ジャニーズの性加害問題に関する記事を書く関係でいろいろ調査していたら、こんな記事を見つけてしまい、どうしても気になったので、こちらにメモを書いておきます。

この記事のポイントは、ジャニーズの会見前にジュリー社長が退任するという報道が流れた際に、キンプリのファンの方々から悲痛な声が多数上がったというものです。
その中には「コレがもし1年前だったらキンプリ分裂なかった？」や「春に3人がキンプリ辞めた意味なくならん？」というものもあったとか。

ただ、時系列で今回の騒動を振り返ると、キンプリの分裂は決して無駄だったわけではなく、キンプリの分裂こそが、今回のジャニーズ事務所の問題を明るみにさらすための起点になったことが分かります。

■11月4日　キンプリから3人のメンバーが脱退し退所することが発表
参考：キンプリ3人脱退・退所発表にファン悲鳴「どうして？」「信じたくない」「さっきまでMステに…」

■11月13日　カウアン・オカモト氏がガーシー氏の生配信で、ジャニー喜多川氏の性加害について曝露。
参考：GaaSyy ✕ KAUAN OKAMOTO 緊急生配信 

■3月7日、18日　BBCドキュメンタリーが英国や世界で放送
参考：J-POPの捕食者　秘められたスキャンダル

■3月23日　週刊文春がジャニーズ性加害問題の報道を開始

■4月12日　カウアン・オカモト氏が顔出しで会見を実施
　メディアの報道があればジャニーズ入りは多分なかったというコメントをする。
参考：元ジャニーズＪｒ．、故ジャニー喜多川氏による性的被害を告発

■4月13日　大手メディアがようやく小さくではあるが、会見について報道　

■4月21日　ジャニーズ事務所が性加害について取引先企業に報告したことがスクープされる

■5月14日　ジャニーズ事務所がホームページで謝罪動画を公開

多くのメディアの報道では、ジャニー喜多川氏の性加害問題が注目されるようになったのは、2023年3月のBBCのドキュメンタリーということになっていますが、実はこの問題がネットで大きく注目されたのは2022年11月のカウアン・オカモト氏の生配信による曝露が起点です。

そして、カウアン・オカモト氏がこの曝露をしようと思ったのは、キンプリの分裂についての報道がきっかけだったと配信中にも、先日の記者会見でも明言されています。

また、実は3月のBBCのドキュメンタリーについては、多くの業界関係者が視聴はしたものの、それによって大手メディアが何かの行動に出るということはほぼありませんでした。

その後の週刊文春のキャンペーンがはじまっても、ネットメディア以外はほぼ追随せず。

大手メディアが動くのは、カウアン・オカモト氏が顔出しで会見を開いた4月12日がほぼ最初になるわけです。
しかも、その会見でカウアン・オカモト氏がこたえた「メディアの報道があればジャニーズ入りは多分なかった」という発言が、その後のメディア責任論に続く道を作り、ようやく大手メディアが徐々にジャニーズ事務所の性加害問題を報道するようになったわけです。

カウアン・オカモト氏はキンプリと同世代だそうで、キンプリのメンバー3人が退所するニュースを聞いた後にジョークでツイートをした結果が、ファンの怒りを招いた歴史もあるとか。

ある意味では、ジュリー藤島氏が、キンプリのメンバー3人を退所という選択をせざるを得ない状況に追い込み、グループが分裂するという結果を生み出したことが、カウアン・オカモト氏に事実を話す勇気を与え、今回のジャニー喜多川氏の数十年の犯罪を明らかにする結果につながったことになります。

当然、そんなことを言われても、キンプリファンの方からすれば、グループの分裂で傷ついた心は癒えないと思いますが。

キンプリの分裂があったからこそ、日本の芸能界の健全化が進む結果になったことになります。

キンプリのメンバー3人が勇気を出して退所という決断をしたことは、決して無駄ではなかったと言えます。
また、2人が退所せずに残ったことも、5人一致しての退所ではなく「分裂」という異常な状態を明確にカウアン・オカモト氏に伝えたという意味で、無駄ではなかったと言えるはずです。

今回のジャニー喜多川氏の性加害が明らかになり、ジャニーズ事務所とメディアの癒着が大きな問題になったことで、ジャニーズ事務所を退所したメンバーが在籍するメンバーとは一緒に番組に出れないという謎の忖度も業界から消えることになるはずです。

以前Yahooの記事にも書きましたが。

キンプリの5人のメンバーを再び、ファンが同じ舞台で応援できるようになる日は、想像以上に早く来るかもしれません。

なお、今日の13時から、ジャニーズ事務所との契約を広告主はどうするべきかというテーマを中心に雑談したいと思います。
タイミング合う方は是非ご参加下さい。