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平手友梨奈さんのHYBE移籍は、日本の音楽産業のパワーシフトのはじまりになるかもしれないらしい

この記事は凄い読み応えがあるのでご紹介。

この記事を書かれた松谷さんは、Yahooニュース個人でいろいろ勉強させて頂いている方なのですが、K-POPの戦略と日本の音楽産業の戦略を比較して、その違いを分かりやすく解説してくれています。

たまたま、昨日のツイッタースペースにも参加頂いて、同様の話を教えて頂いたのですが、特に興味深いのがこのあたりの話です。

音楽で言えば、たとえばドラマの主題歌に曲をブッキングして露出を確保するかわりに、原盤権(音源の権利)をテレビ局(の音楽出版社)に分け与える慣行がいまも続いている。メディアが希少だった時代には、それは大きなアドヴァンテージだった。
アイドルで言えば、地上波テレビに冠番組を持つことで露出を確保して音楽売上につなげた。俳優業やタレント業にも積極的なのは、音楽のクオリティを高めなくとも地上波テレビで露出さえ確保すれば十分なヒットが見込めたからだ。

日本にいると、ドラマの主題歌のタイアップとか、アイドルの冠番組とかを、ついつい普通の現象として捉えてしまうんですが、これって日本独自の文化で、ちゃんとドラマの主題歌には原盤権がテレビ局にもシェアされたりと、日本市場における利益をメディアとアーティストの事務所がお互いに支え合う仕組みが確立されているということなんですよね。

その結果、この相互互助の仕組みに依存しすぎると、活動が国内向けに最適化されすぎて、海外市場に目が向かないというのはある意味当然なのだなというのが良く分かりました。

SKY-HIさんが、新しいグループであるMAAZELのドキュメンタリーを、あえてBE:FIRSTの時同様に日テレと連携する仕組みを選択せず、YouTubeだけで始めたのも、海外展開を本気で狙うならこの相互互助からあえて離れないといけないという決意の表れなのかなと思ったりします。

松谷さんが作成された、このグラフとか凄い日本と海外の違いが分かりやすいですよね。

海外は早期にストリーミングシフトに成功したことで音楽産業全体の売上は全盛期に戻りつつあるのに、日本は相互補助の仕組みでCD売上を守ってしまった結果、音楽産業自体は明確な縮小傾向が続いています。

音楽産業の推移と、音楽産業の売上割合(上位5カ国)(作成:松谷創一郎)

まぁ、既存の大手事務所が、これだけCDのようなフィジカルに売上を依存していたら、CD至上主義になってしまうのも仕方がない気がしますし、Travis Japanがストリーミングでデビューをはたしたことが、一部のジャニーズファンからは「CDデビューできなかった」と見られてしまうのも分からなくはありません。

現在の日本音楽産業の価値観とか、事務所やファンが重視するポイントが違いすぎるんですよね。

そういう意味で、松谷さんの記事で興味深いのが、今回の平手友梨奈さんのHYBE移籍は、HYBEによる日本のタレントのヘッドハントのはじまりに過ぎないのではないかという指摘。

実際にHYBEは、既に LE SSERAFIMの日本デビューも果たしましたし、日本テレビと組んで&TEAMのデビューにも成功し、着々とその存在感を増している感じがあります。

今後HYBEの存在感が日本で増せば、日本の音楽産業におけるパワーシフトにつながる可能性も十分あるわけで。
平手友梨奈さんの移籍のニュースは、あくまでそのはじまりに過ぎなかったと振り返る結果になるのかもしれません。


※なお、この記事については火曜日の13時のツイッタースペースで雑談したいと思いますので、興味ある方は是非どうぞ。


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