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ハリウッドのストライキは、脚本家の生成AIに対する危機意識が原因だった?

日本からみてると、ハリウッドのストライキって、イマイチ良く分からないですよね。

そもそも日本だと、ストライキを実施したところで、お客さん側が被る迷惑の方がフォーカスされて、労働者側が悪役になってしまったりする印象がありますが。

欧米ってこういう交渉は本当に本気でやりますよね。

今回の、全米脚本家組合のストライキは5月2日から9月27日まで、なんと148日にもわたって継続していたとのこと。
5ヶ月近くですもんね。

しかも、今回の交渉専用のウェブサイトも開設されてますし、「148 DAYS STRONGER」というめっちゃオシャレな動画も作られてます。

ストライキの間の給料とかどうなってるのか、めっちゃ不安になってしまいますが、そのリスクを負ってでも、ここでちゃんと交渉しようと足並みが揃うのが凄いですよね。

今回、そのストライキの結果、最低賃金の引き上げにはじまり、製作者協会側が負担する年金額や健康保険料の引き上げ、最低雇用期間の確保、ストリーミングサービスで配信される作品についての新たなボーナスの基準を設けるなど、満額に近い条件を引き出した模様。

更に注目されるのがAI活用のある程度の制限です。

今回の合意で、脚本家の報酬を減額させたり無くしたりすることに繋がる形ではAIを使用しない条件で合意に至ったそうですし、一つの作品のライター室における脚本家の最低雇用人数の確保でも合意したとか。

なんか、WGAのYouTubeにあがっている会議の動画とかみてると、いわゆるストライキのイメージがちょっと変わる感じすらあります。

個人的には、ハリウッドの脚本家のAIに対する反発は、古い価値観の人たちが新しい技術に対する恐怖から反対を表明するパターンなのかなと思い込んでましたが、どうもそういうことでもなさそうです。

このストライキの初期にあげられた動画とか、具体的にいかにコンテンツ大手が利益を上げているのに、脚本家の報酬が下がっているかを具体的にグラフで説明していて、めちゃめちゃ分かりやすいです。

やっぱり現場の職場状況を改善するためには、こういう本気の交渉ってやっぱり大事なんですかねぇ。

こういう取り組みを見ていると、日本のコンテンツづくりの現場においても、こういう現場の視点から業界や巨大企業に対して交渉をするエネルギーをどう生み出すのかが、ブラック企業になりがちと言われる現場の改善にとても大事なのかもしれないなと感じたりしています。

この辺は私は全く詳しくないので、今日の夜21時から、皆さんといろいろ雑談できればと思います。

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