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会社に行くのがツラい人、電車を何本も見送ってる人へ。

5年ほど引きこもってたことがあります。不安障害とパニック障害と軽めの拒食で、じーっと鬱々していたのです。

いろいろ大変でしたけど、1番キツかったのは人と交流できなかったことです。友人に会っても、家族に会っても、赤の他人に会っても、その日の夜に必ず吐きました。吐いて、手足が痺れて、脳天がひっくり返って、息ができなくなって、ベッドでバタバタして、薬を飲まされてやっと眠り、起きたその後は1週間ほど死にたくなっていました。

そこまで己を追い詰める理由は、細かーく千切って出せばもろもろあるのですけど、「壊れちゃった」というのが大きなところだと思います。人の発する全部の言葉が、「もっと人生ふんばれよ」に聞こえた5年間でした。

きっかけは仕事です。衣料品量販店に2年ほど勤めて、移動先の店の店長と折り合いが悪く、顔が真っ赤になるくらい肌荒れしたのが最初のサイン。過度なダイエット、不規則な休み、達成できないノルマ、うまくいかない恋愛、いろんなことを自分で重ねて、ついにセンサーぶち壊しちゃったって感じでした。

『倉橋エミ34歳、休職させていただきます。』という漫画を描いてます。とあるサイトで連載している漫画です。(リンクを貼るとPRみたくなっちゃうので、見てみたい方はググってください)エミっていう女が、鬱っぽくなって休職をするんだけど、休んでる自分を好きになれなくて泣いてばかりいる漫画です。

エミには親友がいて、休職中に新たな友人もできます。エミはしょっちゅう弱音を吐いて、この2人の前で子どものように泣き、泣いている自分を恥じて、また泣きます。自分に自信がなくて、働けないことがみっともなくて、消えてしまいたいと思いながら泣きます。

多分、今、鬱のど真ん中で日々苦しんでいる人がこれを読んだら、生ぬるいって感じると思います。そんだけ泣けりゃあマシだよって感じですから。あんたまだ、引き返せるよ。その先に落っこちたら、弱音を口にした瞬間に、死にたくなってしまうからね。っていう。

エミを、鬱のど真ん中ではなく入り口ぐらいに置いたのは、この「引き返せるところ」を描きたかったからです。「引き返せるところ」で引き返せなくて、スローモーションで心を壊していっている人に、私は話したいことがある。

「大丈夫、大丈夫、まだ大丈夫」って毎日自分につぶやいて、なんとか仕事に向かった、どこかのあなた。落っこちることまで落っこちたら、休む理由が出来てむしろ楽になれるのではと、駅のホームで何本も電車を見送りながら、心が完全に壊れるのを待っているあなた。

壊れるのはツラい。私は、もう2度と心を壊したくないし、誰にも壊れてほしくない。死にたい消えたいと、毎日思いながら暮らすのはキツすぎる。引き返すなら、今、そこなのだ。あなたが立っている、そこ。誰かに否定された瞬間に崩れて落っこちていきそうな、その、ギリギリの、そこ。

休もう。大丈夫。誰もわかってくれなくても、誰も休もうって言ってくれなくても、自分で自分に休めって言えなくても、私が漫画で言ったげる。(わ、えらそうになっちゃった)


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