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贈与の力から学ぶお金の価値〜「うしろめたさの人類学」を読んで〜

贈与の力・・・
いったい何?笑
同じ商品でも「贈り物」となる時とただの「商品」として
お金で取引される時がありますよね。
これには一体どんな違いがあるのでしょうか・・・

贈与・・・
宗教っぽいなって思いますよね
僕も思いました。笑
まあ、気にせずいきましょう!!

最後の方に大事なこと書いてます!笑

「贈与の力」とは

1925年にマルセス・モースにより「贈与論」が発表されました。
古くから多くの社会で、交換や契約は贈り物の形で行われていました。
贈り物は表面上、自由意志で行われるものであるが、
その時代では実際には義務として与えられて、返礼もされている。

「どんな規則が受け取った贈り物への返礼を「義務」づけているのか。
贈られた物に潜むどんな力が、受け取った人に返礼させているのか。」

モースはこの「義務」の作られ方に注目して、現代にもつながる
道徳と経済との関わりを考えようとしたようです。

そこには、自己利益の計算だけに終始する世界が出現しつつあることへの
危機感があったと言われています。

贈与的な行為と正反対の行為だとみなされるのは
「商品交換」や「市場」です。

モースは贈与には様々な側面があると指摘しています。

贈り物というと、良いイメージだと思いますが、「ポトラッチ」という
儀礼があるようです。
これは、相手に返せないほどの贈り物を渡すことで、相手の名誉を
傷つけ、従属させるという行為です。

しかし、支配と従属であったとしても、そこには人と人とをつなぐ
「関係」ができる。
これが「贈与の力」です。

「関係」・・・・。
つまり「コミュニケーション」が重要になってきます。

今の時代、「知らない」とか「関係ない」とか「敵だから」とか
いろんな認識の違いによって拒絶されています。
つまり、「自分は自分、他人は他人」という構図が強くなっているのでは
ないかと思います。
こういった「他人事」が進み、興味が持てなくなってくいくと、
最終的には人を殺すことだって、人が殺されるているのを無視
することだってできてしまう・・・。

だからこそ、他者に向き合い様々な「つながり」を回復する必要があります。

「贈り物と商品の違い」

お店で商品を購入するときは、金銭との交換が行われます。
100円のチョコレートは100円と交換しますよね?

しかし、バレンタインデーで贈るチョコはどうでしょうか?
チョコを贈った男の子に「いくら?」と聞かれたら・・・
しょんぼりして、夜も眠れません。笑

つまり、贈り物をもらう側も、「その場」では対価を払わずに
受け取ることが求められます。

前者のお金でのやり取りは「商品交換」、
後者のバレンタインデーのやり取りは「贈与」です。

この違いはなんなんでしょうか?

フランスの社会学者であるピエールは「時間」だと言っています。

チョコをもらってすぐに、相手にクッキーを返したら、
等価なものを取引する経済的な「交換」となります。

これが、1ヶ月後にチョコと同等なクッキーを返したら、
商品交換ではなく、返礼という「贈与」の一部とみなされる。

「贈与」が商品交換を分けているのは「時間」だけではありません。
バレンタインデーのチョコに値札がついてコンビニの袋に入って
いたらどうでしょうか・・・「贈り物」らしさがなくなりますよね。
同じチョコでも包装されてリボンがついて、メッセージがついていたら
「贈り物」らしくなりますよね。

このように私たちは、その都度、経済的な「商品交換」に変えたり、
「贈与」に変えたりしている。

なぜ、「商品交換」と「贈与」との間に
「きまり(時間や包装やリボンなど)」があるのか・・・

「贈り物への感情」

お金での交換が「商品交換」と言い切ることはできない。
結婚式の祝儀はお金のやり取りだが、「商品交換」と
思う人は少ないと思います。

これには「感情」があるからです。
祝儀には「おめでとう」という祝福の感情が込められています。
つまり、「感情」が「きまり」なのではないでしょうか。

経済的な「交換」の場面では、こうした感情や思いは
ないものとして扱われています。
コンビニでジュースを買うときはレジでお金を支払い
商品を受け取るという「交換」の行為で、思いは込められていない。

これは経済(商品交換)と非経済(贈与)との大きな違いではないかと思います。

「感情と文脈」

では「感情」はなぜ生じてしまうのか・・・

それはその「ヒト」や「モノ」の「文脈」です。
ぼくはこれを読んで、すごくなるほどなと思いました。

自分に価値があると思っているものでも、ある人には価値は
ないかもしれません。
自分の育ってきた文脈も違いますし、現状も違います。
このように買手の文脈にも影響されます。

そして、商品自体の文脈も影響していくると思います。
300円のうどんと500円のうどんがあるとします。
何も情報がなければ300円のうどんを買いそうになります。
これではただの「商品交換」となってしまいます。

しかし、ここに文脈を加えます。
・香りの良い小麦粉を使って麺を作っている
・茹で時間も研究に研究も重ねている
・だしもこだわった食材からとっている
・お店の人には昔お世話になっている

などなど。

こうなると話は変わってきます。
500円のうどんに価値がつけられていきます。

こういった文脈を知ることで
そこに価値を見出す人にとっては有益な情報になり
購買意欲も高まってきます!!!

文脈から感情は生まれ、感情は価値を生みます!


「文脈をうまく利用したサービス」

polca(ポルカ)と呼ばれるフレンドファンディング
手軽に資金調達ができて便利なサービスです。

先日、私の所属しているオンラインコミュニティで
こんな企画がありました。

喜多さんの出産祝いをpolcaを使って集めるという企画です。
あっという間に目標金額を達成しました。

支援した人は、ほとんど喜多さんと関係性がある人たちだと思います。
つまり、喜多さんの文脈を知っていたり、お世話になっていた人です。
知らない人には支援しませんよね。

喜多さんがこの企画までに様々な人に様々な形で
「贈与」していた結果、polcaを通して「返礼」を受け取ることが
できたのではないかと思います。

「最後に・・・」

今の時代、お金と商品のやり取りだけの「経済的」な行為が多くなってきています。
その反面、婚活やOO交流会、各種イベントなどなど。
人との関係性を「敢えて」作り出すようなサービスもあり
心のそこではみんな寂しいのかもしれません。ぼくもですが、、、笑

「敢えて」作り出すサービスもいいですが、家族や近所の人など
近くの人から挨拶をしていくだけでも「贈与」になると思います。
無機質なやり取りだけではなく、人と人とが関わる温かさも
大事にしていきたいですね。

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