君はどうせ君だよ_-01

結局、 いつも僕らは言い訳を探してる。


好きです、

という4文字を伝えるハードルは
いつこんなに高くなってしまったんだろう。

誰かを好きになって、
その人のことを考えると夜も眠れなくなって、
胸の部分がきゅーっと痛くなって、
真っ直ぐに愛を伝えることなんて

どれくらいの人ができているのか。


「 あっちからアプローチしてきて断る理由もなかったし。 」とか

「 別にそういうデートとかじゃないんだけどね。 」とか

「 好き。好きだけど、女の子から告白なんてちょっと負けた気持ちになるから。 」とか 

だからなんなんなんなんなんだよ

という気持ちになってしまう。


私たちの恋愛はいつも言い訳と保険でたくさんだ。 


テラスハウスの東京編でりこぴんと寺島速人が

お互いのこと絶対絶対好きなのに
それにお互いも気付いてるのに

「年齢」がどうとか

「仕事」がどうとか

つらつらと並べて

「徐々に恋愛していきたいから、まだ手は繋がなくていい」

とか言ってるのを見て、私はめちゃめちゃ煮えきれない気持ちを抱えていた。 



でも、それがリアリティだ。



大量生産的に作られていく恋愛ドラマほど私たちの恋愛は一本道じゃない。 


その恋が上手くいかなくても大丈夫なように、
言い訳と保険を大量に並べて、
好きを伝える前に終わってしまう。



小学生の頃、
お風呂でお母さんに初恋に関する質問をした。

「お母さんの初恋はどんなだったの?」

軽い気持ちで聞いた質問だった。

でも、

高校の別のクラスの〜くんという回答が帰ってきた時、

当時8歳くらいだった私は涙が止まらなくなっていた。


私は幼い頃から、
お父さんのことが大好きな子供だった。

幼いながらに

「母がお父さん以外の異性に恋をしていたという事実」を
認めたくなかった自分がいた。



お母さんはお父さんに恋をしてるもの、
そんなふうに考えていた。 


今考えれば、7歳も歳が離れていて
出会いは大学を卒業した頃の彼らが

初恋だったなんてありえない話だ。 


でも8歳の私は、

恋とは
とても運命的で儚くて絶対的なものだと

信じていたのだと思う。 


そんな気持ちはどこに行ってしまったんだろう。 



社会人になったら、
今よりもっともっとたくさんの言い訳を抱えて
恋愛するんだろうな、と思う。


この夏も、
私はたくさんの言い訳をしてしまった。 


『愛をしようぜ。』
ゼクシィの好きなコピーだ。 

平成最後の夏、

22歳の夏、

愛をできたのだろうか。



もう、セプテンバー。

額に汗が残るこの季節を、
まだ夏と呼んでもいいですか?

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