟ですが、正直、運命的なものを感じざるをえませんでした。


ただ、そんな中で、お二人のブログをあらためて見ていて、背中を叩かれた思いになったのが。
お二人ともが、亡くなられる前の月までブログを更新されていたという事実。

田中さんの、この最後の記事も凄いですよね。
亡くなられる1ヶ月前の記事ということになりますが、普通のメディアの海外メディア動向記事よりはるかに詳しく、フェイスブックに依存するパブリッシャーの問題点を指摘しています。

私自身、10月にこの記事はFacebook経由で読んでいて、田中さん相変わらず切れ味鋭いな、とか呑気なことを思っていたのをよく覚えています。

大西さんの最後の記事も10月。
アップルTVでの写真と音楽の楽しみ方のレビューと、黒川ダリア園での素晴らしいダリアとコスモスのアルバムが掲載されています。
(flickrのキャプチャをヘッダー画像に使わせていただきました。)

11月にご家族の方が代わりにブログを更新し、大西さんに代わって感謝の言葉を投稿されているのも本当に印象的でした。

お二人とも闘病生活を続けられながらも、ブログを更新し続けておられたということなのでしょう。


恥ずかしながら、そこで、今更ふと気がついたんですが。

これこそが、ブログの魅力であり素晴らしさなんですよね。
私はブログはコピーロボットだと思っていますが。
まさにお二人のブログは、コピーロボットとして今も存分に働いてくれてるわけです。

お二人がブログの裏で、どれぐらい大変な闘病生活をされていたか私には皆目見当もつきませんが、それでもお二人の言葉は従来同様、ブログとネットを通じて私たちに届いていたわけで。
お二人が亡くなった今も、私たちはお二人の記事を書いた瞬間の思いを、生々しく受け取ることができるわけで。

ブログ界隈で、どんな変化がおころうとも、メディア業界全体でどんな騒動や問題が起ころうとも、1人1人のブログの意義とか価値は、実は全く変わってないんですよね。

私がついつい、一部での騒動や悪い出来事ばかりが目に入りすぎてしまって、ネガティブになりすぎているだけなんだなと。

そんなことに気がついたら。

「フェイクニュースが問題だとか、余計な心配してないで、お前はお前のブログを読んでくれる人に、読んで欲しいと思う記事を書けば良いだろ」
と。
「ブログに恩返しすると言ってたでしよ、余計なこと考えてないで、まずはブログ書きなよ」
と。

そんな風に、お二人に背中を叩かれた気持ちがしてしまいました。

ホント、たまたまなんですけど、お二人の訃報を聞く1ヶ月前にnoteにブログを移転して。
なんとなく過去記事をポツポツと試しに移転していたら、なんとなく昔のブログ書き始めた頃の気持ちが思い出されてきて。

そんな時に、お二人の訃報に直面して。
お二人が、亡くなる1ヶ月前までブログを更新していた事実に背中を押されて。
完全にブログ書くスイッチが入って。

この数年、あれだけブログの更新が滞っていた私が。
いつの間にやら70日間以上、ブログを更新してしまっていたりするわけです。


田中さん、大西さん。
やっぱりブログって、本当に楽しいですよね。
個人が情報発信できて、自分の思いを他の人に読んでもらえるって、凄いことですよね。

お二人に直接あらためての感謝をお伝えできなかったことを、本当に後悔していますし。
ブログに恩返しするとか偉そうに言っておいて、たいして何も達成できないまま、最後の最後までお二人の無言のアドバイスに背中を押されてるのも本当に恥ずかしい話なんですが。

私も、お二人のように、最後までブログを書き続けられるブロガーでありたいなと、心の底から思えるようになりました。

願わくば、お二人のように、このバトンを誰かにちゃんとつないでいけるブロガーになりたいなと思います。

本当にこの15年間いろいろとありがとうございました。
お二人とリアルタイムでブログのやりとりができて、本当に自分は幸せ者だったと思います。

あいかわらず口ばっかりで、何一つ約束を守れていない気がする私ですが、引き続き、ブログでご指導のほど、よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

この記事を読んで、支援したいなと思っていただいたみなさん、このブログはブレストのための公開メモみたいなものですので、金銭的な支援よりは、いいねやスキボタンを押していただいたり、SNSでシェアしていただいた方が筆者は喜びます。 是非リアクションをお願いします。

わざわざ、すいません(汗)
74

徳力の日々のブログ

徳力の日々の出来事の感想やメモ。 独り言です。
2つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。