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TB REPORT:【曳舟ルート】一日で静けさに驚き、竹の屋台村で濃密な時間を楽しむ日/アートライティングスクール1期生佐藤久美

長谷川逸子「音のきづき」

半蔵門線直通の東部鉄道曳舟駅を降りて線路沿いに北上すると、ユートリヤすみだ生涯学習センターの白いドーム型のクーポラが見えてきます。B棟1Fギャラリーに入ってすぐのO01長谷川逸子「音のきづき」では、作品の吸音材のそばにいると音が消える経験をしました。一瞬自分の感覚が信じられなくなってその場で固まってしまいましたが、それが作家の意図する空間の体験だったのだと思います。休館日があり、作品展示も8/29(月)までです。

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O01音中心IMG_1945

長谷川逸子「音のきづき」
会期:7/10-8/29
住所:墨田区東向島2-38-7 ユートリヤ すみだ生涯学習センター
時間:11:00〜18:00

来た時と反対の方向にユートリヤを抜けさらに進み明治通りまで出て、右方向に進みます。交差点「曳舟駅前」「京島」を過ぎると、左手に見慣れた東京ビエンナーレの青いロゴサインのボードが表れます。

O02サインボードIMG_2758

矢印を信じて路地を左に入っても、会場らしきものは見えず不安になります。頭上にはためく青いタルチョ(旗)だけがかろうじてなにかの存在を予感させます。

O02路地IMG_2759

10メートルほど進むと左手の三軒長屋「旧邸」中庭だった場所に、突如竹で組んだヤグラが現れます。思わず、ええっ!と声が出ました。O02野営「東京大屋台」でした。盆栽のような鉢に囲まれた受付を抜けると、1階はアーティストが制作・展示するブースになっており、行った日は平面作品やお面を制作するアーティストが滞在していました。2階はテーブルとイスのあるバルコニーになっており、3階からはスカイツリーや京島の長屋や古い建物が見渡せます。4階はまだ完成していませんでした。見るタイミングによって毎回変わりそうです。

野営「東京大屋台」

「東京大屋台」は画家・海野貴彦と美術家・イワモトジロウのアートユニットによる作品であり町と人をつなぐ竹の屋台村でもあり、イワモトさんがほぼ一人で1ヶ月で建てたそうです。

O02ヤクラ全景IMG_2761

O02ブース1IMG_2765

海野さんが作陶家 和田直樹の作品を気にいり、お願いすると本当につくってくれたという器が並べられ、かき氷を和田さんの器付きで購入できるようになっていました。

O02_2F器IMG_2776

O02_2FカウンターIMG_2775

東京ビエンナーレにD16 In the CDBで参加しているHogaleeさんも来ており、まさにアーティストや人と人とがつながる場所でした。夕方はバルコニーに電飾が灯され、夕暮れ時を語らって過ごす素敵な空間となりました。

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8月3日に路地入口に赤い鳥居と電飾が設置され、入口がわかりやすくなりました。1階「野営」のネオン看板もアーティストの手作りです。

O02野営ネオンIMG_2916

ユートリヤや曳舟駅から10分程度歩きますが、暑い中歩いても何度でも訪れたい場所です。ヤグラはまだ建設中、ワークショップやパフォーマンスも予定されているそうです。9/5まで毎週・毎日の変化が楽しみです。

O02イワモトさんIMG_2768-2

左が作家のイワモトジロウさん、右が海野貴彦さん

野営とおしゃれブラザーズ
「東京大屋台 東京をきく──モノ・コト、そしてオトの再発見」

【東京大屋台】
会期:7/10-9/5
会場:東京都墨田区八広2丁目45-9  三軒長屋「旧邸」中庭
時間:12:00-18:00 火休 イベント開催日は時間延長

さとう・くみ/東京ビエンナーレ2020/2021のプロジェクト「アートライティングスクール」1期生。細く長く国内外でモノを作ったり、自己理解・他者理解を深めるセッションをしたりしています。
アートライティングスクールのnote記事はこちら

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