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水月とーこ先生インタビュー【がんばれ!消えるな!!色素薄子さん】

その名の通り、何から何までとにかく「薄い」大学生色素薄子さんのまったりキャンパスライフをていねいにえがいてきた、『がんばれ!消えるな!!色素薄子さん』。作者の水月とーこ先生に「薄子さん」の話を中心としながら、デビューまでの道のりやキャラクター作りのこだわりについて、ゆったりじっくりお聞きしてきました~!

漫画家になれたのはすべて「コミスタ」のおかげ!?

漫画を初めて描いたのはいつ頃ですか?

水月とーこ先生(以下とーこ):小学2年生の頃初めて『なかよし』を買って、こんな漫画があるのか!と驚き、真似してノートに描き始めたのが多分最初だと思います。
片岡みちる先生が描く丸っこいイラストがすごく好きで、多分その人の影響は今でもモロに受けていると思います。

しかし漫画のあとがきにも描かれていましたが、付けペンが上手く使えなくて漫画家の道を一旦諦めたとか。

とーこ:小学6年生ぐらいに、漫画を描くためのツールがあることを知りました。それで付けペンや原稿用紙、トーンがセットで合わせて1200円くらいで売られている、漫画家セットのようなものを買ったんです。「これで『なかよし』に応募が出来る!」と意気込んで描き始めたんですけど、話も作れないし、何より付けペンがいつまで経っても慣れなくて。なかよしにも「漫画家になるための小冊子」みたいなのが付いてきて、フラッシュの描き方とか載ってるんですけど、定規をいくら当てても全然上手く引けない(笑) 「漫画家になるための…」って書いてあるんだから、これが出来なかったら漫画家にはなれないのだと思っていました。中高はずっと文芸部で、その部誌の表紙や、同人誌も一応描いていたのでなんとなく絵はずっと描いていたんです。けれども、結局付けペンに慣れないという漫画家にとって致命的な壁にブチ当たり、その時点で割と簡単に諦めていました。

同人活動に参加するようになったきっかけは?

とーこ:中学2年のとき、お姉ちゃんが同人誌を出していた友達がコミケカタログを持ってきたのが、「同人」を知ったきっかけです。ちょうどそのとき、スクウェアの『サガ フロンティア』が流行っていて、自分も大好きだったので、買い漁る内に自然と自分でも描きたいという気持ちが湧いてきたんです。

1番最初にサークル参加されたのはいつ頃でしょうか?

とーこ:中3の頃です。東京の郊外で、100スペースくらいの小さなイベントで初めて漫画を出しました。中高がバイト禁止だったので、お年玉を切り崩しながら参加していましたね。

文芸部ではどのような活動をされていましたか?

とーこ:創作の小説やエッセイを書いていました。中学校の頃は小説家になりたいと思っていたんです。毎日深夜までワープロに向かって、印刷して、ホッチキスで製本して友達に見せたりあげたりしていました。高校生になってからは部長を3年間やりました。学園祭では部誌という……ほぼ同人誌なのですが、それを売りました。部員みんな絵が上手だったので、「あれ?!文芸部なのに漫研より……(略)」という。青春ですね。

大学の進路はどのように決められましたか?

とーこ:自分が進んだ大学を選んだ理由が、「考古学科の授業がある」ということでした。高校の頃から考古学をやりたかったのですが、考古学の専攻がある学校って、京大とか偏差値が高いところばかりで……自分の学力ではとても……でも入った大学の考古学の先生が、熱意のあるとっっても素敵な先生で。日本文学科だったのですが、ゼミも、卒論も考古学に絡めたものになりました。

ちなみに、考古学に興味を持つようになったきっかけは?

とーこ:教科書で土器や土偶の写真を見ると、すごくドキドキするんです。土器だけに……
冗談はさておき、とにかく小さいときから想像(妄想?)が好きだったので、「1万年前」なんて言われてしまうと、もう……自分の想像も及ばない世界がそこにあったのだと思うと、それだけでワクワクしました。
それと……漫画「ラブひな」に出てくる瀬田さんが、世界中の遺跡を飛び回っているのを読んで、純粋に「カッコイイ!」と思ったんです。今でも考古学者の夢は、半分捨てきれずにいます。

大学1年まで小説を書いていたそうですが、漫画を再び描くようになったきっかけは?

とーこ:ある日コミックスタジオという存在を知り、付けペンじゃなくても漫画描けるんだ、これはいけるぞ!と思って早速ソフトを購入したんです。これなら漫画が描ける!という嬉しさのあまり、小説書くのを止めてしまったんです(笑)  これがなければ自分は漫画家になれなかったという偉大なソフトです。書かなくなるとコツを忘れてしまうので、逆に小説は書けなくなってしまいましたね。

その後絵の道に進もう!と思われるようになったきっかけはありますか?

とーこ:就活セミナーに行っても、当たり前かもですがワクワクしないし、そもそも朝が弱いので遅刻しまくるんじゃないかという不安がありまして(笑) ところが大学3年生にもなると嫌でも就職課から「就職活動どうなっている?」という呼び出しがくるんですよ。就職という選択肢が霞んでいるときに呼び出しがきてしまい、その場で「就職しないでイラストレーターになります!」と言ったら、課の人が思いのほか褒めてくれたんです。「そうやって自分で自分の道を決めている人は少ないから、是非それを貫いて欲しい」と言われ、友達は「就職しないって選択肢あるの!?」みたいな感じだったんですけど、これで良いんだという風に自信と共に背中を押された感じがしました。

絵の道で食べていくことを決めてから、「こういう風にやっていこう」という計画は、ご自身の中にありましたか?

とーこ:漫画家の道を目指している人には本当に申し訳ないんですけど、自分が漫画家になれたのは、完全に「運」なんですよ。
卒業してからはバイトをしながら、イラストレーターの仕事を月に2~3万くらい、不定期でほそぼそと続けながら、あとは同人誌を描いていました。そんな中、地元の博物館で発掘調査や、発掘された遺物の整理をする人を募集しているのを知り、考古学好きだったので「行くしかない!」と思って博物館の臨時職員になったんです。
働いている内に上司から、「公務員試験受けて、きちんと博物館で働いたら」と提案され、イラストは同人でできるからいいやと思って試験勉強を始めたんです。そんな時期に、たまたま一迅社の編集さんからアンソロジーのイラストを描いてみないかという話が舞い込んできたんです。某有名イラスト補足サイトで探してサイトにいらしたらしいんですけど、それをたまたま今の担当さんが見つけてくれたのは、それこそ「運」だと思っています。

公務員試験を受ける前だったということで、迷いはなかったのでしょうか。

とーこ:一迅社自体は以前から知っていて、「初めて出版社から連絡が来た!」と舞い上がってしまい。しかも自分が好きなキャラのイラストで良いとのことなので、迷わずに描きますという連絡をしました。そのあとに「イラストじゃなくて漫画を描いて欲しい」と言われ、「これはマズいぞ」と焦りましたね(笑) 漫画をほとんど真面目に描いてないのに、商業本に原稿を載せるなんて……どうしようかなと思いながら人生で初めて描いたネームを送ったんですけど、「初めての割にはちゃんと出来てるよ」と褒められて嬉しくなっちゃって、そこから漫画をちゃんと描き始めた感じです。

薄子さんも、友達に頼まれていきなりバイトを始めたり、保育園を手伝い始めたりと、他人に引っ張られることによって世界が広がっていくことが多いですが、お話を聞いていると先生が同じような体験をされてきたことによって、あのようなエピソードが生まれたのかと思ってしまいます。

とーこ:そうかもしれませんね。7巻ぐらいまでの薄子は受動的で、周りが運良く話をくれるおかげで、薄子も、皆も幸せになっているという感じだと思います。
ただ、9巻くらいの話になっちゃうので詳しくは言えないんですけど、大学4年になり薄子自身も「変わっていかなきゃ」という風になっていくのが、これからの話の中心になっていくと思います。REX読者の人はもう分かっていると思うんですけど、単行本派の人はもうちょっと待っていてください(笑)

ゼロから覚えていった「漫画の描き方」

漫画を本格的に描き始めたのは商業で仕事を始めてからだそうですが、漫画の描き方はどのようにして学んでいったのでしょうか?

とーこ:1巻の5話くらい、ちょうど喫茶甘咲が出てくる話までは、ほんっとに何も考えていなくて(笑)  単行本では調整してあるんですけど、雑誌掲載版だと描いちゃいけない部分にまで余裕で描きこんでいるんですよね。ページのノド部分に危険なぐらい入り込んでいて、キャラクターの顔が完全に隠れていることもありました。1話とかよく雑誌に載ったな……と今なら思います(笑) できれば1巻は燃やしてなかったことにしたいくらいです……そういうのが5~6話続いたせいで担当さんに「自分の表現をすること云々より前に、まずはちゃんと伝わるように描けるようになろう」と言われたんです。そこから担当さんに教えてもらいながら、すこしずつ学んでいきました。担当さんの言うことは現場の言葉なんで間違いないだろうと。4年経った今でも勉強中です。担当さんには、勉強させてもらったという感謝の気持ちで一杯です。

ネームの切り方を教えてください。

とーこ:結構コロコロ変わっていて、4巻ぐらいまでは4行くらいの起承転結を文字だけで書いたプロットを担当さんとの打ち合わせの日までに準備して、雑談しながら担当さんと「こういう話の流れにしたら楽しいかな」というのを決めて、家に帰ってネームを描くという感じでした。
ですが、ネームを描くときの方針が6巻くらいから「とにかく脳内にあるものを全部ぶちまけよう」という風に変わったんです。とりあえず頭の中にあるものを文字や台詞で、ページ数を気にせず、そのアイディアを使うか使わないも考えず、ばーっと出してしまうんです。それを見ながらネームを描き、担当さんと編集長のチェックを受けて次へ、みたいな感じになっています。

ネームを描いているときに意識していることはありますか?

とーこ:頭に映像を浮かべながら、それを書きとっている感じです。
とはいえ「薄子さん」に関していうと、30分くらいキャラクターが喋っているのを、そのままネームにしたら結局20ページくらいになって、それを読まされる読者は「日常の風景だけど、このくだりってあとにいかされるの」「ここまで読んだ結果どうなるの」みたいな感じになっちゃうと思います。なので30分くらいの会話を、10ページで伝わるよう、きゅうっと圧縮したり脚色したり削ったりしながらネームにしている感じですね。

それでは次に、現在の作画行程を教えてください。

とーこ:下書きまではアナログで、描き終わったらスキャンしてコミスタで作業します。コミスタ以前はコミックワークスで描いていたんですけど、ちょっと自分に合わなかったのでコミスタを導入しました。そしたらすごく描きやすくて、3巻くらいから線の感じなどにはっきりと現れていると思います。それと5巻からはアシスタントさんが入っているので、背景は問題ない感じになっていると思います!

アシスタントさんを導入しようと思ったきっかけは?

とーこ:本当は自分で全部モブとか背景を描きたいんですけど、時間も足らないし技術も追いつかなくなってきたので、アシスタントさんを募集しました。
アシスタントさんが素敵な作画を描いてくれるので、アシスタントさんの原稿と合体するときがすごく楽しいです。「うわー綺麗!」と思い、私も頑張らなきゃという気持ちになります。基本漫画家は一人で絵を描いているので、そういう仲間みたいな人がいるのはすごくいいですね。

『頑張れ!消えるな!!色素薄子さん』創作秘話!

連載当初はどのようなお話として考えていましたか?

とーこ:とりあえず、薄子達の卒業までは描こうかなと。1巻で1年生、2巻で2年生、という風な想定をしていました。
ところが1巻が出たとき単行本の感想が、良いのから悪いのまでいろいろやってきたんです。思っていたよりもいろんな人に読まれていると思うと、嬉しさよりもまず恐さがありました。良い評価は同人誌の頃からでも直接会った読者さんから聞けるんですけど、悪い評価を貰うような機会って、よくよく考えてみるとなかったんです。すごくくやしくて、「見返してやるまで終われない」と、人生で初めてすごく闘争心が湧いてきました。1巻が出たあとは、「この作品をどこまで描けるかというのが自分にとっては勝負所だな」という気持ちになり、2巻目からは意識がガラリと変わりましたね。

薄子さんというキャラクターの誕生秘話は単行本に掲載されているのでそちらを……ということにしまして、他のキャラクター達が生まれた経緯を教えてください。

とーこ:画子は薄子を描いたすぐあとにイラストを描いたのですが、なんであのキャラになったのか覚えていません。なぜピカソにしたのも覚えていない(笑) 多分直感で描いている内に、漫画にする時には薄子をイジるキャラが必要だなって思ったんだと思います。
雲ちんは、最初から「大学にいそうな普通の女の子」というテーマがありました。ただ、単行本のあとがきにも描いたんですけど、サイン会のときに雲ちんのリクエストが一人もいなくて、個人的に好きなキャラだったのですごくショックを受けました。きっと自分の中だけで生きてたんですね。画子との描き分けもできてませんしね……2巻以降はキャラ性を出すようにしました。

雲ちんこと小泉雲子といえば、薄子さんの兄濃造との恋愛模様がお話の中心です。7巻のエピソードなどはすごく少女漫画的だな、と感じたのですが。

とーこ:2人が出会った2巻の頃から雲ちんの気持ちを溜め込んでいたので、やっと吐き出せる!という喜びがありました。「やったね雲ちん!」とニヤニヤしながらネームを描いていました(笑) あのネームは、「濃造への気持ち」と「脚本家としての気持ち」をリンクさせないといけなくて苦労したんですけど、あの回は珍しく担当さんに編集長も褒めてくれたので、思い残すことはないほど幸せな回でした。
ともかく、私にとって「可愛い女の子」のルーツは萌え系からよりも少女漫画から来ていることが多いので、少年誌でああいう話が描けたのは嬉しかったですね。

そのお相手の濃造も、大分強烈なキャラクターですよね。

とーこ:濃造は担当さんと決めました。薄子のお兄さんを出すという話になったとき、担当さんが「濃造……」とボソっとつぶやいたんです。「濃男」みたいな名前を考えていたんですけど「造」って!どっから出てきたんですかその文字!みたいな感じで頂かせてもらいました。
学校と家ではギャップが激しいという設定はプロット中に思いつきました。雲ちんが惚れることが大前提だったんで、「あの格好良い人は誰だ!?」、という状況に持っていくためには、ガサツな感じよりも学校内では大人な振る舞いをしている方が良いかなと思ったんです。

それでは、4巻から登場する撫子の話も聞かせてください。

とーこ:基本キャラ表とか書かないのですが、撫子は唯一設定をあらかじめ決めたキャラクターでした。4巻に入る前に担当さんと打ち合わせで、「新学期だから新学年の後輩を作ろう」という話と、雑談で「方言、可愛いよね」という流れになりまして(笑) 自分は京都が好きだったので、私が「京ことばにしよう」。そして担当さんが「それなら黒髪パッツンストレート少女だ!」と、容姿も自然に決まっていった感じです。

撫子といえば、京都旅行回でのお姉さんとのエピソードが印象的でした!

とーこ:年中春な感じでぽわわんとしてる撫子も、実は裏で悩んでたんだ、というのはずっと描きたかったんです。初登場回に、お姉さんに見送られるという描写を1コマ描いていたんですけど、あのときから「お姉さんと別れた後ろめたさ」があることを考えていました。それを袴というアイテムでつなげるのを思いついたのは、京都回を描いているときです。
巻数を追うごとに、どのキャラも愛着が芽生えてきて動かしやすくなっていきましたね。

逆に、思いの外動かしにくくなったキャラクターはいますか。

とーこ:助手さんです。彼女は同人誌の頃から登場させているんですけど、同人誌の頃の薄子さんはどちらかというとシュールな世界観で、その世界観だと助手さんもはまっていたんです。ところが連載になって、「薄子さんはほんわか日常系」みたいなのをいろんな人に言われて意識するようになったのですが、助手さんを出すとそういう世界観をガシガシ壊してしまう(笑) 本当はメインとして登場してもらう予定だったんですけど、たまに出てくる変な人というサブキャラになってしまいました。

よくわかりました(笑) その一方、先生の作品では、1話限定で登場する登場人物も皆魅力的なのですが、本編には描かれていない、彼らのバックストーリーなどは考えているのでしょうか?

とーこ:結構考えていますね。たとえば、薄子が電車の中で会った老夫婦は、あの日が結婚記念日なのでおばあさんが「たまには外に出ようよ」と、いつも家にいるおじいさんを無理やり電車で連れ出して、遠ノ宮から3駅くらい離れたところに散歩に行く、っていう裏話があったりします。
京都回の途中で出てきたナツさんは出身が滋賀なので、あのときはたまたま実家に帰っていたんですけど、他の200日くらいはバイクとかヒッチハイクで日本を縦断しているアクティブなお姉さんだという裏設定があります。ナツさんは、もう一回出すことができるかな?と思っています。

そういう裏まで考えているからこそ、キャラが「立つ」のでしょうか。

とーこ:漫画にしたら数10ページくらいですけど、キャラクター自身はそれ以上の年月を持っていて、たまたまある部分を切り取って漫画にしているに過ぎないと思っています。見えない部分をめちゃくちゃにしていると、見えている部分も上手く繋がらないという気持ちがあって。産まれて、幼少時代があり、10数年経ってからのいまがあるので、その頃をアルバムをめくる感じで追いつつ、20歳ぐらいになってから薄子さんと会えたんだなって考えていると、「あーこのキャラ生きてるんだな」と感じるときがあります。自分のなかでは、その感覚が漫画を描くうえで一番大事にしていることです。

それでは最後に、主人公である薄子さんの話を。作品全体の流れとしては、「薄子さんのやりたいこと探し」に、徐々にスポットが当たっている感じです。この話の流れは、最初から考えていたのでしょうか。

とーこ:まったく考えてなかったです(笑) 最初の頃は、「とにかく薄い」というキャラ性を活かしたショートストーリーとして考えていたんですけど、だんだん「やりたいことが見つからなくて悩んでいる薄子」や、「まわりに応援されながら頑張る薄子」を描いていたら、1巻の「薄いネタ」でダラダラと続けていくよりも、周りの人が増えるにつれて薄子自身も変わっていくのを、丁寧に描いたほうがいいなと思うようになりました。
8巻から9巻の話では、リアルタイムに「薄子、これからどうするんだよ!?私、なにもしてあげられないよ!?」と、薄子と一緒に悩んでいる感じです(笑) 今後も薄いネタも入れつつ、薄子の成長物語になっていくと思います。

それでは最後に、漫画家を目指している学生の方へメッセージを!

とーこ:中途半端な気持ちでは入ってきて欲しくはないという気持ちと、なにより不安定な職業なので、どうしても漫画を描きたいという強い芯がないと続けられないと心配する気持ちもあります。
それを踏まえて実践的な話をすると、同人誌でもネームだけでもいいので、ちゃんと決めたページ数で完結するお話を沢山描いたほうが良いと思います。
あとはできれば10代の内に、好きな漫画をとにかく読んでおいて欲しいです。お話を作るには経験がないと駄目なので、取り入れられるものを若い内にいっぱい経験して欲しいです。旅行にもたくさん行ってください。いろいろ飛び込んで経験してください。人生では無駄になるかもしれないことも、漫画の上では大きな財産になります。
絵や技術は後からついてくるはずなので大丈夫。何においても、漫画描く人はまず漫画を読まないと描けないと思うのですが、私自身漫画をあまり読んできませんでした。20代後半になって「漫画描くために漫画読まなきゃ」ってなるのはしんどいんですよ。「このコマ割上手いな」とか技術的なことばっかり気になっちゃって楽しめないんです。ですので、楽しめるうちに沢山読んでおいてください!

本日はありがとうございました!