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vol.5:インプットセッション(地域の可能性)

11月11日(木)午後9時、日本総合研究所の井上岳一さんからのインプットセッション。
井上さんには、このN-LAPの前段階である8月末のStartup Weekend Nagahamaで審査員をしていただきました。
あれから2.5か月、当時は半袖でした。時の経つのは早いなあと改めて思う。

<井上さんの主な経歴>
 東京大学卒業後、林野庁に進まれ退職。その後、2003年から日本総合研究所でブランディング等に関わる。著書「日本列島回復論」で知られる。

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 いよいよ、井上さんのセッションがスタート。

 淡々とした語り口で滑り出し、これまでの経験から、端的に本質を次々と突かれていく。
 内容が多岐にわたるため、全部は紹介できませんが、ここでは、筆者が心に留まった言葉を紹介しながら、セッション内容に迫ります。


・森はすごい。
 すべてに役割があり、互いに関わり合い、効率的で無駄のない完全循環が森にはある。
 森に比べれば、ゴミが出て、エネルギー問題もある人間社会は、まだまだ不格好だ。
 人間社会は森に学ぶべきだ。

・人間社会も、人工物を含む新しい生態系が出現しつつある。
そして、テクノロジーは地方を持続可能にし得る。
 例えば、自動運転。過疎地の移動問題を解決。

・森には、経済的に価値がなくても、圧倒的な存在価値がある。
 東日本大震災で感じた。
 土の力、森の力、人の力は、究極のセーフティネット。
 山のきれいな水、森の木で煮炊きできる。
 そして、森で遊ぶことで、わけもなく元気になれる。

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・森や地方がいかにすごくとも、「古来」だけでなく「未来」も必要。
 悪しきムラ社会、例えば男尊女卑の思想なんかは改めていかないと・・

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・まちが変わる過程には、あらゆる人が関わる。
 0→1 アーチスト、デザイナーがつくる。
 1→10 実務家が磨きをかけ育てる。
 定着化 非エリートが習慣化する。これで、初めてまちが変わる。
 結局、全部いる。

・福井県鯖江市は、デザインができる人を職員として雇った。
 地域に若い人が増え、メガネづくりの職人が若い人に褒められて、地域が明るくなった。

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・草から木へと森の形成にも遷移があるように、地域にも遷移がある。
 地域が変わるには、時間がかかる。(7年かかるという実践者がいる)

・一番大事なのはマインド。
 地域によくある「あきらめ」「嫉妬・足の引っ張り合い」「何もないと思う心」「自分の頭で考えずにプロに丸投げ」から、一歩踏み出す。マインドは変えられる。

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・リアルは強い。人のマインドは、未来を信じられると変わる。
空き店舗の多い商店街が、何もないと嘆いていた。
 そこで、みんなに空き店舗に人が入った10年後の一日を想像してもらって、一日だけその想像を形にした。そうしたら、なんと新しい店が入った。

・何もないまちのほうが、オリジナルで面白い。

・経済はあとからついてくる。
 ワクワクすること、シビックプライドを作ることが大事。

・身の回りの小さなことの先に未来がある。
 列島回復の作法 Small Local Open Connected
 昔は、地方の小さな動きは、そこで留まるしかなかったが、今は、誰しもが世界へ発信できる。内容次第で大きな広がりをみせる。

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・小さいからこそできることがある。
地域生態系の確立、サーキュラーエコノミー。
昔は、入れ物なんかは、木、竹、草で作ってきた。つい最近プラスティックにとってかわられた。再び木・竹・草に戻してみよう。こんな動きも面白い。

・志でつながる「中規模流通」がカギ
 小規模では成り立たない。大規模では価格競争でこれも成り立たない。
 適度な流通が大切。徳島県神山町などで実践されている。

・IT時代だからこそ、
双方向のコミュニケーション、対話スキルの習熟不可欠

・文化には、高まいな理想とポップな発想がいる。
 みんながわかる必要があるし、楽しい心地よいみたいなことだけでは続かない。

最後に、井上さんからメッセージ

 長浜は、圧倒的に豊かで、米も酒もきれいな琵琶湖も、歴史と伝統もある。
 歴史と伝統しかないと言われる人もあるが、新しい文脈にして伝えること大事。
 長浜の一番誇りに思えることを伝える。それも意固地にノスタルジックでなく、未来のワクワクにつながるようにすれば良い。
 長浜は圧倒的にポテンシャルがある。
 そして、私も、定期的に長浜に来たい。(オンラインなので、声はしませんが、参加者の表情が、「ぜひぜひ」と語ってました。)

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 チーム活動も終盤のしんどいところ、うれしい励ましに勇気がもらえました。


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