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「自衛隊日陰者論」という屁理屈

日弁連がはじめて9条について自衛隊について合憲の存在であることを前提として、「専守防衛」や「集団的自衛権の否定」をもって、歯止めをかけていこうという方針をとったのは10数年前の鳥取人権大会が嚆矢です。

そこでは総会において執行部案に対する猛烈な反対が次々になされるなか、僕が唯一、執行部を擁護する意見を述べました。「唯一」ですよ。
会場からは、「右翼は帰れ!」「低能!勉強してこい」などのヤジが嵐のように巻き起こりました。しかし、結果として執行部案はそのままとおり、以後、弁護士会は、自衛隊の存在(もちろん自衛権も)を合憲とする政府見解によりそうようになったのです。

 そこで残ったのが個別的自衛権に関する「専守防衛」と「集団的自衛権の否定」でした。そしてご承知のように安倍内閣の閣議決定(平成26年7月1日)で集団的自衛権行使の一部容認を打ち出し、弁護士会は狂気のように反対しました。
そしていよいよ改憲です。 

 現在、弁護士会は、自衛隊について、それが「違憲である疑い」を払拭できないという見地から、その「疑い」をもって自衛隊の立憲的コントロールの命綱として位置づけ、戦後はそれでうまくやってきたという石川健治東大教授の学説に依拠しています。題して「自衛隊日陰者論」です。
自衛隊が日陰者であることをもって立憲的にコントロールしてきたというのです。これは単なる屁理屈ですが、石川健治という稀代の天才がいうので、弁護士会もこれに依拠しているのです。

おそらく石川健治は、後ろでベロ出しして、彼の屁理屈に付き合う弁護士会を馬鹿にしているのではないかと思っています。なにせ天才ですから。 
この日影者論は、もともと吉田茂が提唱したものです。防衛大学の卒業式で吉田茂が行った講話です。「君たちが日陰者である方が日本にとってはよいことなのです。」という内容でした。「消防隊がヒマな方が日本国民にとってはよいことです。」と同じ。

万が一の備えのために消防隊がいてスタンバイしており、その日のために日々訓練をしているということを全く無視しているのであってそれが偏った議論であることは誰でもわかるのに、その失礼をあえて「防衛大学」の卒業式でやったひねくれ者が吉田茂の真骨頂なのです。 

 その「違憲の疑い」というものを、晴らすというのが9条改憲であり、それは現在の日本を変えることにつき原爆100個分の威力を有するのです。 

 以上 

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