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なぜ同じFCなのにP/Lは全然違うのか #会計クイズ 2019年6月30日出題

6月30日の#会計クイズがフランチャイズの問題として面白かったので、より詳細に分析してみました。

#会計クイズとは 、@大手町のランダムウォーカーさんがTwitterを中心に【日本人全員が財務諸表を読める世界を創る】を目指して、行なっている財務諸表のクイズです。
公式WEBページはこちら

会計クイズとビジネスモデルキャンバスで財務とビジネスモデルをつないでみていきます。

問題 串カツ田中HDのP/Lはどれか。

登場する企業群は、
・セブンイレブン
・コメダHD
・串カツ田中HD
の3社です。

今回の肝となるのは、すべてFC(フランチャイズ)を展開しているが、それぞれ特徴が違うため、P/Lの形が変わってくる点です。

問題の答え

①コメダHD
②セブンイレブン
③くしかつ田中HD
でした。

個別にそれぞれ見ていきましょう。

セブンイレブン

セブンイレブンはフランチャイズが中心で、売上の87.5%がフランチャイズ収入です。
フランチャイズ収入には、各フランチャイズ店で売上原価が差し引かれた額が計上されるため、セブンイレブン本体には売上原価は発生せず、収入に対して、売上原価が少ない割合になります。

ビジネスモデルキャンバスで表すと下のような感じになると考えます。

独自配送システムの構築が参入障壁となるため、一から全国網を構築するのは難しいでしょう。

コメダHD

コメダHDの売上を分解すると、卸売が約7割を占めています。
フランチャイズ店にコーヒー豆を卸売して、売上が立っているとわかります。
そのため、コーヒー豆はHD本体の売上原価に計上されるため、売上原価が多くなる構造になります。

ビジネスモデルキャンバスで表すと下のような感じになると考えます。

美味しいコーヒー豆の自分たちで作ることに強みがあり、グループ会社の中に製造の会社があるような会社です。

串カツ田中HD

串カツ田中総会なるものを全直営店、FC店の運営スタッフを含めた全社員での目標共有の場を設定していることから、FC店であっても、直営店と同じように運営していることが特徴といえそうです。

そのため、費用構造も所謂、飲食事業のP/Lに近くなっているものと想定されます。
※売上原価は3〜4割程度が一般的と言われています。(Google調べ)

ビジネスモデルキャンバスで表すと下のような感じになると考えます。

大阪のB級グルメの串カツ文化を広めるための文化浸透が大きな提供価値で、お客さんはそれを期待して来店してくる構造となっています。

参考 FC比率の違い

フランチャイズでもモデルが違うと、P/Lが変わってくることがわかりましたね。
最後に、それぞれのFC比率を見ていきましょう。

セブンイレブンは正確な数が出てこなかったですが、14,000名のオーナー様ということから、14,000/20,000→約7割がフランチャイズと推測されます。

コメダHDは、有報から95%がFCと記載されています。

串カツ田中HDは、有報から55%がFCと記載されています。

FCの形態をとっていても、提供価値によって大きく違う良い例として、紹介しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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