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ダルビッシュ投手の神対応に学ぶ、有名人とファンの新しい関係の形

ダルビッシュ有選手と言えば、多くの人は、この質問に「メジャーリーガー」や「日本を代表するプロ野球の投手」などと答えると思いますが、今週27日に、本人が「本業はユーチューバー」という趣旨の投稿をしたことが大きな話題になりました。

この発言の背景としては、これに続いた投稿にあるように、現在メジャーリーガーとしてはオフの期間にあるので、オフ期間の収入はYouTubeぐらいしかないので本業はユーチューバーということのようですが。

とにかく、ここ最近、ダルビッシュ投手のYouTubeやツイッター上でのファンとのコミュニケーションが凄いんです。


■神対応を連発するダルビッシュ投手

ダルビッシュ投手のツイッターと言えば、もともと大船渡高校の佐々木投手の登板回避を批判していた「週刊・御意見番」のコーナーを消して下さいと発言したり、日本球界改革へツイッターで意見募集したりと、本音の投稿が人気でしたが。

今オフに入って、YouTubeへの動画投稿にも再度注力しはじめたことで、ファンとのコミュニケーションの勢いが加速。

10月7日には、他人の努力をあざ笑う人間に苦言を呈して話題になったり

10月16日には、YouTubeでプレゼント企画を実施して話題になったり

そのYouTubeのプレゼント企画に応募してきた人に、千葉の台風でゴルフ場が倒れてきた方が混じっていて、その方に神対応をして話題になったり

10月24日には、バーランダー投手の珍プレーにお返しツイートをして話題になったり

10月30日には、初の料理動画として無言のチャーシュー作成動画をアップして話題になったり

オフだというのに、毎週のようにメディアに話題を提供し続けています。


■ファンを巻き込みながら自分も楽しむ

その中でも極めつけなのが、こちら

とにかく詳細は上記の記事を読んで頂ければと思いますが。

簡単に経緯をまとめておくと、プレゼント企画に対するリプライに混じっていた製品名をダルビッシュ投手が理解できなかったところに、インプレスが神対応。

その結果、ダルビッシュ投手がゲーミングPCを買うことを考えはじめ、YouTubeで視聴者に相談しながらゲーミングPCを購入。

セットアップ時に発生したトラブルも、ツイッターのフォロワーのアドバイスで乗り越えていくわけです。

まぁ、もうね、最高です。
ダルビッシュ最高。フォロワーの皆さんも最高。

投手としても尊敬してますけど、一人のネットユーザーとしても本当に尊敬しますし。
この一連のイベントにリアルタイムで参加できなかった自分を後悔するレベル。

ダルビッシュ投手も、それを見守るファンの人たちもめちゃめちゃ楽しそうなんですよね。
最高です。これぞインターネット。

YouTubeやツイッターが無い時代は、プロ野球選手というのは孤高の存在であり、我々ファンが直接コミュニケーションを取ることなんて滅多にありえないのが常識な時代でしたが。

今や、こうやってオフに選手が神対応したり、ファンが選手にゲーミングPCを買うきっかけを与えてしまったり、逆に神と感謝されることもありえる時代なわけで。

本当に、時代が変わったなぁと思います。


■自分の言動への信頼を最も重視

ちなみに、今回の一連の流れの中で、ダルビッシュ投手のスタンスが垣間見えて興味深かったのが、冒頭の「本業はYouTube」ツイートにつながる一連の発言です。

丁度、今週は、吉本興業所属の芸人さんが京都市の宣伝企画で実施したツイートに、広告投稿としての関係性明示がされていないことが、ステマにあたるのではないかという騒動があり、個人的にも非常に悲しく感じてしまったのですが。

ダルビッシュ投手は、明確に商品提供や、商品提供を通じたあいまいな商品PRを拒否。

「自分の言動への信頼」を最も重視されていることを明記されているわけです。


もちろん、アスリート(とユーチューバー)としての本業や長期のスポンサード契約で収益をあげることができるダルビッシュ投手と、企業や自治体の単発宣伝企画を支援することも収益の柱にしている芸人さんを、単純比較するのは公平ではないかもしれませんが。

本質は宣伝に携わっているかどうかではなくて、信用とか信頼の問題なんですよね。

実は、同じ吉本興業所属であるキングコングの西野さんも、ダルビッシュ投手同様に、「本当に良いものは頼まれなくても宣伝するし、ウラでコッソリとお金を貰ってブログで紹介してしまうと、必ず後で『信用』を失うことになる。」と2年前に明言されていたりします。

今回のゲーミングPC購入のバタバタも、もしダルビッシュ投手以外の人だったら、「これはNVIDIAやゲーミングPCメーカーの宣伝企画じゃないの?」とか、余計なやっかみをする人が出てきて、みんなが素直に楽しめなかったかもしれないわけです。

ダルビッシュ投手のような、明確に本音でファンとコミュニケーションをするという信用を重視するスタンスがある人だからこそ、私たちもダルビッシュ投手のYouTubeやツイッター上での悪戦苦闘を、尊敬するアスリートであり、ネット上で同じサービスを使っている身近な隣人として、一緒に心の底から楽しむことができるわけで。

早速次なるプレゼント企画も発動しているようですけど、見て下さいこの楽しそうなダルビッシュ投手の笑顔。

箕輪さんと本を出すという話も、さっそくカミングアウトされてます。

こういう風に、本音で私たちファンとつきあってくれるアスリートや芸能人の方がもっと増えてくれると、インターネットはもっともっと楽しい場所になるんじゃないかなと、そんなことをシミジミ感じる一幕でした。

この記事は2019年11月2日(土)にYahooニュース個人に寄稿した記事の全文転載です。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このブログはブレストのための公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら、是非ツイッター等でシェアしていただければ幸いです。